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きちんとオチはありました

 

 オレはかなり緊張してガチガチになりながら風呂場に向かっていた


 それはなぜか? 


 シュリがとにかく修業と言っていたのでそれこそ根気よく真剣に修業をしていたのだ


 魔法に関しては終始へっぽこ魔法のオンパレード。


 炎系は一瞬ポンっと出るだけで

 水系はチョロチョロ出るだけ

 雷系はパチッと火花が散るだけ

 土系は地面がムクッとなるだけ

 氷系はさわった瞬間砕けて

 風系は手で扇いだ方が強いくらいで

 光系は全く眩しくないフラッシュレベルで

 闇系は霧らしいものが出たがすぐに拡散した


 もう練習するのがアホらしいぐらいだったのである。しかも魔力とは精神力だったらしく、へっぽこ魔法のショックと、魔力消費による気落でダブルでダメージを受け倒れる寸前になってしまった


 なので途中からは武器の修業をすることとなった。たが武器の扱いは難しくて取り敢えずシュリに扱い方を習い稽古のような事をしていたが相変わらずの扱いしかできなかったのである


 それでも剣の扱いが一番マシになりバランスを崩して転びそうになることはなくなった。しかし端から見ればかなり危なっかしい事はマル分かりだったのだ


 そんな感じで真剣に修業をすればもう汗だくになってしまうのは当たり前で服など絞れば水が出てきそうにぐっちゃりになっていたのだった


 そんな姿を見ていたシュリが


「もう今日はこの辺にしてみない?ほら汗だくだし服だって汚れているし」


 シュリの心配そうな制止に従う事にしたオレ。服もそうだかどちらかと言うと体力的にも精神的にもすでに限界だったのだ。それならばと風呂にでも入ってサッパリして来ようと思っていたら


「あ、頑張ったご褒美に背中流してあげるよ」


 シュリの言葉に驚く。正直シュリは美人で大人の女性なのでオレは嬉しく思ったが、しかしなにかオチがあるのではと思ってしまった


(絶対なにかオチあるよな?)


「なになに?よくある実は水着とか着てました~的なオチがあるとか考えてるでしょ」


 考えを読まれてしまった。なんのことやらと、惚けてみるが


「うふふ、安心していいよ、ちゃんとした裸の付き合いしてあげるから」


 少しモジモジしながら顔を赤くするシュリ。そんな姿にかわいいと思った


「じゃ、先行って待ってて」


 シュリに促され足早に露天風呂に向かう事にした。急ぎ服を脱ぎ風呂場に入ると軽く体をお湯で洗い流すと湯船に浸かりシュリを待つことに。もう心臓なんかバクバクしてガチガチに緊張していた


 すると脱衣場に人の気配がして服を脱いでいるのがわかった


 そして


「タケルくん、じゃぁ今から入るね~」


「はひっ!!!!」


 シュリの言葉に完全に声が裏返って返事をするが気にしない。今はそれどころではなかったのである。脱衣場の扉がゆっくり開き入って来る人が。生唾を飲みその人物に注目した。もう目なんか血走ってしまった


 入ってきた人の胸はとてつもなくたくましい胸板だった


 そして腕とか足はガッシリしていて惚れ惚れする…………


「ん~~~???」


 入ってきた人に頭をかしげて


「誰っ!?!?!?」


 完全に男だった


 それも同性が見てもカッコいいと思うぐらいガッチリした体格で顔つきもイケメンでまさに兄貴って感じだった


「ひどくない?シュリだよ」


「えっ?は?んっ?シュリって?????」


 入ってきた男の言葉に訳がわからない。しかし入ってきた男性をよくよく見るとどことなくシュリに似ていて


「じゃ、じゃ~ん、私、男になれるんでした~、ね、ちゃんとした裸の付き合い出来るでしょ」


 見た目男だが、口調はシュリで正直気持ち悪かった。そしてこのオチに本気で怒りを覚えた。


 それからホントに背中を洗ってくれたがその際色々シュリが話してくれた。まずシュリだが…実は神様らしい。神様といっても色々分けられるようだ


 まず各世界に1人以上いるらしい。それらすべて下神に分けられる。シュリ自体はどこかの世界に属しているわけではないが下神なのだと。そして下神をまとめるのが中神、さらにまとめるのが上神、その上が特神、最後に1番偉い1人しかいない、神創造神、といるらしい


 そして神様なのでどちらの性別になれると。基本的に属した世界の信仰によって決まるようだが、どこにも属していないシュリは自由に選べるようだ。そしてシュリ自身自分は女性よりな気がするから普段は女性の姿をしていたのだった


 背中を洗ってもらって今は2人肩を並べて湯船に浸かる


「まっ、そんな訳だから」


 今はすっかりシュリの姿になれたがやはりまだ違和感がある。見た目もそうだが仕草も男なのに口調だけが女の時のままなのだから


「で、あの()達、正直どう思う?」


「どう?とは?」


「強すぎない?」


「確かにあり得ないほど強いですけど」


「実は彼女達、本来ならさっさと転生してさっさと世界を救ってもおかしくないんだけどね~」


「は?ならさっさと転生させて下さい。何でオレがあいつらの家事をしなくちゃいけないんですか?」


「そう!それ!つまり世界を救うヒロインが家事というか内面があれだと色々まずいでしょ。だから転生させないんだよ~」


「えっ?そんな理由あるんですか?」


「重要だよ~、なんせ神に対する信仰にも繋がるから。それに、はい、魔王倒しました~世界救いました~だけどヒロイン家事出来ません!それどころか次の魔王になっちゃいました~、なんてなったら洒落にならないでしょ~」


「確かに…」


「だから君に彼女達の教育をお願いしたいの。幸い君、それなりにそっちの才能はあるみたいだし~」


「そんな無茶ぶりを……というか家事だけならもういっそ男に転生させればいいじゃないですか…」


「男にか~それだと反転させないといけなくて、一部だけ反転させる事って出来なくて、すべて反転させないといけなくなっちゃうからな~」


「それだとまずいんですか」


「まずい…すべて反転……つまり激弱、家事性格完璧な男を転生させるって事になってそれって必要なの~?」


「魔王を倒してほしいのにそんな男いりませんよね…」


「でしょ~つまり今のまま内面を直すのが1番かな~」


「そうか………いや待て!!ならいっそオレがさっさと強くなっていち早く転生すればいいじゃん」


「あっ!ずるい!逃げないでよ!?」


「逃げたくもなりますよ!よし!明日からガシガシ修業するぞ!?」


 そのままお互いあれやこれや言い争いが始まった。とにかく彼女達の面倒をみてほしいシュリだが、オレとしてはとにかく早く強くなってさっさと転生すると、同じ事を繰り返し言い争っていた。


 しばらく言い争いをしていたが急に何かに気づくシュリ。そして次の瞬間姿が消え、湯船に1人残されてしまった


「あれ?シュリさんどうしたんだ?」


 シュリの行動に意味がわからず悩んでいるといきなり風呂場の扉が開き入ってくる3人、お互い見合わせる


「きゃっ!!」


 まずイリスがかわいい声と共にしゃがみこみ体をなんとか隠そうとしていて顔なんか真っ赤にして涙目だった。ユズキは腰に手を当てて一切隠そうとせず堂々としていたがひどいジト目、あきれきっていた様子でこちらを見てきた。ノアはボケッとしたまま隠そうともせずただ見つめてきていた


「あ、いや、これは、事故だよね?」


 なんとか取り繕うとしたのだか一切こちらの話を聞くそぶりを見せない3人、そしてユズキが不意にオレに近づいてきた。堂々とその御立派なお胸様を豪快に揺らしながら


 そして


「ジロジロみてんじゃねぇぇぇぇぇ!!!!!」


 渾身の力を込め思いっきり殴られた。殴られ吹き飛ばされ壁をぶち破り遥か遠くまで飛んで行ってしまって、キラーンと星になってしまった



「タケルさん、気を付けてくださいよね」

「全く、困ったものだ」

「覗き、よくない」


 取り敢えず生き返ったら土下座で謝罪をして許しを得たが納得できない。先に入っていたのはオレの方だしオレは悪くないと


 そして


(ぜってぇ、早く強くなって転生してこんなとこさっさとおさらばしてやる)


 土下座しながら高みを目指す事を決意したのだった。そしてそんな様子をシュリが笑いをこらえながら見てきて


「ちゃんと直しておいてね~」


 と、完全に他人事のように告げてきて殴りたくなった。そしてシュリは力を使ってくれなかったので自分で直すはめになってしまった


 頑張って直しては見たものの素人がやるのだろくなものなど出来ず、さらには


「タケルさん、わざと下手くそに直してそこから覗こうとしてませんか?」


 ユズキに疑いの言葉をかけられた。そんなことはしないと言ってみたもののちょっとだけ覗いてみてもいいかもと思っていたらユズキが耳打ちしてきて


「(仮に本当に覗きやがったらぶっ殺すぞ!)」


 ブラックユズキ降臨


 顔をはなすと満面の笑顔だったのが物凄く恐くて決して覗きはしないと誓ったのだった


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