最強の能力
ある少年が最強のヒーローに憧れて、能力者に弟子入りしようと思い立った。
そして、どうせなら、最強の能力者に師事したい。そう思い、炎を操る能力者の元を訪ねたが、こう言われた。
「俺なんかとても最強とは言えねえ。まだまだ上には上がいやがる」
それは誰かと訊くと、
「それは時間を操る奴だ。」
少年は、時間を操る能力者の元を訪ねた。
「私も、とても最強だなんて言えません。世の中にはさらに強者がいます」
それは誰かと訊くと、
「それは、全ての女性。私たち男なんて、どう足掻こうが女性にはとうていかなわないのですよ。なんせ女性は新しい生命を産み出してしまうのですから」
少年は、途方に暮れて歩いてると、一人の少女とぶつかった。
その少女を見た瞬間、すっかり見とれてしまい、運命すら感じてしまって、もうその子の事以外は考えられないようになった。
鼓動が早まり、全身にパワーがみなぎり、世界の全てが輝き、どんな事でも可能なように思え、この子を守るためならどんな困難さえ乗り越えられそうだった。
そして少年は思った。「最強の能力は、人を愛する力だ。」