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脅迫だよね?

 

「実は頼み事があるんだが」


 今や普通にここにくるオレの世界の神様


 いやいや、あんたこんなちょくちょく来ていいのか?元の世界の管理は?と、ついついツッコミをいれたくなってしまった


「それでなんのようですか?」


「うん、ドラゴンを1匹討伐してきて」


 笑顔のまままたサクッととんでもない事を言ってきた、あたかも何かをしようとしそれならついでにやってきて的な感じで言ってきた。さすがにオレもあきれたような感じになってしまった


「それってオレじゃないとダメなんですか?」


「君が適任なんだよ」


 神様の話によると討伐して欲しいドラゴンはリリィの時みたく今はまだそれほど強くはなく、それならば先に討伐しちまえと…


 そんなの倒せるやつ転生させてそいつにやらせろよと思ったがどうやらそんな簡単な話ではなかったようだ


 まずオレが思っている以上に世界は存在していて、そしてどこもそういった感じで倒せる人材を探していておたがい取り合うような状態らしいのだ


 そして悪は神様が意図的に作っているらしい


 善と悪、両方を作らなければ世界がうまく機能しないので仕方がないのだが、悪の操作は極めて難しく、ふとした瞬間にもう取り返しがつかなくなってしまい、よそから救える人物を転生させると


 なのでどこも人材不足らしい


 勇者バカ売れ……品切れ状態……


 そして倒せるやつは生きているので死ぬまで待たないといけなく、待っていて、いざ死んだ時にはすでに倒せないほど強くなってしまったとかはよくあるみたいだ


 放置厳禁ってやつだな……


 またそういった人材は何度生まれ変わってもそういった運命になるので、そんな人物をよその世界にホイホイ渡す神様はいないと、みな自分のところで手一杯


 それとそういった人物は存在力が強いので因果率とか運命力に影響を与えてしまうからそもそも転生に適さない。もとの世界と行った世界と両方調整しなければならないからだ


 なので小説とかみたく一般市民のような人が転生の対象になるらしい。さらにはその一般市民が世界を救えるか事前に可能性を調べなければならないと。これは最小限の干渉で最大限の影響をあたえたいからである


 確かに世界を救える可能性がないのに転生させても意味がないのだ


 そういった理由があるからユズキ達には頼めずオレならそこまで世界に影響を与えないから丁度いいと


 何気なくオレが弱いとバカにされたようだか実際弱いので言い返せない。悔しかったら強くなってみろと言われているようだった


「それに君のためにもなるからさ」


「オレのため?それってつまりその世界を救えばそこに転生させてくれるんですね?!」


「違うよ♪」


 オレの期待を笑顔で否定してくる神様


(くそ、ぬか喜びさせやがって)


 なんでも適度に悪を調整させれば転生の調整が楽になりべつに世界を救わなくていいなんの意味もない転生を受け入れてくれる世界が見つかるかもしれないと


 そしてあらたに発覚した驚くべき事実


 それはオレの転生が難しくなってしまったらしいのだ。正直聞きたくなかった。ウソだと言ってほしかったが理由を聞かされて納得した


 それはリリィの存在だ


 オレが転生すれば当然その世界にリリィが転生する。するとリリィはその世界に影響を与える可能性があるのだ。そのためリリィが影響を与えるか調べなければいけなくて探すだけでも時間がかかってしまうようなのだ


 いくら別の世界に転生すればただの女の子になると言っても、仮にも魔王、決して無関係なわけではないと


「ちなみにどれくらいかかりますか?」


「さー?はっきりとは言えないけど最悪30000年ぐらいかかるんじゃないかな?」


(これはあれか?遠回しにドラゴンを討伐しろと)


 仕方がないとは言え半ば脅迫じみた事実を知らされもう引き受けるしかなくなってしまった


 リリィの時はなんとかなったが今回は明らかに戦闘をする可能背が高いのでかなり乗り気になれない


 そんな風に落ち込んでいたがある事に気がつく


 それは今回はオレ1人じゃないかもしれないと言うこと


 どう言うことかと言うとオレがドラゴン討伐するため仮転生するなら当然リリィも仮転生するのではないだろうかと言うこと


 オレとリリィは魂の契りでお互い引き合う


 ならばリリィも勝手についてくるし、仮にも魔王。戦力にならない訳がないのだ


 しかし


「あぁ、彼女は来ないよ」


 唯一の救いをあっさり否定された


(いやいや、お互い引き合うのでは?)


 確かに引き合うらしいのだがそれは魂だけの状態だったららしいのだ


 現在リリィは取得空間にいるので仮の体に魂が定着していると、なので来ないのだと


 ならばと、オレが向こうに仮転生している時に、申し訳ないが1度死んでもらって転生すればいいのでは?と思ったが


「あぁ、それだけはやめてくれないか」


 神様が本当にいやそうな顔で説明してくれた。なんでも確かにその方法でリリィは来れるがそれをやると行った世界の輪廻の輪に1度入る事になるので一体どれだけの影響を与えるかわからない


 それこそ事前に調べて調整しなくてはならないと。そしてそのあと珍しく真面目な顔になった神様


「それと、もし彼女(リリィ)の事を大切に思っているなら決して死なないことだね」


 リリィを1人残して死ぬつもりはないがどうやらそう言った事ではないらしかった。なんでも仮転生中にオレが死ぬとオレの魂は完全消滅するわけで、そうするとリリィも即座に消滅すると


 まさに一心同体


 さすがにその事実には驚いた。そしてそのあとも色々あれやこれや抵抗してみたが結局オレ1人でドラゴンを討伐することが決定した


 しかし最後に神様が救いをくれた


「今回は向こうの世界に協力者がいるから」


「そうなんですか!?」


「と言うか彼らからの要請に近いかな?ほら、神頼みとかあるじゃん」


 補足で説明してきたが、どうやら人々の強い思いは世界に影響を与えてそのように働く。つまり転生者を受け入れてもそれほど影響しないように勝手に調整されると


 なので比較的楽な調整ですむので、それならばとその世界の神様はよそからポンっと転生させるのだと


(結局神様が楽したいだけじゃん)


 神様事情を知りガッカリしてしまった


 結局あまり乗り気になれなかったが引き受ける事にしたのだが、実は早くオレ自身転生したい理由が出来たことも後押ししての事だった


 早く転生したい理由


 実に分かりやすい


 リリィが子供を欲しがっていたのだった


 という事で嫁のため、未来のため



 パパは頑張ることにしたのだった



 しかし非常にイヤな予感しかしなかった。討伐もそうだが果たして今回無事に終えてもまた頼まれたりしないのか不安になってしまった


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