現実少女はこうしてネトゲに堕とされました。
私がいつもの様に帰り支度をしていると友人の乃々果が声をかけてきた。
「みさきー、うちがこの前言ったゲームした?」
乃々果とは中学からの友達で高校に入った今も仲良くしている。私と違い部活をしているため一緒に帰ることは滅多にないが休日はよく遊んでいる。でも最近はゲームにハマっている様で月1くらいでしか遊びに行くことはなかった。
「まだだけど、しないとダメ?」
「お願い!今友達登録キャンペーンしてて招待したらいいアイテムが貰えるの。」
正直言ってゲームにあまり興味がない、だけど友人の頼みだし時間もあるから登録くらいしてもいいかな。
「分かった。帰ってからするよ。」
乃々果は笑顔で頷いた。
「ありがとう!招待コードはこの前教えた奴だから登録してから24時間以内に入れてね。」
「はいはい。」
「1ヶ月以内にレベル100まで上げてくれればうちがアイテム貰えるからよろしくね!」
「はいはい、って、え⁉︎聞いてないよ‼︎登録だけじゃないの?」
「この前言ったじゃんかー、まあうちが支援するれば100レベなんて直ぐだよ。」
レベル100が直ぐとは思えない……。どこかのモンスターゲームはレベル100が最高だし。
「因みに今の最高レベルはいくつなの?」
「昨日のアプデで上限が上がったから825かな?」
825……、何そのゲーム。
「でもその分レベルは上がりやすいんだよね?」
「うん、うちは半年くらい前に初めて今は250ちょっとかな?」
「つまり100までレベルを上げるのに1ヶ月くらいかかるってことじゃん。」
「違うよー、レベルは高く成る程上がりにくくなるから100レベまではさっき言った様に直ぐだから。」
「分かったよ。帰ったら早速入れてみる。」
「約束だからね、うちは今から部活だから手伝えるのは21時半くらいになりそう。」
「それまでに操作くらいは覚えておくよ。」
私は家に帰ると早速パソコンを立ち上げてネットでゲームを探す。MMORPGと言う種類のゲームでゲーム名はデストロイだったはず。でもデストロイって破壊って意味でしょ?怖いゲームだったらどうしよう。
ネット検索でデストロイと調べると意味より上にゲームの公式サイトがあった。そんなに有名なゲームなのか。
私は早速ゲームをインストールした。
「新規作成っと。」
キャラクターの新規作成を選ぶとキャラクター作成画面に移動した。
んー、パーツが多いなー。まあやるのはレベル100までだから適当に可愛い感じで作ろう。
「プレイヤー名は”みさき”で、作成。」
キャラクターを作成すると何やらストーリーが始まった様だ。これってどんなゲームなんだろう。
私は適当にキーボードを押してみる。成る程これを押せば攻撃出来るのか、この地図の光っているところに行けばいいのね。
【シナリオクエスト:レッドマウス10体討伐】
エリアを移動すると赤いモンスターがエリア中にいた。これがレッドマウスか。
私は早速レッドマウスに近づいて攻撃をする。
【みさきの攻撃 レッドマウスに9のダメージ】
【レッドマウスの攻撃 みさきに12のダメージ】
【レッドマウスの攻撃 みさきに10のダメージ】
【みさきの攻撃 レッドマウスに10のダメージ】
【レッドマウスの攻撃 みさきに11のダメージ】
【レッドマウスの攻撃 みさきに12のダメージ】
【みさきの攻撃 レッドマウスに10のダメージ】
【レッドマウスを倒した 経験値4獲得〈赤い皮〉を獲得】
【レベルが2になった HPとMPを全回復】
レッドマウス強い……、1体倒すので体力ギリギリだったよ。でも全回復したから続けて戦えるね。
私は次のレッドマウスに攻撃をした。
【レッドマウスを倒した 経験値4獲得〈赤い皮〉を獲得】
レベルが上がらない……、流石に直ぐには上がらないか。そして次のレッドマウスに攻撃するととうとうHPが0になった。
【最後に来た街に戻りますか?〈回復を待つ〉 〈戻る〉】
んー、これの繰り返しか……。
街に一旦戻ってから再びレッドマウスが出るエリアに移動してレッドマウスに攻撃する。
【最後に来た街に戻りますか?〈回復を待つ〉 〈戻る〉】
体力満タンなら一体はギリギリ倒せるんだけどレベルが上がって全回復しないと次のマウスに殺られるね。
私が街に戻ろうとした時、〈回復を待つ〉 〈戻る〉の文字が消えた。
【茹で人参の〈弱蘇生〉みさきは1回復した】
体力が回復してる……。
【〈茹で人参〉からパーティ申請されました〈入る〉〈断る〉】
何だろうこの人、生き返らせてくれたから悪い人ではなさそうだし入ってみようかな。
私は〈入る〉を選んだ。
【パーティに加入しました】
【茹で人参:よろしくですー!】
【みさき:よろしくお願いします】
【茹で人参:それオプチャですよ、パテチャの仕方分かりますか?】
【茹で人参:チャットボタンクリックです】
そもそもオプチャやパテチャが何かが分からないが言う通りにチャットボタンをクリックすると、〜チャットと言うものがいくつか出た。パテチャってパーティチャットのことか。
【みさき:分かりました。ありがとうございます】
【茹で人参:はーい!本題ですが新人さんですか?】
【みさき:はい】
【茹で人参:やり方分かります?】
【みさき:何となくは分かるんですけど、ちょっと敵が強くて】
【茹で人参:ステ振ってます?】
【みさき:ステって何ですか?】
【茹で人参:ステータスですよ、このゲームはステ振らないと強くならないですよ】
【みさき:どうすればいいですか?】
【茹で人参:キーボードのXを押すとメニュー出るからその1番上でステータス確認出来ます】
【みさき:分かりました。どれに振ったらいいですか?】
【茹で人参:職業の希望はあります?】
職業の希望と聞かれても私は何も調べていないから何のことか分からない。
【みさき:どんな職業がありますか?】
【茹で人参:このゲーム職業は100種類以上あるから一様には言えないけど、とりあえず敵の近くで物理攻撃したいか、遠くから魔法攻撃したいか、敵の攻撃を受けて壁になりたいか、仲間を回復したいか、仲間のステータスを一時的に上げて支援したいか選んで下さい】
そんなこと言われてもよく分からないよ……。
【みさき:茹で人参さんはどれなんですか?】
【茹で人参:僕は物理攻撃の職業です】
【みさき:なら私もそうします】
【茹で人参:いいんです?みさきが選んでいいんですよ?】
【みさき:よく分からなくて……】
【茹で人参:初めてならそれでいいと思いますよ、魔職やバッファーは難しいからね】
【みさき:はい、それでどれにステータスを振ればいいんですか?】
【茹で人参:攻撃力に振っておけば間違いないよ、このゲームはステータスも多いけど攻撃力は必須だからね】
【みさき:色々とありがとうございます】
【茹で人参:いえいえ、これからどうするの?クエスト続ける?】
【みさき:はい、そうしようと思っています】
【茹で人参:まあ何かの縁だから手伝うよ、レベル上げに協力してもいいけど】
会話中だけど戦いながら話をするか。
【みさきの攻撃 レッドマウスに19のダメージ】
【レッドマウスの攻撃 みさきに12のダメージ】
【レッドマウスの攻撃 みさきに10のダメージ】
【みさきの攻撃 レッドマウスに19のダメージ】
おお、攻撃力が上がってる。
【レッドマウスを倒した 経験値1獲得〈赤い皮〉を獲得】
【みさき:獲得経験値が少なくなってる……】
【茹で人参:あ、僕とパーティ組んでるから獲得経験値が配分されるんだよ、だからみさきには1しか経験値がいかないの】
【みさき:なら2ずついくんじゃないんですか?】
【茹で人参:レベルの割合による配分だからね】
【みさき:なら一緒にするより1人でした方がレベル上げがはかどるような】
【茹で人参:いやいや、僕戦えばみさきはゆっくりしてていいわけだから効率的にも】
【みさき:そうですか?】
【茹で人参:どうする?クエストかレベル上げを手伝いますが】
乃々果花にはレベルを100まで上げてと頼まれたので、ここは茹で人参さんにレベル上げの手伝いをお願いしよう。
【みさき:ならレベル上げの手伝いをお願いしてもいいですか?】
【茹で人参:了解でーす。ワプ贈りますね】
【メッセージが届きました】
【みさき:どうすればいいですか?】
【茹で人参:メニュー→ポスト→アイテムを受けるで受け取って下さい】
私は早速ポストを開いてアイテムを受け取った。
【〈○ネルガン〉を獲得しました】
【茹で人参:受け取ったらメニュー→アイテムでさっきの選んで使って下さい】
【みさき:はい】
【〈○ネルガン〉を使用しました】
アイテムを使うとエリアが変わった。先程のエリアとは違い強そうな装備をしているキャラが多くいた。
【茹で人参:こっちに来て下さい】
【みさき:はい】
パーティを組んでいたためか直ぐに茹で人参さんを見つけることが出来た。そしてエリアを移動する茹で人参さんについて行く。
【茹で人参:それじゃあレベル上げ始めますねー】
【みさき:よろしくお願いします】
【茹で人参:あ、その前にアイテム購入画面で経験値アップアイテムを手に入れて来て下さい、メンテの延長のお詫びで無料で買えるはずですから】
と言われても行き方が分からない……。
【茹で人参:メニュー→アイテム購入です。下の方に行くとお詫びアイテムあるはずだから】
【みさき:はい】
成る程、ここでガチャをしたりアイテムを買ったり出来るのか。えっとお詫びアイテム……、これかな?結構あるみたい。
【茹で人参:おかえりー】
【みさき:ただいま戻りました】
【茹で人参:それじゃあここに居てね、敵に近づいたら殺されるから気を付けて。】
【みさき:はい、アイテムは使っていいですか?】
【茹で人参:うん、使えるだけ使って下さい、同名のアイテムは重ねがけ出来ないから気を付けて】
【みさき:分かりました】
【〈祝福の目〉を使用しました】
【〈女神の御心〉を使用しました】
【〈英雄の証〉を使用しました】
【茹で人参:始めるね】
茹で人参さんは私から離れてモンスターに近づいた。
【茹で人参の〈体罰〉ネクロライダーに216577のダメージ】
【茹で人参の攻撃 ネクロライダーに31246のダメージ】
【ネクロライダーの攻撃 茹で人参に4922のダメージ】
【茹で人参の攻撃 ネクロライダーに45912のクリティカルダメージ】
【茹で人参の〈体罰〉ネクロライダーに223791のダメージ】
【茹で人参の攻撃 ネクロライダーに43941のクリティカルダメージ】
【茹で人参の攻撃 ネクロライダーに31333のダメージ】
【茹で人参の攻撃 ネクロライダーに44617のクリティカルダメージ】
【茹で人参の〈体罰〉ネクロライダーに231649のダメージ】
【茹で人参の攻撃 ネクロライダーに30157のダメージ】
【ネクロライダーの攻撃 茹で人参に5122のダメージ】
【茹で人参の攻撃 ネクロライダーに49123のクリティカルダメージ】
【茹で人参の〈体罰〉ネクロライダーに313779のクリティカルダメージ】
【ネクロライダーを倒した 経験値321466獲得 〈ネクロボーン〉を獲得】
【レベルが57になった HPとMPを全回復】
す、凄い……。私なんかと比べものにならない強さだ。
【みさき:凄くレベルが上がりました】
【茹で人参:ゆっくりしてていいよー、なんなら放置しててもいいからね】
【みさき:流石にそれは悪いです】
【茹で人参:とりあえず1時間くらいするつもりだから】
【みさき:茹で人参さんの技面白いですね】
【茹で人参:職業が職業だからね、メニュー→パーティで仲間の情報が見れるよ】
えっと、メニューで、パーティ……。
みさき:駆け出し冒険者 Lv71
茹で人参:高校教師 Lv825
高校教師って……、いや、それよりもレベルだよ!確か乃々果花によるとこのゲームのレベルの最大って825だったよね⁉︎それもレベルの上限が上がったのが昨日だって言ってたし。
【みさき:凄いですね……】
【茹で人参:レベルくらい直ぐに上がるよ、ログが邪魔だろうから少し離れて戦うね】
茹で人参さんが離れたためかダメージは表示されなくなり、モンスターを倒したことと獲得経験値、アイテムだけが表示されるようになった。
【みさき:初心者の支援ってよくしているんですか?】
【茹で人参:偶にね、でもみんな直ぐにインしなくなっちゃうの】
【みさき:茹で人参さんって優しいんですね】
【茹で人参:いやいや、僕は初心者の楽しみを奪って楽しんでいるだけだから罵倒されてもお礼を言われる筋合いはないね】
【みさき:どういうことですか?】
【茹で人参:少しずつ強くなっていくのを楽しむのがゲームでしょ?僕は初心者支援してそれを壊してるの】
変わった人だな……。
【茹で人参:だからかな、みんな一週間くらいしたらインしなくなるんだよ】
【みさき:そうなんですか】
【茹で人参:だからみさきも恩返しとか気にしなくていいからね、インしなくなっても腹立てたりしないよ】
【みさき:考えておきます】
チャットをしながらでも茹で人参さんは戦闘をしていた。
【茹で人参:お疲れ様、200でいいね?】
【みさき:ありがとうございます】
1時間以上経ち、私のレベルは200レベル丁度になっていた。100までで良かったんだけどな。
【茹で人参:それだけレベルがあれば当分はクエストで困らないと思うから】
【みさき:はい】
【茹で人参:今から転職クエする?】
【みさき:転職クエですか?】
【茹で人参:どうせ攻撃力のステカンストしてステポ余らせてるんでしょ?職業決めておけば別のステに振れるから】
【みさき:そうですね】
当初の目的は達成したので止めていいはずだが、私はもう少し続けることにした。
【茹で人参:それで何になりたい?】
【みさき:何があるのかよく分からないです】
【茹で人参:うーん、待ってるから調べておいで】
【みさき:はい】
私はインターネットを開いて(デストロイ 職業)で検索した。うわ、本当に職業が多い。
【茹で人参:おかえりー】
【みさき:ただいま戻りました】
【茹で人参:それで決まった?】
【みさき:はい、バッターにしようと思います】
【茹で人参:野球好きとか?】
【みさき:嫌いじゃないです】
【茹で人参:よし転職しに行こうか、ワプ贈るから使ってね】
【みさき:はい】
【茹で人参:転職アイテムを露店で買ってくるから】
【みさき:露店ですか?】
【茹で人参:うん、プレイヤーが手に入れたアイテムを好きな値段で売ることが出来るの】
【みさき:わざわざすみません】
【メッセージが届きました】
【バッターに転職しました】
【〈バント〉Lv1を習得】
【〈ホームラン〉Lv1を習得】
【〈三塁打〉Lv2を習得】
【〈ランニング〉Lv3を習得】
は、早い……。まだ私がゲームを始めて2時間ちょっとしか経っていないのにもう最終職まで行くことが出来た。
【みさき:ありがとうございます】
【茹で人参:それじゃあクエ頑張ってね、詰まったら手伝うから】
【みさき:ありがとうございます】
【茹で人参:あ、一応フレ飛ばしとく】
【〈茹で人参〉からフレンド申請されました〈承認〉〈断る〉】
【〈茹で人参〉がフレンドになりました】
【茹で人参:よろしくね】
【みさき:よろしくお願いします】
【パーティが解散されました】
結局私はその日寝るまでデストロイをプレイした。
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朝、学校に着くと直ぐに乃々果に声をかけられた。
「ごめん!昨日疲れてそのまま寝ちゃったよ。」
乃々果は手を合わせて頭を下げる。
「いや、別にいいよ。」
乃々果が居なくてもなんとかなったからね。
「それでみさきやった?」
友人を信用していないのか乃々果は疑り深そうに聞いてくる。
「まあ一応したけど。」
乃々果は笑顔で頷いた。
「それなら良かった。今日こそは手伝うからね!」
「うん、期待せずに待ってる。」
家に帰って着替えてからゲームを起動する。今日は宿題があるからあまりやり過ぎないようにしないと。
ログインしてフレンド画面を見ると茹で人参さんもログインしていた。
【メッセージが届きました】
差出人:茹で人参
題名:ログインボーナスだよー!
本文:お帰り‼︎
アイテム:さんまの塩焼き×99
さんまの塩焼き……。
【〈さんまの塩焼き〉を99個獲得】
体力回復のアイテムだ、今の私のHPなら全回復出来る。ありがたいな早速お礼を言わないと。
【みさき:アイテムありがとうございます】
【茹で人参:いえいえ♪】
【茹で人参:それよりクエは進んでる?】
【みさき:ある程度は進んだのですがボスに勝てなくて】
【茹で人参:あー、装備が弱いからね(笑】
【茹で人参:てか初期装備でしょ?よく進められたね(笑】
【みさき:昨日のレベル上げのおかげです】
【茹で人参:よし、僕がクエ手伝いますよ】
少し装備を貰える展開を予想していたのだがそこまで甘えるわけにはいかないか。
【みさき:お願いします】
【茹で人参:とりあえずここまででいいかな?今日フレさんとクエする約束してて】
【みさき:はい、ありがとうございます】
【茹で人参:頑張ってね】
【パーティが解散されました】
茹で人参さんは丁度夕食前で区切りをつけてくれた。とりあえず夕食を食べてから乃々果がゲームを始めるまで宿題しよう。
宿題を終えて寝支度を済ませると21時を過ぎたくらいの時間だった。
乃々果が来るまでメニューを色々と見ておこうかな。
私は再びログインをしてメニューを上から順に確認していく。
ん?"アイテム作成"って言うのかある。何だろう?後で茹で人参さんに聞いてみよ。他には……、"露店を見る"?露店って昨日茹で人参さんが言ってた奴だっけ?
私が"露店を見る"を押すと画面が変わった。
全ての露店を見る
フレンドの露店を見る
アイテムから検索する
全ての露店を見てみよう。
また画面が変わってそこには露店を出しているプレイヤー名と宣伝文がセットでずらりと並んでいた。どうやらそれを押したらそのプレイヤーが売っている商品を見ることが出来るみたいだ。
んー相場が分からない……。そうだ"アイテムから検索する"で今日貰ったさんまの塩焼きを調べてみよう。
アイテム名:さんまの塩焼き
さんまの塩焼き 3000J 在庫13個 アテム
さんまの塩焼き 5000J 在庫99個 ペヒモフ
さんまの塩焼き 5000J 在庫99個 ペヒモフ
さんまの塩焼き 5000J 在庫99個 ペヒモフ
さんまの塩焼き 5000J 在庫99個 ペヒモフ
さんまの塩焼き 5000J 在庫99個 ペヒモフ
さんまの塩焼き 5000J 在庫 99個 ペヒモフ
さんまの塩焼き 5500J 在庫 99個 マシュー
さんまの塩焼き 5500J 在庫 99個 ルルタコ
……
……
5000Jって高いのかな?お金自体の価値も分からないし、でも昨日のネクロボーンは1つ350Jで店売り出来たからさんまの塩焼き1つはネクロボーン14個分って考えたら高い気がする。そこら辺も茹で人参さんに聞いておこう。
ピコン
乃々果からケータイにメッセージが来た。わざわざ茹で人参さんに聞かなくても乃々果花に聞けばいいかな?
私は待ち合わせの場所で乃々果を探す。
先程知ったメニュー→プレイヤー一覧で、エリアにいるプレイヤーの名前一覧を確認出来るみたいだ。私はそこから乃々果っぽい名前のキャラを探した。
いない……。
【〈星矢〉からパーティ申請されました〈入る〉〈断る〉】
【パーティに加入しました】
え?
【みさき:もしかして乃々果⁉︎】
【星矢:ごめん、言ってなかったね。聞いてくくればよかったのに】
【みさき:だって男のキャラとは思わないじゃん】
【星矢:ネカマネナベは普通だからね】
【みさき:ネカマネナベって何?】
【星矢:俺みたいに現実は女でゲームは男キャラなのがネナベで反対に現実男でゲームは女キャラなのがネカマ】
【みさき:俺⁉︎】
【星矢:笑、そういう設定だから】
つまり茹で人参さんも現実は女性って可能性があるのか。
【星矢:それにしてもみさきのハンドルネームがみさきっていじれよ笑】
【みさき:みんな本名でしないんだね】
【星矢:しないって】
【星矢:後、さっきから気になってたんだけどみさきのレベル201って何なの⁉︎おかげで招待特典は貰えたけど】
【みさき:優しい人が手伝ってくれて】
そもそもあれは手伝ってもらったと言うのかな?
【星矢:このゲーム偶に初心者支援する物好きがいるからね、レベル高いと初心者からしたらヒーローじゃん?】
【星矢:でも1日で200までレベル上げるって余程高レベルじゃないと無理だぞ】
【星矢:俺だって2、3時間頑張って120くらいが限界だろうから】
【みさき:優しい人だったよ】
【星矢:うーん、やることがなくなったね】
【星矢:どうする?】
【みさき:何もしないなら私1人でシナリオクエストするけど】
【星矢:手伝おうか?】
【みさき:乃々果がすることないならお願いするけど、やりたいことあるならしててもいいよ】
正直言って乃々果に手伝ってもらうより茹で人参さんに手伝ってもらった方が効率がいいんだよね。
【星矢:乃々果言うな‼︎】
【みさき:だって私のことみさきって言ったじゃん】
【星矢:いや、みさきのハンドルネームって言うかプレイヤー名みさきだから】
【みさき:はーい、星矢ちゃん】
【星矢:もうそれでいいよ】
【みさき:それでどうする?】
【星矢:みさきの装備は初期装備でしょ?装備を先に揃えない?】
【みさき:あー、さっきも言われた】
【星矢:誰に?】
【みさき:さっき言った手伝ってくれた人】
【星矢:どうする?私がお金貸そうか?】
【みさき:お願いします。後相場とか色々教えて欲しい】
【星矢:いいよ】
2日目、私は少しずつデストロイにハマっていった。
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昨日と同様ログインしてフレンド画面を見ると当たり前のように茹で人参さんもログインしていた。
【メッセージが届きました】
差出人:茹で人参
題名:ログインボーナスだよー!
本文:慣れた?
アイテム:パーフェクトガーダー
ん⁉︎
【〈パーフェクトガーダー〉を獲得】
私は早速効果を確認する。
アイテム名:パーフェクトガーダー
種類:アクセサリー
効果:物防+500、魔防+500、HP+2000
何、この強い装備。昨日乃々果に買って貰ったアクセサリーは攻撃力+100の奴だったけど、パーフェクトガーダーの方が明らかに強いよね?
【みさき:こんなに強い装備をありがとうございます!】
【茹で人参:お帰りー。いいよいいよ、後いくつかあるし、明日はもっといいものを用意しておくよ^^】
【みさき:申し訳ないです】
【茹で人参:今日はどうする?今時間あるよ】
【みさき:ではクエストのお手伝いをお願いします】
【茹で人参:シナリオ?何なら新しいクエスト行ってみる?】
【みさき:新しいクエストですか?】
【茹で人参:うん、簡単な難易度なら推奨レベル400だしみさきは寄生で大丈夫だよ】
【みさき:お願いします!】
【茹で人参:おけ、クエスト終了後に抽選があって偶にレアアイテムが出るから】
【みさき:おー】
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翌日学校で私は乃々果に話しかけた。
「乃々果ー!菫色の夢の薔薇が手に入ったよ‼︎」
昨日のクエストで手に入れたレアアイテムだ。何回か回って手に入れることが出来た。まあ敵を倒したのは茹で人参さんだけど。
「嘘⁉︎新クエのレアアイテムでしょ?相場5000万ジュルの、いいな。」
「この前言った人に手伝って貰って。」
「羨ましいー、この前貸したお金返してよね。」
「分かってるよ。」
あー、早く帰って茹で人参さんと遊びたいな。
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私は今日もログインした。
ゲームを始めてから毎日inしてる……。だって楽しいよ、茹で人参さんと遊ぶの。授業中も頭の中はデストロイと茹で人参さんのことでいっぱいだし、恋かどうかは分からないけど私は茹で人参さんが好きかな。
【茹で人参:お帰りー。】
【みさき:ただいまです】
【茹で人参:今日はログインボーナスはないんだけど、始めてから1週間のお祝いにいいことがあるんだ】
【みさき:いいこと?】
【メッセージが届きました】
差出人:茹で人参
題名:ギルド招待
本文:〈エンシェントヒーローズ〉に招待されました
〈加入〉〈断る〉
茹で人参さんのギルド!
【〈エンシェントヒーローズ〉に加入しました】
【茹で人参:よろしくね】
【奴神:よろしくー】
【マシュー:よろしく】
【みさき:よろしくお願いします!】
【占魚:よろしく‼︎】
【めたもる:よろろ】
【りんご豆:よろしく〜】
こうして私はネトゲに堕とされた。
引き続き希恐をよろしくお願いします‼︎