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魔法スキル獲得?

 

 グランドにてシュリと向き合っていた


「さて、どんな修行をしようか」


 シュリの言葉にオレは悩んだ。いざ戦闘の修行をしようとするが果たして自分には何が向いているのかわからない。なので取り敢えず色々やってみることにした


 まずは剣。筋力が足りずうまく振るえなかった。バランスを崩し何度か倒れそうにもなったし、むしろこちらが振り回されているような感じだった

 格闘、体が固くしなやかに動けない。それどころか動き自体も遅くさらにはきちんと型とかも覚えなければならなかった

 弓、うまく飛ばない。と言うより弦が正しい位置まで引っ張れていなかった。また折角引けてもまっすぐには飛ばなかった

 槍、器用でないから自分の体に当たる。そして槍はとても扱いが難しくて何度か落とすこともしばしばあるといった感じだった

 斧、剣が無理なのだから当然無理。それ以前に持ち上がらなかった



 結果…武器は全滅



「君、戦闘に向かないね…」


 シュリはあきれをとうり越して哀れんでいた。たぶん今までに何人か指導をしてきて一番デキが悪かったのだろう。慰める言葉も見つからないようすだったのだ。しかしもうこの際だからといった感じで何か言ってきた


「ダメ元で魔法をやってみる?」


「ダメ元ってどういう意味ですか?」


「君、そもそも魔術回路を持ってないから使えないと思うよ」


 まさかの事実


 多少なり魔法とかそういった不思議な力に憧れ使ってみたかったオレは使えないと言われショックだった。しかも武器も魔法も使えないので、もう自分がどうすればいいかわからなくなっていた。こんなんで本当に強くなれるのか悩んでしまった


「オレ、どうすれば…」


「だからダメ元だって、魔術回路は魔法を使うなら必要で、1度でも使えれば定着するかも知れないの。そして定着すれば魔法が使えるようになるのよ」


 シュリの言葉にまだ微かだが希望が見えてその一縷(いちる)の望みにかけることにした


「私が君の体を使って魔法を使うから」


 シュリの言っている意味がよく分からない。なので取り敢えずは指示に従ってみることにした。まずは姿勢をただし胸の辺りで手を合わせる。神社とかで拝むような感じだった


「で、私が体を密着させて手のひらで魔法を使うから」


 そう言うとオレの背後に回り込むシュリ。そして後ろから抱き締めるように密着してきて、オレの重ねている手の上からさらに重ねる手をかねるような格好になった


「じゃ、手のひらに集中してね」


 そう言われ重ねている手のひらに集中する事にしたのだが集中出来なかった。それはシュリが密着すると言うことオレの背中にシュリは胸を押し付けると言うことでその感触が伝わるわけで、さらにはシュリからはなんだかいい香りがするわけで集中など出来るはずがなかった


 正直心臓なんかバクバクしていて合わせた手のひらに汗がびっちょり出ていたのだった。シュリは全く気にしていなくて目をつぶったままなにやら集中していてオレも集中しようと心がけるがやはり気になってしまう


 そんな状態をしばらく続けていたら唐突にシュリが


「あっ!?!?」


 突如声をあげると瞬時にオレから離れた。何が起きたんだと思う間もなく手のひらに違和感を覚え


 そして


 …………大爆発





「なにが…?」


 気がつく、と言うか生き返って訳もわからずつぶやいていた


「だから集中してって言ったじゃん。魔力暴発。うまく魔力を操作出来ないと暴発するんだよ」


 シュリは腰に手を当てて呆れ顔でため息をつきながら告げる。だがオレは集中出来なかった理由を言えるわけもなく言い訳も思いつかずただ苦笑いしか出来なかった


「だけど怪我の功名、どうやら魔法は使えるようになったみたい」


「マジで!!!!」


 シュリの発言に驚いた。転生?して初めてファンタジーっぽい事が出来るようになり喜そずにはいられなかった。シュリに詰め寄るような感じで使い方を教わろうとしてしまった。といっても先程と同じく拝むような姿勢をとり集中するだけらしい。慣れれば普通に使えるようになると


「とにかくイメージが大切だから」


 アドバイスをもらい手のひらに集中。すると体の奥底から沸き上がる物がわかる。そして腕を伝わり合わせた手のひらに集まる感覚がわかる。そしてそれは次第に大きくなっていき


(こ、これが魔力…今ならとんでもない魔法が使えるかも!?!?)


 とてつもなく大きくなったそれをイメージで形作り、そして一気にそれを解放するように、サッと構え


 そして


「フレェェイムゥゥ!!!!!」


 オレは大声と共に魔法を使った。すると手のひらから何かが放たれる感じがして





 そして




 ポンっとライターで火を着けたぐらいの火が一瞬出た



 あまりの事にむむ~と顔を膨らませ顔が真っ赤になった


「ひゃははは、ひ~!!あははは!!お、お腹いたい!!あははは、あ~ダメ!!もう無理!!あははは、フレイムでポンって、あははは」


 シュリ大爆笑


 地面を転がりながらお腹を抑え足をバタつかせて涙目で大爆笑。そんな状態がしばらく続いた


 体育座りで地面をいじり、どよ~としてしまった


「ゴメン、ホントゴメンて」


 シュリは謝ってきたがしかし顔がまだニヤけていた


「ほら、取り敢えず使えたからこれからだよ」


 なんとか励まそうとするシュリだか突如大爆発音と共に地面が揺れた。そして少し離れて場所で土煙が上がっていた。オレとシュリは顔を見合わせ急ぎその場所へと向かった


 向かった先。そこにはあり得ない光景が。なんと直径50メートルはあろう巨大なクレーターがあったのだ。まるで隕石でも落下したような感じだった


(いったい何が?)


 オレは現状把握で辺りを見渡す、するとクレーターの中心に人影があった


「ごめんなさい。抑えたつもりだったんですけど」


 ペコリと頭を下げて謝罪するユズキ。どうやら新技の試し打ちをしたようだった。しかし抑えてこの威力と知りさらに驚く。しかしそれだけではなかった


 クレーターから少し先にイリスがいて何かを叫ぶと剣を切りつけた。すると斬撃が放たれ地面に当たるとイリスのいた場所から100メートルぐらい先まで地面が割けたのである


 さらに別の場所にいたノアは巨大な竜巻を作っていてそのなかにはピカピカ雷が発生していて、氷の塊も一緒に飛んでいたのである


 そんな光景を目の当たりにして


「あの~あのレベルになるにはどうすれば?」


 シュリに尋ねてみたけれども、サッとそっぽを向き口を固く閉ざす。シュリが答えないので改めての3人をみたけれども、そのあともあり得ない技を連発。はっきり言って地獄絵図のようだった


「彼女達は才能があるから」


 せめての慰めだが納得出来なかった。取り敢えずは修業するしかないと、幸い時間はたっぷりあるし老化はしないのでいくらでも強くなれると。さらには魔法には属性があり相性もある。なのでタケルは火属性と相性が悪かっただけかも知れないと言ってくれた


 シュリの言葉に救われそれならばと相性がいい属性を探してみることにしたのだか……




 またしても残念な結果に…


 他の属性、と言うかすべてがダメだった。さらにはユズキやイリスがやっていたのは魔力を変化させて物理的な技にしていたのだが、そういったこともオレはろくに出来なかったのである


 とにかく戦闘に関わる事すべてがダメだったのだ。あまりのダメさかげんにもう笑うしかなといった感じになってしまった


「さっきも言ったけど、とにかく練習、というか使えば使うほど威力とか操作技術が上がるから」


「ちなみにどれ程やればユズキ達と同じレベルになります?」


 純粋な質問


 しかし答えないシュリ。その態度にそれこそが答えのような気がしたオレはもう泣くしかなかった


 だがいつまでも泣いているわけにもいかないので仕方がなく修業する事にした。と言っても修業したところでそんなに早く上達するわけでもなく終始へっぽこな魔法が出ていた


 練習している合間にシュリが


「詠唱とかしてみたら?詠唱すればイメージとかしやすいしさ」


 シュリによると詠唱することによってイメージしやすくなり魔法がうまく扱えるようになるらしい。もちろんきちんと出来るなら無詠唱でも構わないと


 要は自己暗示である。なので一応基本的な詠唱はあるがそれよりも自分で考えた方がより正確に、より強力な魔法が使えるらしかったが(まこと)に残念ながらオレには文才がなかった


 なので終始無詠唱で魔法を発動させていた。それでも発動させる際には魔法の名称を叫んでは見たもののあまり効果は得られなかった


 それと武器も修業した。


 こちらも魔法と一緒でとにかく扱いになれるしかないと。そしてこれからは体力づくりもしなければならないとシュリに言われた


(地道なレベル上げかよ…)


 確かにシュリの言うとうり時間はたくさんある。いくらでも強くはなれる。しかし無双レベルになるには果たしてどれ程時間がかかるのかわからず半分なげやり気味に修業していたのだった



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