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それでも構いません

間に合ったのでもう5話。連日アップします

 

 オレたちが村に帰ると村全体で大騒ぎだった。そりゃもう大変な騒ぎだったのである


 しかし宴会は翌日にやることとなった


 ドラゴンを討伐して皆ボロボロでケガがひどい上に疲れていたのでそのまま一夜を過ごし改めて翌日村に向かって出発。村ついたのは夕方で皆疲れきっていたためである


 そこからオレは楽しくてしょうがなかったのである


 宴会が楽しかったのではなく、宴会料理を作るのがだ…


 村長を筆頭にそういった事は自分達がやるべきだと主張したのだがオレが是非やらしてくれと懇願してやった訳だが、それにはきちんと訳があった


 ドラゴンを討伐してそのまま一夜を過ごしたのだが、キョウが教えてくれた語りを思い出して、ドラゴンってホントにうまいのか?と思い取り敢えず食べてみようと考えて、そのままドラゴンを適当に料理した食べたのだが、それにも関わらずうまかったのである


 それも物凄くだ


 ならば果たしてきちんと料理したらどれ程うまくなるのか思うのは当然で実際あらゆる品を作ってみたがどれも絶品だった。正直かなり驚いたし不本意にも自分の料理の腕が上がったとさえ勘違いしてしまうほどだ


 それこそどこかの王族が食べる宮廷料理にもひけをとならい、もしかしたらはるかにうまい料理となったのだった


 村人はオレが作った料理をそれはもううまそうに食べ、終始笑顔だった。なかには涙ながらにうまいと言って食べている者もいたぐらいだった


 宴会は昼近くから行われたがすでに今は暗く一向に終わる気配がなかった


「タケルどの、少しよいか?」


 長であるゴドゥに呼ばれ長の家へと向かった


「タケルどのには感謝してもしきれぬ。ドラゴンを討伐してもらっただけでなく食事を、皆を笑顔にしてもらったのだからな」


 そこからゴドゥは色々話してくれた


 ゴドゥ達は珍しい魔力の持ち主で今回のように狙われる事を恐れ身を隠していたのだが、いざ狙われたとなると対抗処置がなくどうしようもない事が分かったと


 それならば多少危険かもしれないが他の人々と交流するべきではないかと考え始めていると。そしてそうすればオレのように協力してくれる者もいるかも知れないと。そして


「是非タケルどのにはキョウと夫婦になってもらって長をやっていただきたいのだが」


「すまないがそれは出来ないんだ、オレには帰らないといけない所があるんですよ」


「そう…ですか。ならせめてキョウと夫婦になってやってくれないか」


「すまないがそれも出来ないんだ」


 ゴドゥは残念そうな顔をしてもう何も言わなくなりオレも申し訳ない気持ちでいっぱいになった。しかしこればっかりはどうしようもない。オレは仮転生なのでいつまでもいられない。それにオレにはすでにリリィがいるのだから


 その後宴会にもどり少ししたら部屋に戻った


「やぁ、タケルくん。お疲れ様」


 部屋にもどると自分が…いや神様がいた


 なのでドラゴン討伐は大変だったと愚痴を言ってみるとあのドラゴンはまだまだ弱いのだと言われた。どうやら本来ならキョウ達、鬼人達を全員喰らい凄まじい力を得て取り返しがつかなくなっていたらしいのだ


 そしてもう用事が済んだのでこれから帰ろうと慌てた様子で言ってきたが、急にいなくなるのはおかしくないかと言うと渋々ながらも明日改めて村の外で会って帰ることになった


 ただ去り際に


「どうしても今から帰れない?」


 そんな事を言ってきて、それがすごく引っ掛かったがとにかく明日だと言うと落胆して神様は消えた


 神様の態度に疑問を持っていたが扉をたたく音がしたので考えるのをやめて訪れた人に対応したのだった


「夜分にすみません」


 訪れたのはキョウだった


 そして取り敢えず部屋の中で話がしたいと言ってきたので部屋の中にいれたのだが椅子に座るとうつむいたまま何もしゃべらなくなってしまった。なにやら思い詰めているような感じだった


 そしてしばらくしたらその重い口をあけてしゃべり出してきた


「父から話を聞いてきたのですが…その…私との事を断ったらしいのですが…その……理由を教えてほしいのですけど」


 キョウの真剣な表情に理由を、オレは帰らないといけない場所があることと、オレには嫁がいてキョウとは夫婦になれないと


 しかし


「帰らないといけない事はわかりましたけど、なぜ他に妻がいて私と夫婦になれないんですか?」


「いや、だって妻って1人でしょ?」


「はい?妻が複数人いてもおかしくないですよね?」


 キョウの発言に驚いてそして気づいた。そして確認してみたらやっぱりそうだったがキョウ達にとって一夫多妻制が当たり前だと。そしてゴドゥがあんなに落ち込んだのはつまりオレが断った理由はキョウを気に入らなかったと思ったからだと気づいた


 なのでオレの故郷では一夫一妻制だと話したら


「できたら一緒に連れてっていただけませんか?そして奥様とお話したいのですが…」


 キョウの相変わらずの真剣な表情で言ってきた申し出にオレはとうとうなんといっていいかわらなくなってしまった


彼女(リリィ)はきっと受け入れるよ、だって彼女(リリィ)のところも一夫多妻制だからね」


 突如神様が再登場してキョウが軽くパニックになっていた。なんせ姿がオレなのだから急にもう1人オレが現れればそりゃ驚くよなと思った


 驚いているキョウに神様は自分が神だとキョウにはなし、さらにはオレが異世界人だと説明してくれた


「それで私はついて行けるのですか?」


「それなんだけど、君、永遠に彼の事を愛し続けれる?」


「あ、あの…それってどういう事ですか?」


「神様、それって…」


 オレの問いかけに神様はうなずくとキョウに説明した


 今のままでは取得世界に行けなく、行くためには魂の契りを交わして1度死ななければならないと、さらには魂の契りを交わすと言うことは未来永劫一緒になると言うことも説明していた


 そしてすでにオレはリリィとは魂の契りを交わしているのだとはなした


「そうですか…それならタケル様。私とその魂の契りを交わしてくれませんか?」


「いいのか?」


「構いません。たとえそのリリィさんに反対されて側にいるだけになっても、それでも構いませんから…」


 キョウの思いを知りいよいよ困り果てたオレに対して神様は追い討ちをしてきた


「タケルくん、さっきも言ったが彼女(リリィ)はこの()をきっと受け入れる。あとは君の気持ち次第だよ」


 神様を見てキョウを見たオレは覚悟を決めて決断した


 キョウも連れていくと


 そして神様に頼んでキョウと魂の契りを交わしてもらった。その後無事儀式を終えると明日には出発する事を伝えるとそれならきちんと父と挨拶を済ませておきますと部屋をあとにしたキョウ


 しかし神様……ホントに大丈夫なの?


 すでにキョウと魂の契りを交わしたけれどもやはりリリィに何て言われるか心配になってしまった






 翌日村の入り口ではオレ達を見送る人で溢れていた


「タケルどの、キョウを、娘を幸せにしてやってくれ」


「それはもちろん、わかってますよ」


 ゴドゥと握手を交わしそのあとは他の村人とも挨拶を交わしそれぞれに感謝の言葉をかけられた。そしてお礼だと色々持たしてくれてた


 挨拶を済ませると名残惜しい感じのなかオレ達は旅立った


 といっても村から少し離れたところから帰るのだが…


 神様によってキョウはリリィの時みたくゆっくり姿が消えて最後には光になって消滅した


 そしてその後オレも取得空間へと帰っていったのである





 取得空間に着くと目の前にはキョウがすでにた、そしてお辞儀をしながら


「タケル様、改めてふつつか者ですがこれからよろしくお願いします」


「あぁ、こちらこそよろしく」


 キョウはどうやら無事こちらにこれたことを確認していると


「旦那様、帰ったようじゃな」


 聞き間違えることなどない声がして振り向き確認すると即座にかけより抱き締めた


「ただいま、リリィ」


「だ、旦那様、じゃからいきなりはよせと…」


 顔を赤くして照れているリリィ


 恥ずかしいのか少し体を動かして身動ぎしているがそんなこと構わずさらには強く抱き締めたらもう抵抗しなくなりさらるがままになるリリィ


 そんなオレ達を少し寂しそうに見つめるキョウの姿があった


 リリィを抱き締めるのをやめると、あれは誰だと言ってきたので、恐る恐る新しい妻ですと言ったら激怒した


(神様…リリィは怒らないんじゃないんですか?)


 もうあり得ないほど怖い顔をして飛んでくる罵声。土下座するしかないオレ。キョウなんか半泣きになっていた


 そしてオレへの文句を言い終えるとスタスタとキョウの方へ歩いていってしまった


 もうドキドキものだ。リリィは一体キョウに対して何を言うのか心配になってしまった。まさかの掴み合いの殴りあいになるんじゃないかと思った




 そして



「リリィシェル=ムーゲント=バルズ=ウィルスパじゃ、リリィと呼んでくれてかまわないぞ」


 笑顔で握手を求めていたリリィ、キョウはキョトンとしたあと恐る恐る手を差し出し握手しながら


「キョウと言います、これからよろしくお願いします」


 握手を交わすとなにやらはなし出したリリィ。そして次第にキョウも緊張がとれ笑顔ではなし始めた2人。端から見ればそれは仲が良さげに見えた


 全くもって訳がわからないどうやらリリィはオレだけに怒りを覚えていたようでますます訳がわからなくなった


 なのでつい訪ねてみると


「旦那様、我が怒っていた理由を尋ねるのか?」


 再び怖い顔になるリリィ。オレはリリィが怒っている理由が分からずじまいで混乱した


 ちなみにリリィが怒っていた理由は単純


 嫉妬である


 何にか?それはあえて今まで触れてこなかったはなし


 キョウ、実に素晴らしいプロポーションの持ち主であった


 以上!?追及はしないでくれ…



 リリィとキョウの対面が終わり、そのままみんなにキョウを紹介したのだがオレはうっかりしていた


 皆を集めこれから一緒に生活するからといって、キョウが挨拶したのだが


()()()、新しく妻となりましたキョウと言います。どうかよろしくお願いします」


 キョウのいた世界では一夫多妻制が普通。そしてここにいる全員がオレの妻だと思ってしまったようだ


(キョウに口止めするの忘れてた…)


 全員さすがに驚いたようすだったがすぐに始まる質問攻め。あまりの追及と迫力に負けてオレはリリィとキョウは妻になったと言ってしまった。するとさらに言及を求めてきた大変だった。


 やっとの思いで解放されるとすでに疲れきってしまってさっさと屋敷に入って休もうと思い足早に向かい


 そして


 扉を開けた



 そして




 絶望した………





 扉を開けたそこはゴミ屋敷でした♪




「なんだこれはぁぁぁぁぁ!!!!!」


 オレは約一週間ちょい留守にしたわけだがありえないぐらい屋敷が散らかっていた。もうひどいとか簡単にすませるレベルをはるかに越えたレベルでゴミやらなんやらで汚れていた


 そして神様がなぜあんなに急かして帰らせようとしたか、それは掃除はしなかったがそれでもと、シュリが食事の仕度はしてくれていたのだったが、とうとうめんどくさくなり神様にさっさとオレを連れ戻してこい、と言われたようなのだ


 あまりの惨劇に膝をついて泣き出してしまった


 なぜこれほどまでになるのかわからなかった


 しかし考えてみれば家事一切はオレがずっとやっていたわけで、さらには散らかしてもオレがきちんと片付けてしまうので、片付けない癖がついてしまったようだ


 そのあとはやけくそ気味に片付けをしたのだったがせめての救いでキョウが手伝ってくれたのだが終わるはずもなく心が折れそうになってしまった。ちなみに他のメンバーはやるはずもなく何を言っても無駄だった


 夕食の用意があったので取り敢えずは今日のところは一旦やめて明日から再開することにした


 夕食後、食器を片付けたら自分の部屋に行きベットに崩れるように倒れこみもう疲れきってしまった


 しばらく間、明日も片付けか、と頭を抱えていると扉をたたく音がして、リリィかと思ったら違った


「あ、あの…よろしいですか?」


 ひどく緊張したキョウがいた


 取り敢えず部屋にいれたのだがどうも様子がおかしいと思っていたら


「リリィさんが今日はゆずってあげると…」


 オレはひどく疲れていたはずだ


 しかしなぜかキョウと朝を向かえてしまった





 数日後、オレはついにやりとげた


 屋敷は完全に元どうりのきれいな屋敷になった、それもこれもリリィとキョウが毎晩励ましてくれたおかげだろう。二人には色々と感謝をしなけば




 そんなリリィとキョウが内緒話していた


「あの…タケルさんってすごいですね…」


「そうじゃろ。しかしあれではこちらの身がもたん」


「ですよね…」


「そうじゃな、あやつらを巻き込むかのう」


 2人がなにやら話し合ってそしてウラで動いていたようで、いきなり夜押し掛けてくる人が増えた


 1人には胸ぐらを捕まれ脅され


 1人には泣きながら懇願されて


 1人にはいきなり服を脱ぎ出された


 結局オレは全員と色んな意味で仲良くなった



 それとリリィだが今までは夜は大人の姿だったがキョウが来てからやめてしまった


「偽りの姿で愛されるのはやはりな…それとも旦那様は我の今の姿はやはり好みではないのか?」


 そんな事を言われてしまったのだ



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