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彼女の命と億万の命  作者: 春夫
4/13

武器

青黒い金属の城壁に囲まれる『サリアン中部都市』

その入り口から約25km圏内は『ハンター』専用区域となっている。

基本ハンターは『モンスター』を倒すために車、バイク、戦車などの戦闘機を持っているのが多い。

その上、ドローンや銃、着用者の筋力不足を補う最先端装備『戦闘服』、用途によって着用者の得意な能力を底上げしてくれるアクセサリーに類似された最先端な機器『補強器具』、飲めば体力や回復力に筋力などを上げてくれる薬品などなども必要によっては必須になる。


なのでハンター専用区域には駐車場、依頼所や工場や病院、研究所に加え『異宝』を審査する審査所が多く存在するのだ。

そのおかげで、ハンターは都市に帰ればすぐに用事を終わらせることができるようになっている。

そう、普通ならば・・・すぐに彼らは帰宅できるはずだった。


「で、その結果、約10万セルの赤字と。」


しかし髪はボサボサ、顔には黒い炭跡があり、体には汗と火薬の臭いを持つ少年少女3人と疲れ切った3人を見て呆れている青年は、ハンター区域より少し奥にある庶民街に入る前に位置する武器屋へと足を運んでいた。

そこは銃火器を主に置いており、銃弾、修理、特別料金で改造をしてくれる四人の行きつけの店であり、店名は『ベイリット』である。

彼らはそこに自分の武器を修理、もしくは再購入のために訪れたのだ。


今、椅子に座っている3人を見下ろしているのは、店員として雇用された身長172cmの黄土色のキャスケットを着用している女性『アラン』。

彼女は三人の武器の修理、改造の為、三人に要望を聞くためにまず戦闘結果を確認する。


「アオバ君の銃は傷だけだから被害は少ない。

カエデちゃんだけが整備するだけで大丈夫なほどほぼ無傷。

けど、前衛のイオリ君の被害が絶大。

刀の刃こぼれは酷くて、改造済のアグロ社の自動式拳銃『TR-3』が半壊。

そして私が勧めたソリッド社の散弾銃『SHOT-24』は壊れて捨ててきた・・・と。」

「「・・・。」」


アランは手元の書類に顧客の戦闘結果の情報を記入する。

口に出して言うことにより男子二人の脳内で戦闘時の記憶が再生される。

彼らは溜まりに溜まった疲労により壁にもたれかかっていた。

その様子を見てアランは、後ろで並べられている銃を吟味するノアに自分の考えを伝える。


「・・・ノア君、この子達に区域cは早かったんじゃない?」

「本当はCの入り口を体験するで終わる予定だったんです。

けど、アオバの今回のリーダーのイオリの指示を無視して奥に入ってしまいましてね。」

「あぁ・・・だからイオリ君の被害が一番大きいんだ。」


アオバは今回の訓練にブツブツと小声で文句を言う。

その内容は彼の欲を優先したものだったが、それを聞いてた横の二人は反応することはなかった。

無視するのが楽だというのを知っていたからだ。


アランはその様子を見て、3人の仲はいつも通りなことを確認する。

変わらないなぁ〜と苦笑し、仕事にかかる。


「で、新武器を購入する予算は?」


基本ハンターは、ランクが10になるとハンターをまとめる『ギルド』から、彼らとの通信用の情報端末と、彼ら専用の口座が渡される。

が、まだ三人はハンターランク3。

故にハンター用口座は持っていない。


だからイオリは自分で作った個人口座を利用できるカードをアランに渡した。


「赤字はうちの院長の豪鬼さんが払ってくれるので考えなくて大丈夫です。

なので武器は俺の財布から・・・銃弾込みで・・・うぅ、500万セルっ!」


イオリは苦しそうにを片手を前に突き出し5を示す。

隣の二人は驚いたように目を見開いた。

無理もない。まだ彼らは11歳。

ハンター初心者とはいえ、あまり貯蓄はないのだ。


「ほぉ〜、出すねぇ〜。全部前金?」

「一応そのつもりです。」

「へぇ〜、流石はイオリ君だ。」 


故にアランの感嘆は彼の顧客としての有能性を示していた。

実質、彼は店に大きく貢献している。

過去、何度も銃を買いに来て、世間にいい噂を流す。

たまに手伝いに来てくれることから、専門知識があるうえ、重要な収入源でもあることからアランは期待しているのだ。


何故、アランにそれほどの貯金があるのか。

それは孤児院の院長『豪鬼』が関わってくる。

彼もハンターであり、イオリを雑用扱いで連れ出すことが多いのだ。

イオリはその中で、ハンターの管理所『ギルド』からの依頼を安い報酬でも数多くこなしている。

その上、見つけた異宝を分けてもらったり、彼は欲が少ないため使う時がないから、貯金はそれなりにあったりするのだ。


「で、どんな武器を購入予定で?」


イオリはよっこいせと立ち上がり、並べられている銃を見た。


「まずは拳銃ですね。もう一丁ぐらい『TR-3』買っておこうと思ってます。

後は・・・突撃銃と、擲弾銃ですかね。

予算に余裕があるのなら散弾銃もお願いします。

瞬間火力はやっぱりほしいですから。」

「なら、アランが前に買わせたものの一世代先の『SHOT-36』を買え。

反動は大きいが成長期のお前たちにはちょうどいいだろう。

反動に耐えられる筋力ぐらいはハンターには必須の上、そっちのほうが手っ取り早いし、強力だ。」


イオリが要望を口にすると、カウンター奥から店長と思わしき178cmの身長を持つ、肌の黒い男が出てきた。

彼は筋骨隆々で武器屋の店長にしては圧力のある男である。


「あ、ニックさん。」


ここの武器屋が、イオリが客引きしなければならないほど新しい客が来ないのは、実は店長の怖さにある。

彼の肉体の大きさ、筋肉の発達具合、そして鋭い目。

どれも若手のハンターには怖く近寄りがたいのだ。


しかし孤児院いる三人と顧客にとっては、彼がただの銃マニアであることを知っているため、あまり怖くはなかった。


始めはアオバもビビっていたこだが、アランが働いているということから無害な人なのだと理解し、今では信頼している。

孤児院の四人にとってはもうここは信頼に足る武器屋となっていた。


「店長と呼べ、イオリ。

それでお前がほしいのはその3つでいいんだな?」

「はい、散弾銃はそれでいいです。

それと突撃銃は通常弾メインだけど徹甲弾も対応しているやつをお願いします。

擲弾銃の擲弾は爆発するのを10、毒、催涙を5つづつ。

ジャミングと普通の煙幕弾も5つづつですね。」

「擲弾銃は弾共に高いぞ。それに重い上に弾がかさばる。探索中に使うのであればおすすめはしない。

軽いやつもあるがそれはその分、威力も落ちるから買うだけ無駄だな。」


ニックは並べられているものの中から、横状に大きい銃を取り出しイオリに渡した。

その銃は銃口が大きく、設置できるよう支えがあることから、持ちながら異跡の探索には向いていなのは一目瞭然だった。

しかしイオリは平然な顔をし、持っている銃を返す。


「大丈夫です。擲弾銃は念の為に買うだけです。

移動用の機内に入れるぐらいで、ガンガン使うわけではないですよ。」

「そうか、なら・・・。」


ニックはなるほどと言いながら銃をしまう。

そして、カウンターにおいてあった端末を手にし、それを操作し始めた。


「火力を高くするために突撃銃は少し大きめのがいいか?

携帯性がもう少し劣ってもよくて、衝撃を気にしないなら大口径のやつもあるぞ。」

「いえ、大口径ほどのものはいいです。

そこまで来ると体に負担がでかすぎて辛いですから。

どちらかといえば連射性と一発一発の狙撃可能なやつをお願いします。」


細かな要望はニックにとってもありがたいものだった。

彼はイオリの要望に最大限答える突撃銃を端末状で検索する。

そして、その中から一番ふさわしいものを見つけ、置いてある棚へとイオリを引っ張った。


「なるほど、それならこのアグロ社のWH型突撃銃『JK-s56』だな。

少し大きめで重いものの、フルオートに変更可能で反動も抑えられている。

今では折り畳み式も出ているが、買うならそれじゃないほうがいい。 

折り畳み式は便利だが脆くていざとなったときに壊れやすいんだ。

注意点を説明するなら、片手での運用はやめろ。

反動は抑えられてるとはいえ、撃った時の衝撃は強い。

恐らく最低でも骨が外れるから、よく吟味して買うか決めろ。」


ニックに言われたことを頭に入れ、買うか買わないかを考えるイオリ。

彼の12年間で作られた体は、まだ幼く、まだ発展途上。

今後のことも合わせて考えれば、今提示されている銃を容易く扱えるようにならないとまずいのは彼自身わかっていた。

しかしそれならもうはじめから大口径を買い、体を慣らしたほうがいいなではないかとも思えてしまう。

そちらのほうが体に負荷がかかり成長は促進されるだろうから。

けどそうなってしまうと生存率は大幅に減ることになる。


今の若手ハンターには大口径を持って使えているものは多くいる。

その理由として戦闘服があるのだが、イオリとしてはまだそれに頼りたくはないという気持ちがあったし、生憎と彼に金銭的にその余裕はなかった。


成長とお金を優先するなら、勧められたものを買うしかなかった。


「値段はいくらぐらいで?」

「そうだな・・・ざっと150万だな。

散弾銃と銃弾も合わせて全部新品となると・・・丁度300万ってとこだ。

あ、スコープとか改造品つけるなら突撃銃だけで200万は行くが買うか?」

「そうですね・・・・改造品とともに買います。

それを買ってもまだ予算オーバーはしてないんですよね?」

「もちろんだ、ギリギリオーバーはしないぐらいだ。」


現代、中部都市作成の銃はさほど高くない。

中古もあるため大抵は20万もあれば拳銃は買える。突撃銃も50万もあれば買えるのだ。

しかしハンター用となると話は違う。

まず強度。これは市販のものとは比べ物にならない程になる。

だがこれも古代都市では簡単に壊れてしまうもの。

その上、材料や制作までの費用も嵩み、普通の銃より何倍もかかっている。


イオリの払う値段はとてもまっとうな値段だった。


しかしまだ安い。

高価な銃はまだまだある。

その例として東部都市制作の銃がある。

これは中部都市のものと比べると質が違うと言われている。

そんな噂が立つほど強力なものなのだ。

その上、中部で買うとなると運搬には途中の異跡が必ず邪魔になるため、その分の費用も嵩む。

つまり、ハンターが使用する武器は最低でも百万、最高で億、もしくは『セル』より価値の高い『ナイル』まで行くほど高価なものが多いのだ。


イオリはそれらをわかっているので「これなら良し」と考え、ニックの端末にサインをする。

これで散弾銃と突撃銃の購入は確定した。

ニックは、ホクホクと嬉しそうな顔をし、拳銃コーナーを指差す。


「後は拳銃だな。確か『TR-3』をもう一丁だったか?」

「あ、はい。使いやすい拳銃はあるだけで安心感違いますから。

改造もしたいのでその部品もお願いします。」

「ん〜、なるほど・・・同じのをもう一丁、か。」


ニックはイオリの体全体を観察するように眺める。

イオリは何故と疑問に思うが何も言わずに観察された。

ニックはニヤリと不敵な笑みを浮かべる。


「なぁ、イオリ。お前リボルバーに興味あるか?」

「リボルバー?・・・あの真ん中に銃弾を入れて回転させるやつですか?」

「そうだ。今では古風で使われることは圧倒的に少なくなったが、マニアには高く取引される・・・これみたいなものだ。」


ニックは拳銃の棚から、現代の製造されているメカメカしい銃からは考えられないデザインの銃を取り出した。


「なんか・・・格好いいですね。」


本音だった。

手に持つ感じはイオリにとって、とてもしっくり来ていて、かっこよく思えたのだ。

ニックはイオリがリボルバーの分かるハンターだと分かり、テンションが上がる。


「お!分かるか!このフォルム!この重量感っ!

触ってみるとわかるが、この硬さっ!

今は性能だけを追い求める時代だがこういう渋いものも必要だと俺は思うんだよ!」


ニック以外は、リボルバーに熱弁する彼を見て「また始まった」と苦笑する。

ニックはたまに銃が関わると人が変わることがある。

気象が荒くなるわけではないが、周りが見えなくなってしまうのだ。


イオリはそれを察し、リボルバーを手放そうとするが、上から手を握られ出来なくなった。


「こいつは銃身が少し短くて、量産型だから10万も行かないが、それなりのものは容易く50万は超す!

おーとっ!言いたいことはわかるぞ!

拳銃にそれだけの大金出せないと!

六発しか装填できない銃にどんな特があるんだと!

安心しろ!・・・それを今から教えてやる。」

「・・・え?ぐぇっ!?」


イオリは首根っこを捕まれ、店内奥へと引っ張られていく。

足をバタバタさせてなんとか逃げようとするが、首の自由を奪われているので抵抗は弱かった

イオリほかの四人に助けてと念を込めた視線を送るが、四人は知らんぷり。

ついには服の襟に首が締められた。


「あ、駄目。息が、息が!」

「大丈夫だ。死ぬ前にリボルバーのすべて教えてやるっ!」

「銃が関わったら本当にこの人は怖い!

あ、助けて!助けてアランさんっ!たすけ」


イオリの叫びも虚しく、二人は店内奥へと消えてった。

その様子を見た四人はイオリの視線からの解放されたことで、口を揃えて溜息をつく。


「これは・・・一時間はかかりますね。お茶用意します。」

「すいません。ありがとうございます。」


ノアのお礼を聞くと、アランは奥のキッチンへと入ってった。

店内には約5年は一緒に過ごした3人。

アオバが不満を漏らした。


「イオリの奴、豪鬼さんに贔屓され過ぎじゃないか?

なぜあいつだけ懐が潤うほど古代都市に連れてかれてるんだ?」


その言葉にノアは腕を組み考える。

ノアたちのいる孤児院は、基本子供達が自主的に生きたいと頼ってきた子と、身勝手な親が厄介払いで捨てた子を面倒見ている。

アオバは後者で、カエデは前者だった。

けどイオリはどちらにも当てはまらない。

なぜなら彼は院長『豪鬼』に連れてこられた子供なのだから。


「何、アオバ?貴方もイオリみたいに毎週死地に挑みたいの?」

「・・・そういう訳じゃない。ただ、豪鬼さんはあからさまにあいつに絡みすぎてる。」


アオバの言いたいことはノアにはわかっていた。

孤児院では子ども全員に行われる身体能力強化訓練がある。

それは豪鬼や豪鬼の知り合いの武術家が師匠となって実施するのだが、どれもイオリは技術を誰よりも早く習得していた。

師匠とイオリが一対一で話している姿も何度かノアたちは見かけている。


「・・・安〜い嫉妬ね。イオリがあの人の戦闘技術を自分より早く手に入れたからって、そんなこと想像してたの?」


アオバの横に座るカエデは強い口調で、アオバを否定する。

アオバはそれに、苛つき始めた。


「はぁ?ふざけるなよ?俺はあいつに嫉妬している訳じゃない。

ただ、卑怯に強くなっていることに腹を立ててんだ。」

「イオリは卑怯なんてしてないわよ?

見て真似て盗んでちゃんと強くなってる。

というかそもそも強くなる方法なんて本人の自由。

そこにどんなことがあってもそれは運。

そこに卑怯もズルも存在しないわ。

いくら強さにケチつけようと、それは妬みでしかないから惨めになる前にやめときなさい。」


カエデの言うことも、最もだ。

どんな形だろうと、強さは強さだ。

それは本人の実力で、いくら他人がケチをつけようと、ただの嫉妬でしかない。

それかただのケチつける側の傲慢でしかない。


それをわかってか、ノアは何も言わない。

イオリの評価にそんな私情は交えない。


「てめぇは俺をどうやっても、イオリに嫉妬しているようにさせたいらしいな?」

「事実でしょうに・・・そう思われたくないんだったらだる絡みをやめなさい。」


怒りの頂点に達したのか、アオバが立ち上がる。

殺気を向けるが、カエデは何も反応せず手持ちの拳銃の整備を続けていた。


ピリピリと空気が重くなっていきそうになると奥からアランが戻ってきた。


「暴れてもいいけど億と弁償してもらうからそのつもりで。」


3つのお茶の入ったグラスを持ってきたアランが空気を変えた。

アオバはアランの言葉で冷静になり、椅子に不機嫌そうにドスリと座る。

止めようと動き出す準備をしていたノアはホッと安心した。


「すいませんアランさん。」

「いいんですよ、子供は元気が一番だからねぇ〜。」


アオバは気持ちを切り替えるために、渡されたお茶を煽る。

カエデは特に何も思ってないかのように整備を再開し始めた。

その様子にアランは苦笑する。


「この子達は本当に変わらないね。」

「全くです。もうかれこれ3年以上もこの状態が続いてますからね。」


彼らの仲は最悪。

カエデはイオリを好ましく思っているが、アオバはイオリが嫌い。

カエデはそのアオバが嫌いで、アオバはイオリを贔屓するカエデも嫌い。

イオリはアオバは一応嫌いだが、友人だとは思ってる。

何とも面倒な仲である。


が、3人の問題はどれも最後は丸く収まっている。

その上、数が多いからもうノアの中ではいつものこととなっていた。


「孤児院に戻れば今日の成果を豪鬼さんに伝えるの?」

「はい、それが仕事ですから。

これで今後の訓練内容を大幅に変更するそうです。」

「それはそれは・・・豪鬼さんは優しいね。」


ノアの意見としては豪鬼が優しいのは同意見だった。

ハンター志望のこの三人を鍛える。

死なないように、鍛え抜く。

そのために妥協も諦めもしない。

自分の出せる最大を彼はしている。

それをノアは知っているのだ。


「そのはずだとおもいます。」

「確信はしてないんだ。」

「そうですね、豪鬼さんから3人の教育係を任されてからちょっと疑問が出てきましてね。」


故に豪鬼に贔屓はない。

そう・・・思っていた。

彼のもとで生きてきたノア自身それを体感していた。

けどイオリを見てからそれがゆらぎ始める。

少しだが歪み始める。


「なに?豪鬼さんの最低な性格でも見た?」


笑いながらアランは冗談を言う。

ノアはそれをまさかと笑いながら返した。


「ただ甘いところを見ただけです。」

「?人間なんだから甘いところもあるもんでしょ?」

「えぇ、ですからちょっとした疑問です。

豪鬼さんの優しさは、本当はそのちょっとした甘さなのかもって思っただけなんです。」


優しさと甘さは似て非なるもの。

もしも甘さが勝るなら、それは危険だ。

それは3人の死に直結する。

贔屓という甘さを持って接すれば、三人を結果的には最悪な方へすすめることになる。

3人の教育方針を変えていかなくてはならなくなってしまう。


「本当に優しさであるなら・・・いいんですけどね。」


ノアは街を照らす月を見上げた。

そして、こうであってほしいと願う。

出来るなら100%の優しさであってくれと。

その優しさに贔屓はないのだと。

甘さはないものだと。


その願いは子供の成長を見守る親のように優しく、子供たちに社会を教える先生のように厳しく・・・なにより・・・彼なりの甘えも入っていた

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