スキル多量獲得?やったね!?
オレの1日はある程度固定化された
朝、みんなより早く起きて食事の支度をする。そして朝食と昼食を一緒に作る。4人分の食事なので結構大変である。そして出来たところでみんなを起こしに回る
この時絶対守っていることがある。なかなか起きてこなくても決して中には入らない!!オレもバカじゃない。同じことはしない。
イリスとノアは比較的すでに起きていてすぐに部屋を出てきてくれるが、ユズキは起きてないことがしばしばで眠そうに部屋のなかから返事をするだけでそのあと食堂にくるといつもどうりの笑顔である
朝食後、さっさと全員屋敷から追い出し食器を片付けて、洗濯物をする。洗濯をする際下着は自分でやってもらうよう頼んだが、意図的、というか面倒なのかたまに下着も混ざっていた
しかしすっかりなれてしまったのかドキドキとかテレたりとかせず、またか、と言った感じで処理をする
確かにはじめの頃は、あいつこんな下着つけてるのか~とか、こんなきわどいのをつけるの?とか本人が付けているところを想像したが今はしょせん布としか思わなくなっていた
そのあとは掃除。1度に出来るわけがないので7日に分けて各箇所を掃除して回るがこれだけでも結構時間がかかってしまう
掃除が終わると書庫へ行く
書庫では武器の本、戦略の本、魔術書、体術の本と、とにかく知識を勉強した。何をやるにもまずは知識と考え、さらには移動の時間も省きたかったのである
お昼なると屋敷にみんな戻ってくるので朝作っていた食事を用意して昼食を取る。この時なぜかシュリも同席して昼飯を食べている
昼食後は、オレも一緒に外に出て修業をする
まずはみんなの動きをみて学ぶ。体の使い方とかをシュリをメインにユズキに聞く。ユズキは感覚的な教え方をするのでたまによくわからないときがある。おそらく天才肌だからだろう。凡人にはわかりずらい
そのあとは武器を使い実戦、またシュリをメインに今度はイリスに聞く。イリスはかなり丁寧に分かりやすく教えてくれるが超スパルタ。少しでも違う動きをすると罵声が飛んできた
そのあとはノアと共に魔法の修業をする。ノアに関しては……ユズキに近い感じでわかりずらい。というかコミュニケーションすらうまくとれない。そもそも口数が少ないのだ
そんな感じで夕方ぐらいまで修業して暗くなり始めたところで一足先に屋敷に戻り干していた洗濯物を急いでしまいそして夕食の支度をする
夕食が出来上がるとほぼ同時ぐらいに女性陣が帰宅してきて食事をするのだが女性陣はそれぞれ気分で帰って来た直後や夕食後にお風呂に入る。そしてオレは全員入り終えた頃合いを見て風呂に行く
これはまたうっかり鉢合わせして殴られたくなかったからである
お風呂に入るまでの時間は日によってまちまちな事をするが1番やっている事が多いのは裁縫
やはりなんだかんだ言っても女の子。かわいい小物がほしくなったり、お気に入りの服がほつれていると頼んだ来るのだ
ちなみに1番頼んでくるのはイリスであった
あとはノアの行動にも注意した。彼女はとにかく気にしない
朝、髪がボサボサでも気にしなく、スカートがめくれて下着が見えても直さず、服が汚れてもはたいたりせず、それどころか
「体洗うのめんどくさいから一緒に入って洗ってくれない?」
そんな事を真顔で真面目に頼んできたりしたのだった
お風呂の解決策としてシュリに頼む事にした。頼む際、最近まともなお菓子が作れるようになったのでそれで買収した
風呂上がりから寝るまでは自室で勉強と明日の食事の献立を考えていた。ちなみにそれぞれ好き嫌いがあるのけれど問答無用で食べてもらう。文句など言わせない
しかしそれだけだと不満が溜まってしまうのはわかりきっているので週一ぐらいで各自の好物を作ってあげる
ユズキは豪快な肉料理。イリスはあっさりした洋食。ノアは食後にフルーツ多目のデザート
だいたいこんな感じで日々を過ごしていた
そして修業の成果だろうかいつの間にか数多くのスキルを獲得していた
《体力上昇》《魔力上昇》《見切り》《危機感知》
戦闘で使えそうなのはこの辺ぐらいだか獲得していた。もうちょっとたくさん獲得したかったが得られないものはしかたがない
が!?
実はそれ以外にも色々獲得していた
それは
《味覚繊細》《食材召喚》《食材鑑定》《汚れ感知》《高速料理》《ゴミ粉砕》《裁縫技術向上》《不快軽減》《速読術》etc.
完全に戦闘とは無関係の家事スキルばかりアホみたいに獲得していたのだった
さらにはジョブのほうも
《剣士》《闘士》《魔術士》《僧侶》
と、獲得してそれぞれレベルが上がっていた
が!?
《専業主夫》がクラスチェンジして《万能主夫》になっていた
しかもダブルスコア以上にレベル差をつけて…
《専業主夫》が職業として扱われている事に疑問を持ったがそれ以上に《万能主夫》ってなんだよ!?とツッコミをいれたかったがあるものは仕方がないと諦めた
そんなオレに対してシュリが冗談だか本心なのかわからない感じで
「ねぇ、私のお嫁さんにならない?」
と訪ねてきたので思いっきりぶん殴ってやった。しかし普段やっていることはそれこそ主夫そのものだった。戦闘の修業がまるで暇潰しかのようだった
これではいけないと考えて生活の割合を変えた
まず掃除する場所をさらに細かく分けて12日で回る事に、純粋にやる量を減らして戦闘の修業をする時間を増やしてみた。これには多少なり効果はあると思っていたがそれほど効果はなかった
そしてこの事にイリスが不満をもち部屋にいるときのお嬢様のようなホワイトイリスが頼みをしてきた
「あ、あの、もう少しお掃除の方をしていただきたいのですけど…」
「いや、それだとオレ全然強くなれなし」
「そ、それでしたら、もし前みたいに掃除をしていただけるなら、わ、私の手の甲に口づけをする名誉を与えましょう」
そう言い手の甲を差し出すホワイトイリス
なにいってやがるこのお嬢様はと言った感じで思いっきりチョップをして黙らせる。頭をおさえ半べそのホワイトイリス。内心部屋にいるときのこのホワイトイリスはかわいいんだよな~と思ってしまう
しかしこの日から修業の際本気で殺しに来るイリスがいて、実際何度か殺されたが、お陰で戦闘系のジョブはメキメキレベルが上がった。だが世間的には見習い程度の強さだった
はっきり言って激弱
魔物とかと対峙すれば瞬殺されてしまうだろう
しかしこれ以上早くレベルは上がらないしあきらめて地道に修業する事にした
一方家事スキルは素晴らしい勢いでレベルがあがった。まったく不本意であったが、生活レベルはかなり向上した
特に食事。大衆食堂レベルならお店が開けると評価をしてくれていた
(オレ、冒険者じゃなくてこっち側になろうかな?)
最近そんなことを真剣に考え始めたのだが、久々に神様降臨
「やぁ、どうだい調子は?」
「どうだ?と言われましても…」
相手は神様だが、まるで鏡と話ているような感覚になってしって正直もうちょっと別の人物になれないかと思ってしまう
しかも完璧なコピーで前より多少体つきがよくなった自分の体まで忠実に再現しているのである
「まっ、少しは強くなっているようだね」
「それですけど、オレ強くは………というか一般市民として転生させてもらいたいんですけど」
「無理だね、正直調整とか物凄くめんどくさいからなんの目的もなく転生者を受け入れてくれるところはないよ。それこそ邪魔な魔王とか倒してもらいたいから受け入れるわけで、それ以外ならまず無理」
ため息をつき現実を知り落胆したのだったが
「いや、待てよ…ある条件をクリアすれば可能かも知れない。しかも100年とか待たず、それこそ5年、10年で転生出来るかもしれない」
神様のまさかの発言に希望をもち、慌てて訪ねてみると
「少し待ってくれ……%#※◎§&☆▽†〒※#」
なにやら解読不可能な言葉でどこかの誰かと話だす神様。しかし焦ったような慌てたような感じだった。どうやら相当もめているようだが一生懸命説得しているのが見てとれた
神様の頑張りに是非頑張ってもらわなくてはと心で応援していた
そして
「おまたせ。うん、なんとかなった」
「じゃ、オレ……」
「うん、それじゃあ魔王を倒しに行こうか♪」
なにやらとんでもない事を言われた
どうやらとある世界の魔王を倒せばその世界に転生させてくれるらしい
しかも一般市民として
正直、転生してから魔王を倒すはずだが、転生するためには魔王を倒すとか、それだと逆じゃないかとツッコミをいれたかったがこの際どうでもよかった
しかし悩む
今の自分の実力で魔王を倒せるのかと…
「それはたぶんギリ大丈夫だと思う。倒してもらう魔王は現在魔王としてきちんと覚醒してないからそれほど強くないから」
神様の有難い助言だが、それならさっさと別の人が倒せばいいじゃないか?と思ったがどうやらその世界では現在魔王が周知されてないから誰も倒しにいかないらしい
だから先に倒しちゃえと…
そんなノリで倒される魔王がちょっとだけかわいそうなってきたが今は他人より自分
(待てよ、魔王はそれほど強くなくて、しかもこちらは不死。時間はかかるが倒せないことはないか…)
現状をよくよく考えてわずかだが光明が見えてきた。そして
「わかりました。魔王。倒しましょう。そして転生させて下さい」
話がまとまり魔王討伐が決定した。実力的には不安しかない状況だが負ける事は決してないと半ば楽観視していた
オレの承諾に満足げな神様。それならば善は急げと言うことでそのままとある世界に仮転生する事になったが、送られる直前まさかの事実を知らされる
「あ、そうそう。ここでは不死だけど、仮転生の世界だときちんと死ぬから。それと死んだら輪廻の輪に入れないからそのまま魂ごと完全消滅するから気をつけてね♪」
「えっ!?ちょっ!?まっ………」
最後まで言葉か言えず強制的に仮転生させられたのだった