フルダイブの運営て何をしているのだろうね?デスゲームの采配とかかな?
フルダイブの運営で働くのって大変そうですよねー。
因みに倫理観をシアドは成長過程においてフルダイブゲームは危険性が高い系の批判を頑張って受け流しつつ、倫理観終わっている奴がプレイしている全年齢対象の大人気ゲームです
。。。。仕方ないじゃん!こういう設定にしないと変なんだもん!ご都合主義だからセーフなんだよ!
「おいおい、まじかよ」
シアドの運営員達が労働に勤しむオフィスにて、ある職員が呟いた。
正直独り言にしては声が大きすぎるので誰かに聞いてもらいたいのだろう
やれやれ、かまってちゃんめ。
「どうした浅野君?バグか?」
「いや、相野課長。昨日新しく村長を選ぶプレイヤーが現れたのですけれど。。」
「おお!それは良いことじゃないか!ねぇ、会字君。」
「ええ、相野課長。これでやっと国王の数が増えます。」
「やっと6人目か、、、」
オフィス内に歓喜の声が響く中、新人である浅野君は言いづらそうに申し出る。
「それなんですけど、ちょっと問題が。。」
刹那、オフィス内の空気が凍りつく。
その沈黙がオフィス内の全職員が浅野の発言を聞いていたことを代弁している。なんていう職場だ。みんなが聞き耳を立てていただなんて。プライバシーの侵害というやつか。訴えねば。
だがこれは無理もないことなのかもしれない。もともとシアドは国作りを目指して楽しんでもらうゲーム。それがいまではどうだ。国王は6人しかいないというお粗末な物。
そして人気。先月もプレイしたいフルダイブ 1位の座を得たのだ。
連続で。
そうじゃないんだよ!というのが運営の魂の叫び。
ましてや6人いる国王の内1つはNPC。実質5人だ。
単純に考えて当初のプレイ目的に沿っているプレイヤーは5人だけということになる。
そんな中現れた希望の星、6人目の国王候補。
注目しないのが不自然だ。
「問題、というのは?何か我々が支援できることはあるかね?」
おずおずと課長が猫撫で声で尋ねる。支援はプレイヤーにするんだぞ。職員にそんな声をする意味は皆無だろ。
過保護?いいやむしろその逆。
「もしかしてもうPKをしていたりするのか?」
これは矯正だ。
ここで1つ豆知識。
シアドにある国。メニイビル王国を除く6つの国において、普通の国は、、、
ない
そうないのだ。いわゆる0だ。運営が設置した大陸の町のように普通の領主の城があって、城下町があって、冒険者ギルドがあって、宿屋や武器屋のようなありふれた店が置いてあるような国は、無い。
どの国も独自の拘りという名の趣味を全開にした、非常識な国である。
ある国では無限にPKが連鎖する食人修羅の国に。ある国では現実においては違法の店が乱立し、ある国ではモフラー以外滞在できない政策を実行している
クセのある国といえば聞こえはいいが要は意味不明なのだ。
こいつらが政治家でないことを祈る。というか日本に住んでいないことを祈る。それぐらい彼の国々は常識が通用しない。
というかモフモフペットを飼育していないだけで処刑は駄目でしょう。それと18禁ゲームじゃないからそういう店は控えてくれよ!
というのが運営の本音。でも言えない。せっかくの国王が減るから。チートはしてないから。文句を付けれない
そして彼らの印象が強すぎて、国王に敷居の高さを感じるプレイヤーは多い。誰もが常識人でいたいのだ。
「頼むから普通の国王になってくれよ・・・」
だからこその今回のプレイヤーに期待が押しかかる。もしもそのプレイヤーがまともに、順当に!平和的に!国王になって普通の国を築けば、国王≒変人 という方程式が無くなり、国王になる人は増えるかもしれない。そんな期待が運営にはあるのだ。
「いえ、今の所プレイヤーに性格的異常性は見受けられないのですが・・」
「ほう!」
オフィス内の雰囲気を示すように上機嫌で課長は話す。
「2日で魔森エリアを踏破し村から町に進化しました。」
一転、暗転。上げて落とすと周りの人にもダメージが大きいのだ。覚えておこうね。これはテストに出ます。
「ログを見ていると実質1日で踏破しています。」
そして止め。オフィスはすっかりお通夜モードである。
それでも課長は何とか声を絞り出す。偉いな、課長。
「魔森はそんなに小さいエリアなのか」
そうだよね?という語尾が省略された言葉。しかし悲しいかな。誠実な社員は正直に答えてしまう。
「いえ、課長。むしろ平均より大きいぐらいです。また魔森エリアはレベルが強いモンスターはいませんが数が多く、ゆっくり経験を積むのに適したエリアです」
「そのエリアは私も知っています。たしかエリアボスがとにかく硬くて長い時間がかかります」
何に、とは言わない。言わなくともわかってしまう。
「つまり、実質1日でエリアボスに挑み撃破したと?」
それだけなら何とかなる。それだけなら。彼は町になったと言った。
そして村から町へと至るには確かもう1つの条件が・・
「はい。しかもエリア内のモンスターの8割を討伐しています。」
ハイ、非常識。そんなプレイヤーは普通に探索者側でプレイして欲しかった。
少なくとも国王にはそんなものいらない。
積極的に問題を起こすような国王達も何故あれほど強いのか訳が分からない。
「もしかしてチーターか?」
寧ろそうであってほしい。そしたらさっさとご退場願えるのだから。
「いえ、自分も調べて見ましたがそのような様子はなく。。」
ああ、とオフィスは絶望に包まれる。
驚くのは前の6つの国王をみて疲れてしまった。
今はただ癒しと平穏が欲しい。
「そうか。。。」
悲哀に満ちた課長の声。
そのような空気を感知できないのは新人のみ。彼らは若いのだ。一生懸命作った遊びの趣旨は無視され趣旨を理解しているのは変態のみ、という経験がないのだろう。
「なんだこの雰囲気?」
「私だって分かんないわよ。それよりも仕事しましょ。」
新人同士の会話にある「それよりも」、という単語に数人が心を折られ、
「あれ、そういえば。」
新人が気づく。いや、気づいてしまったというべきか。
「これワールドクエストはこの国王の面子で始まるということですか?」
この日、シアドの運営室にて。新人以外は絶叫した。
なお皆怒られました。新人に。
数か月後、シアドの現実を知った新人は大いに叫び。
同じくシアドのことを知っているベテランという名の廃人共も大いに叫んだ
このゲームは自由度が高く、頑張れば一から自分が設計した服が作れます
ついでにモフられそうになった獣人は大体死神ちゃんによって助けられるので死神ちゃんの熱狂的なファンの半分は獣人。
ワールドクエストはまだ始まりません




