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お地蔵さん

秋田で雪が降り始める季節のお話です。


その日は、その年初の雪が降り続いていました。


みぞれまじりの冷たい雪。


魔王「もう、雪の季節か……」


じい「まあ、しょうがないな」


東北の長い冬の始まりです。部屋の窓から外を見ると、灰色の空から音も無く雪は降ってきてます。


「どれ、雪が積もる前に買い物でも行くか!」


じいが言いました。


魔王とじいと二人で、車に乗るために駐車場に向かって歩きます。


「うん?」


魔王がなにかに気づいたようです。


「どうしたんだ?」


じいの言葉に魔王が答えました。


「あれ見ろ!」


魔王が指す先には、お地蔵さんがいました。


子供の姿の小さなお地蔵さんが、並んでいます。


魔王が言いました。


「雪が積もって寒そうだな」


車でスーパーに買い物に行きました。


そこで魔王が何か買ってます。


家に戻ってきました。駐車場に車を入れると、魔王がさっき買った物を出しました。それは子供用の小さなレインコート。




「こんな雪の日に裸はかわいそうだ」


お地蔵さんに、着せてあげています。


家に歩きながら魔王が言いました。


「色、あれでよかったかな」


じいは答えます。


「気持ちがあれば何でも喜ぶ」


「そうだな」


ニコリと笑った魔王は家に帰りました。




魔王は全ての物には心があると思っています。

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