当然でしょ?
「リリィ…」
元の場所
取得空間に戻ってきたがリリィには申し訳ないことをしてしまったと落ち込んでしまった。おそらく他人が見たら驚くほど絶望しきった表情をしていることがわかった
「旦那様」
不意にリリィの声がして振り替えるとそこにはリリィがいた。つい今しがた見たまんまの姿のリリィ。はっきりその姿を確認した瞬間オレは思わずリリィを思いっきり抱きしめた
「リリィ!?」
突然の行動に戸惑いどうしていいかわからないリリィ。声もうまく出せず固まって困り果てた顔になり動こうとしなかった
「しかしなぜ?」
リリィを抱き締めたまま独り言のようにつぶやくオレ。その疑問には神様が答えてくれた
「そりゃ、君がここにくれば彼女の魂も引っ張られてここに来るよ」
何はともあれ無事リリィと再開できてうれしくてしょうがない。改めてリリィを抱き締め直しリリィの温もりを感じていたのだったが先程からずっと抱きしめられていたリリィはとうとう我慢できず
「だ、旦那様、その…イヤと言うわけではないのだが、いささか我もさすがに恥ずかしくなってきたのだか…」
言われて慌ててリリィを解放してあげた
リリィは服装が乱れていないか確認しているがそれは明らかに恥ずかしさを紛らわしいるだけで
「まったく……いきなりとか……心の準備ぐらい……ま、まーうれしくてついとか………じゃがな……」
服装を直している間顔を赤くしてなにやら独り言をブツブツ言っていた。しかし次第に落ち着いてきて
「して、旦那様ここは一体どこなのだ?」
リリィの質問に少し悩み、申し訳なさそうにしながら説明してみることにした
まず自分はあのままあの世界に転生出来ない事。そしてその理由はリリィがまた魔王になってしまうから。そして別の世界に転生出来れば普通の女の子として転生でき自分としてはリリィには普通の女の子として転生して欲しいのだと。だから取り敢えずこの取得空間にしばらくいなければならない事を
「そうか、だか我は別に構わないぞ。旦那様さえいれば我はどこでもいいのだからな」
「リリィ…」
そんな風に見つめあっていたら、申し訳なさそうに神様が話しかけてきた
「あ~少し捕捉させてくれ、正確には魔王として覚醒というか、破壊衝動に目覚めるんだよ、魔王というのが悪いわけではないんだよ。現に彼女の今のジョブは『魔王』なのだからな」
「そう…なのか?」
「うん、だからこのまま彼女が別の世界に転生したら良心ある優しい魔王になるんじゃないかな?」
魔王で優しいとか、と思ったが魔を悪いものとして見なければいいのでは?それこそ《魔力がある人々の王様》と考えれば優しくても問題ないかとそう考えを改めてリリィを見つめて
「じぁ、リリィ、これからよろしくね」
「ふふふ、こちらこそ末永く頼む」
満面の笑み、本当に幸せそうなリリィだった
そのあとはいくつかの補足説明してから何かあったらシュリに尋ねればいいからとそれだけ言うと、またね、と手を振って消えてしまった神様
取り敢えずどうしようかと悩んだがこれからは一緒に生活する訳だからみんなにリリィの事を紹介しようと考えたが
「あー、リリィ、申し訳ないけどオレたちが夫婦になった事は今しばらく黙っていてくれないかな?さすがにまだ恥ずかしい」
「そうか……それならそれでは我は構わないぞ」
快諾はしているが、やはりどこか寂しそうなリリィ。しかしいきなり嫁が出来ましたとみんなに話すのは恥ずかし…もう少し心の準備をさせてほしかった
そしてみんなにリリィを紹介する事にした
ちなみにリリィは神様に頼まれてここにきたと、指導役としてきたと、そう説明すればいいからと言われたがそれで問題ないのかと思ったけれど、神様には問題ないと言われたのだった
しかしオレでもギリギリ勝てるかどうの相手が指導役になるのか不安になってしまった
「リリィシェル=ムーゲント=バルズ=ウィルスパだ、リリィ、もしくは、魔王と呼んでくれてかまわないぞ」
「私はユズキ、よろしくね、リリィさん」
「イリスだ、よろしく頼む、魔王どの」
「ノア、よろしく、リーちゃん」
「タケルくんの愛人やってるシュリで~す。よろしくね~リリィちゃん」
考えてもしょうがなかったので取り敢えず全員に自己紹介をしたわけだが、シュリはぶん殴っておいた
そしてリリィが、物凄い形相で睨んできたので耳打ちで謝り、そのあとちょっと失礼とリリィを連れ出し、土下座で謝罪した
あれは違うんです。ただのおふざけで勝手に言っているだけです。オレとシュリはそんな関係ではないんです。ですからそんな怒んないで下さい
しかしリリィは愛人がいた事に怒っていたのではなく、愛人がいたのに黙っていた事に怒っていたのだと
まーシュリの狂言だった訳だが…
なんとかリリィをなだめることが出来てホッとした
そしてせっかくだからと戦ってみることしたのだか、オレの不安など感じさせない強さだった。ユズキ、イリス、ノアと、3対1で戦ったのだか3人を圧倒、しかも大ケガしないように手加減までしていたのだった
ついでだからとシュリとも戦ったのだがシュリには勝てなかった、そしてシュリに勝てなかったことをリリィは物凄く悔しがっていた
いや、だからリリィ。本当に違うんだって…
どうやらリリィはまだ疑ってたらしくシュリに勝ってもう近づくな的な事を言いたかったようだ
しかしシュリいわく
「うん、今はまだ力がうまく扱えてないだけで、魔王として完全覚醒したら私でも勝てるかどうかわからないよ」
そんな訳だか、一つある疑問が
(いやいや、神様、こんな魔王をギリギリで勝てるから、討伐出来るからとか絶対ウソだっただろ!?)
しかしオレは気がつかなかったが、実はあの世界にいた時のリリィは本当にギリギリ勝てるぐらいの力しか持っておらず、取得空間に来た事で魔王としての力がある程度覚醒したのだった
リリィの実力がわかったところで改めて指導役になってもらったわけだか、どうやら基本的にオレにしか指導する気はないらしい
そりゃ聞かれたり頼まれれば色々していたが、リリィ自身が何か指導したりするのはオレに対してしかしなかったのである。それどころか常にオレのそばにいて離れようとはしなかったのだ
そんなリリィの態度に怪しむ3人、そしてシュリはわかっているのかいないのか終始意味深にニヤニヤしていた。そんなみんなの視線が痛くてもう愛想笑いしかできなかった
そんなわけでその日は修業に集中出来ずにいた
そして夕食
これでもかと食事を振る舞うとリリィはもう大喜びしていた
だが!?問題発覚!?
リリィは夫婦なのだからと当然オレの部屋に住み寝起きするつもりだったのだ。正直うれくしくないわけがなく本心ではかなりうかれてしまった
だがしばらくは秘密にする事になっていたので別の部屋で寝起きしてくれように頼むと渋々だか承諾してくれた
しかし考えが甘かった
夜、部屋にいたらリリィが忍び込んできたのだ、そしてオレを誘ってきたのだ
「夫婦なんだから当然でしょ?」
そんな感じで獲物を狙うように見つめてきたが見ため的にちょっとと考えて、さすがに今のリリィに手を出したら色々不味いでしょ、となんとか耐えていたけれども
「やはり我は旦那様の好みのおなごではなかったのじゃな…」
物凄く落ち込んでしまったリリィ、オレもちょっと悪いことをしたなと思ってしまってやはりどうしようか考えていたらいきなり顔をあげるとそのまま幼かった体が大人の体へと変化したのだった
「旦那様、これならどうじゃ」
改めての誘い。ただでさえ美少女だったのが絶世の美女へとなったのだ、幼いからというブレーキははずされ止めるものがなくなり……
気がついたらリリィと朝を迎えていた
そしてリリィには昼間の間子供の姿でいるよう頼むと
「た、確かにその方が良いな、旦那様はすごかったからな…」
顔を真っ赤にしてうつむいたままになってしまったリリィ。そんな姿がかわいいなと思っておそらく大人の姿だったら危なかっただろう
そして何事もなかったように1日過ごしたのだか、どうやらシュリは即座に気づきボソッと
「あ~いくらそういった事しても子供は出来ないよ、だって器があっても魂がないんだもん。出来ようがないよ」
なんの事やらと当然とぼけてみたが昨日よりさらにベッタリなリリィの姿がありオレの誤魔化しは無駄だったようでその日もニヤニヤしていたシュリ。他の3人の視線もさらに研ぎ清まされていてその日はろくに集中して修業が出来なかった
そして夜、再び忍び込んで来たリリィ。今度は最初から大人の姿で現れたのだ。なので昼間シュリが言っていた事を伝えると
「ただ可愛がってもらいたいだけではダメなのか?」
そんな事を美女の姿でしおらしく言われたのだ……
2日連続でリリィと朝をむかえた