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再会

(人狼なのに、吸血鬼に襲われる夢を見るとは……)


不覚です、とリュカが俯いていると


「目が覚めたのね」


体調はどう、とリリスが手を触れようとすると


「さわるな……」


リュカは反射的に手を振り払う


「ご、ごめんなさい。体調は悪くないです」


リリスは溜息をつくと


「今日は、ここに泊まっていきなさい。ルヒトの検査結果が出るまで、もう少し時間がかかるわ」


リュカは、狼耳をピクリと動かすと


「ルヒトさん、どこか悪いんですか?」


「リュカは、知らなくてもいいことよ」


「で、でも……」


リリスは氷のように冷たい視線を向け


「知らなくていいことを知ってしまうと、命を落すことになるわよ。私、悪い子は嫌いよ」


リュカに告げる。


ソクリ、とリュカの背筋が震える。


さっきの夢が、フラッシュバック。


アベルが母さんと呼んでた人物にーーリリスは、よく似ている。


(なんで、あんな夢……)


リリスは、踵を返すと


「夜は、まだ長いわ。もう、休みなさいと」


部屋を出て行く。


しかし、横になっても目が冴えるだけ。


「さっき起きたんだから……当然か」


リュカは廊下に出ると


「少し、散歩しよう」


薄暗い闇の中を歩く。


すると


「うわっ」


「痛って……」


リュカの死角から出てきた、誰かとぶつかった。


鼻を抑えて転げ回る少年を目の前に


(あ、前にも似たようなことあったな……)


「ひょっとして、王太子!?」


ジルは起き上がると

「そっちは、人狼の……つーか、お前、夜目効くよな?」


「ええ、まあ……」


さっきのは不意打ちでしたけど、とリュカは続ける。


「探検しにいこうぜ、霊廟に」


「な、なんですか、いきなり」


首を傾げるリュカに


「ほら、前にお前のこと見たことあるって言っただろ」


思い出したんだよ、とジルは言った。













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