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神様は、少々私に手厳しい!  作者: 守野伊音
第三章:大陸
58/100

58.神様、かしゃかしゃ系は小さくても苦手です





 人は驚いたときにどんな声を上げるだろうか。

 あ! ひぃ! きゃあ!

 色々あると思う。そんなの人それぞれだし、状況もあるだろうし、喉の調子だって大事だ。

「ママ、これあげる!」

「あひあ!?」

 満開笑顔のユアンの手から飛び出してきた、コオロギみたいな虫を丁寧に受け取ってしまった私は、どんなに理論武装を固めても擁護しきれない悲鳴を上げた。

「ママ、ひっかかった!」

 無邪気に笑うユアンに、頬っぺたみょーんの罰を下せない。だって、私の手の中にはまだ奴がいる。両手で包み込んだコオロギみたいな虫を誰かにどうにかして頂きたい!

 子どもの頃はバッタとかは平気だった系の虫だけど、大きくなると足のかしゃかしゃした動きが妙に苦手だ。あの頃は宝物に見えたセミの抜け殻を大好きなお母さんに渡したくて、大量に集めた。ありがとうと言った母の笑顔は引き攣っていたような気がする。誠に申し訳ございませんでした!



 掌の上でしゃかしゃかとした感触をプレゼントしてくれる虫を放り出すことも出来ない。落とした瞬間こっちに向けて飛んできたら、全てをかなぐり捨てて叫ぶ自信がある。

「アリスちゃん! 贈答品です!」

「要らん」

「そう仰らず!」

「素直に助けてと言えんのか、貴様は!」

 手の中からむんずと掴み上げた虫を遠くに放り投げたアリスは、その手で私の頬っぺたを引っ張った。是非とも洗ってください。

 袖で頬っぺたを擦りながら、ユアンを向く。

「ユアン! 生物は禁止と申し渡してるよ!?」

「ごめんなさーい!」

 けらけら笑うユアンは全く反省していないのが分かる。

 今まで大変大人しくいい子だったユアンは、今や物凄いいたずら小僧だ。

 三人で子育て勉強会をした翌朝、目が覚めたら全員の頭が細かい三つ編みに占領されていたのが始まりだった。誰かに解いてもらった方が早かったので、三人で円陣を組んで解いていると、寂しくなったユアンが突入してきたりした。三つ編みパーマ頭はその日の昼過ぎごろまで続いた。

「生き物は禁止と重ねて通達するよ!?」

「はぁい!」

 あ、これ駄目だ。絶対次も虫だ。

 満開の笑顔で手を振って虫を探すユアンは、大変大人しいいい子ではなくなったけれど、大変かわいい子には変わりはなかった。悪戯しても大丈夫、嫌われたり捨てられたりしないという安心感が齎した結果だと思えばよい変化なのだろう。しかし、偶にちらりと顔色を確認する視線を向けてくるので強く叱るに叱れない。



 私達がいるのは光の届かない地底ではない。太陽がさんさんと降り注ぐ少し開けた場所だ。草もあるし土もある。でも、野原かと言われると悩む。何故ならここは切り立った崖の途中なのだ。ぽっこり開いた空洞なので、外から見ようとすると飛行機でもないと無理である。この崖には、こういう穴ぽこスペースが幾つかあるらしい。

 ルーヴァルの前の国は本当に凄い技術を持っていたようで、色々くり抜いて、自然の中に居住空間を確保していた。誰だって、岩にしか見えない崖の中に階段や部屋があるなんて思わない。こんな凄いことができる国がどうして滅んだのだろうと不思議に思っていた私に、アマリアさんは揃えた指で遠くにそびえる大きな山を示した。

「嘗てここにあった国は、あの山を神の山として崇めていたそうです。ですので、その麓に神殿としてここを作ったと言われています」

「神の山」

 確かに、立派で雄大で神々しい。素晴らしい山だ、神の山と呼ばれるのも頷ける。正直、他の山とどう違うのか全く分からないけれど、言われてみれば偉大に見えてきた。

「この神殿、半分以上が埋もれています」

「何故にして?」

「あれが、火の山だからです」

[火山!]

「カザン?」

 まさかの火山だった。成程、道理で広いお風呂場のお湯が全然冷めないと思った。温泉だったのか。お肌つるつるになってきたのもそれが理由だったら嬉しい。

「火の山からは火の水が噴き出すのですが、その前兆として大地が揺れたりもします」

 はい、知っています。地震大国出身です。火山いっぱい温泉いっぱいです。

「大地が揺れれば、人々は神に祈る為に神殿に篭ったそうです」

 滅びた理由がなんとなく察せてしまった。噴火する山の麓に篭ってしまったのだろう。

 とりあえず、埋もれたと言われる部分にはいかないほうが賢明だ。何百年も前の話だそうだけど、ご冥福をお祈り申し上げるから幽霊になって出てこないでほしいと切に願う。……素朴な疑問だけれど、こっちの世界の幽霊に南無阿弥陀仏は効くのだろうか。般若心経とかはどうだろう。ぎゃーてーぎゃーてーはーらーぎゃーてー。そこしか知らないはんにゃーしんぎょー。駄目だ。日本の幽霊にも効かない気しかしない。

 効き目皆無感満載の般若心経を必死に思い出しながら、ユアンを見る。しゃがみこんで草を掻き分けるユアンの隣にいる身なりの良い少年が何やら耳打ちしていた。二人のいたずらっ子の目がこっちを向いて、にまぁと笑う。何やら素晴らしいいたずらを思いついたようだ。そして、熱心に土を穿り返し始めたので、やっぱり次も虫なのだろうなと想像がつく。ミミズだろうか。ミミズならまだ……なんとか……。かしゃかしゃするのが一番苦手なので、うにょうにょなら……たぶん……なんとか……おそらく……願わくば……。



「ユアン、この石掘りやすいからやる」

「ありがとう、ミヴァエラ」

 身なりの良い少年は、自分が使っていた石をユアンに渡した。それを眺めながらしみじみ思う。

「…………王子様が石で地面を掘るのは宜しいのか」

「…………良くはないだろうな」

「…………良くはないんだよ。聞いてはくださらないだけで」

 さめざめと泣くのはロジウさんだ。ちなみに、アマリアさんのお兄さんだったりする。世間って狭い。代々ルーヴァル王家に仕えているお家なのだそうだ。そして、彼らがお仕えしている王子様は、現在地面にしゃがみ込んでミミズ探しに精を出している。

 お風呂場騒動があった次の日、兄王子様と一緒に謝罪にきてくれたミヴァエラ王子とユアンは仲直りし、今やいたずら仲間だ。

 それを眺めながら、ふむと顎に手を当てた青年は、現在ルーヴァル王となった兄王子ラヴァエル様だ。ラヴァエル様は、長い金髪に一見美女と見紛うほどの美貌である。まるで絵本に出てくる王子様のように、少女の夢を形にしたといっても過言ではない王子様だ。

 ラヴァエル様は、麗しい顔に豪快な笑顔を浮かべた。

「はっはっはっ! いいじゃないか! 子どもは土の子だ!」

「全く良くないですよ! 兄上なんですから王子から仰って下さいよ!」

 ただし、中身はティエン寄りだったりする。黙っていたら目が潰れると叫びたくなるほどきらきらしているのに、この親しみやすさは凄い。

「はっはっはっ! どれ、私も混ざってこよう! ロジウ、良い石を探せ!」

「やめてくださいよ!? 国王がマント引きずって虫探しとか、親父が生きてたら俺が殺されますよ!」

「はっはっはっ! 気になるようなら初代王と話でもしていればいいさ!」

「それが一体全体何の解決になると!?」

 片手を上げて虫探しに加わった国王様を、ロジウさんが半べそで追いかけていった。親しみやすいにも程がある国王様である。何でも、彼等は元々ブルドゥスとグラースの王族ではないらしく、偉そうにするのも変だろうという心情らしい。

 そしてなんと、アリスちゃんが初代の王様に似ているらしいのだ。おかげさまで、身元は結構すんなり信用してもらえた。いいのか悪いのかは分からないけれど。



 ルーヴァルが出来たのは、ブルドゥスとグラースの戦争を忌避した人達が、今よりも航海技術がないのを承知の上で海に出たのが最初だと言う。貴族も平民もなく、志同じくして船に乗り込む人達を見捨てられなかったのがアリスちゃんの御先祖様だ。新天地までの護衛もかねて国を出たアリスちゃんの御先祖様は、船長みたいな感じで皆を纏めていたらしい。そして、そのまま願われて初代の王様になったそうだ。彼には子どもがいなかったのと、元々王族ではないのだからと引退する際、後任を頼まれたラヴァエル様の御先祖様が後を継ぎ、今に至るそうだ。

 ラヴァエル様は、民が望み、その相手が自分達より国を想い、導けるのなら喜んでこの座を退くと笑っていた。けれど、それから三百年間、彼らが王様であり続けたのだから、きっと慕われているのだろう。

「ほら、大きいのを見つけたぞ。ユアン、お前にあげよう」

「ありがとう! ママ――!」

 何てことをしてくれたのでしょう。慕われている王様は、私に回ってくる巨大ミミズを掘り当ててくださった。それを両手で受け取ったユアンが、満面の笑顔でこっちに向かってくる。

「これあげる――!」

「はぁ――いっ!」

 私は心の中で涙を散らしながら両手を出した。もうやけくそだ、なんでもかんでもどんとこい。ユアンの笑顔が可愛いのを心の支えに頑張ろう。ミミズなら耐えられる!

 根性で広げた私の掌にぽとりと落とされたのは、まさかの巨大なカナブン系の何かだった。

「あべあ!?」

「ママ、ひっかかった――!」

 きゃらきゃら笑って次なる獲物を探しに行ったユアンの背中を見送ったアリスは、ため息をつきながらカナブン系をキャッチ&リリースした。

 こっちに飛んできた。




 薬の相談もあり、診察を受けているルーナを待っている間に日向ぼっことしゃれ込むのが晴れの日の過ごし方だ。

 ぽかぽかした日を浴びながら、ユアンのいたずらに奇声を上げている私の背中を誰かが引っ張った。

「こんなところにいたのね!」

 振り向くと、たっぷりとした髪を高い位置に結い上げた女の子が頬を膨らませている。彼女はアマリアさん達の妹、アニタだ。さらさらした髪も綺麗だけど、アニタみたいにたっぷりとした髪も可愛い。

 弟王子様よりちょっと年上のアニタは、スカートをぎゅっと握って頬を膨らませた。

「あたくしを置いていくなんてひどいわ!」

「アニタは勉学中の時間だと伺っていたよ?」

「皆は自由時間なのに、あたくしだけ勉強というのが気にくわなくってよ!」

 気持ちは分かるけど、サボリはよくないと思う。気持ちはよく分かる。それはもう分かるけれど。

「アニタ」

 淡々と名を呼んだアマリアさんがアニタの首根っこを摘まみ上げた。

「姉様ばかりずるいですわ! あたくしだって愛しの殿方と逢瀬を重ねたいのに!」

 頬を膨らませたアニタは、器用にアマリアさんの手から脱出してユアンの元に駈け出していく。気づいたロジウさんが慌てて片手で制す。

「アニタ! 王族相手に走り寄る馬鹿がいるか!」

「王様、王子様、ごきげんよう!」

 アニタはぴたりと止まって、スカートの端を摘まんですいっと頭を下げた。優雅というよりは、体育会系の部活を思い出す勢いだ。

「はっはっはっ! アニタはいつも元気だなぁ」

 王様からOKが出たので、アニタはふんっと鼻息荒くしてユアンの横にしゃがみ込んだ。

「ユアン様、ごきげんよう!」

「こんにちは?」

「アニタ、俺は?」

「王子様には先程ごあいさつ申し上げたわ」

 しょんぼりしたミヴァエラ王子様は、どうやらアニタのことがお好きらしい。対するアニタは、ユアンに一目惚れなんだそうだ。大人の身体の中にある幼く純粋な子どもの心に惹かれたやらかっこいいやら可愛いやら、色んな説明を受けた。けれど私は、当のユアンが背後からおんぶをねだってきて潰されていたので全部は聞けなかったし、覚えていない。ごめんね、アニタ。そしてどうしよう、この三角関係。

「ユアン様! 今日こそ答えて頂くわよ!」

「何を?」

「ユアン様が一番好きな女の子はだれ!?」

「ママ」

 一秒も考えずにさらりと返った答えに、射殺さんばかりの視線が私に突き刺さる。女の子って言ったのにとぶつぶつ言われても困ります。女の子、お姉さん、おばさん、おばあさんの正確な区分なんて私も知らない。ユアンのおばちゃんって呼んでいいから睨まないで! おばちゃん悲しい!

 私をぎりりと睨んでいたアニタは、思い直したようにたっぷりとした髪を払った。

「……いいのよ。殿方はいつまで経ってもママに弱いって、あたくし知っていてよ!」

「え? ちょっと待ってアニタ。その括りに兄ちゃん入ってる?」

「いまは兄様なんてどうでもよくってよ!」

「え――……」

 しょんぼりしたロジウさんに背を向けたアニタは、両手をぎゅっと握りしめてユアンに詰め寄る。妹は強い。

「ユアン様! おば様以外で一番好きな女の子はだれ!?」

「リリィ」

 これまた間髪入れずに返ってきた答えにアニタは真顔になった。無言のままユアンに背を向けて戻ってくるその姿は、まるで戦地に向かう武将の如き気迫だ。それを待ち受ける私は敗戦の将である。

「だれよそれぇ!」

 何故私に仰るのか。妹がいなかった私には分かりかねるけれど、私の相手をしてくれていた姉達はこんな理不尽にも耐えてくれていたのだろう。ごめんね、お姉ちゃん。彼女達が私の相手をしてくれていたように、私もアニタに答えよう!

「リリィは可愛いよ!」

「けんか売っているの!? 買ってさしあげてよ!? それと、そのリリィって女の情報よこしなさい!」

 目線を合せようと屈んだおかげで、掴みやすくなった胸倉をがっくんがっくん揺らされる。女の子とのスキンシップって激しい。

「リリィは可愛くて、徒歩でも可愛くて、小さく走るしても可愛くて、座っていても可愛くて……あ! 笑顔も可愛い!」

「何一つ情報増えていなくってよ!?」

 そうは仰いましても、事実なのだから仕方ない。リリィを説明しろと言われたら、可愛いなくして表現できるはずがない。

「リ、リリィは、み、み、み、みっつあみでしでしでし」

 がくがく私を揺さぶっていた小さな手は、情報を絞り出すや否や何の未練もなく離れた。私の身体は勢いが残ったまま地面に倒れ込んだけど捨て置かれた。寂しい。そして女の子強い。

「姉様! あたくしの髪を三つ編みに結ってくださいませ!」

「お客様の胸倉を掴まない」

「姉様はあたくしの首根っこを掴んでいますわよ!?」

「姉はいいのです」

「不公平ではなくって!?」

「ありません」

 姉も強かった。

 確かに、思い返せば姉に勝てた試しがない。そもそも、あれは勝負だったのか。姉達はよく『あんたが馬鹿で助かったわ……』と言っていた。お姉ちゃん達は助かったのか! よかった! 褒められた! そうご満悦だった私の反応は、もしかしたらおかしかったのかもしれないと、何故かいま思った。私も大人になったようだ。



 母に首筋を噛まれた動物みたいに大人しくなったと思ったアニタは、アマリアさんの手が緩むや否や、素早い動作でその手を逃れた。

「大体、おば様が決まった相手がいないから、子どもが親離れしないのよ!」

「面目次第もございません!」

 とんだとばっちりである。でも、反射的に謝ってしまうこの気迫。

「前に言っていた好きな人とはどうなったの?」

「何一つ進退ございません」

「ああ、もう! おば様が独り身じゃなくなったらきっと寂しがるユアン様を、あたくしが慰めて差し上げるんだから早くしてよ! もう誰でもいいから!」

「私が宜しくはないでよ!?」

「兄様空いてましてよ!?」

「ロジウさんの取り扱いが非常事態に雑!」

 私を押し付けられるロジウさんが哀れでならない。そして恋する少女が止まらない。どうしよう。まだ年齢一桁なのに、私よりよっぽど見事に恋する女だ。そして、目的の為なら手段を選ばない子どもらしい無茶ぶりも止まらない。

「アニタ! お前はいつもどこでそういうの覚えてくるんだよ!」

「炊事場のお姉様達のお手伝い中ですわ!」

「うっ……そうか、あそこか……俺には手が出せないっ…………!」

 女の戦場には入れないロジウさんは、両手で顔を覆って項垂れてしまった。アニタはまだ小さいのにお手伝いをしっかりするいい子である。左右を王子様に挟まれて、せっせと虫探しているユアンもお手伝いはしてくれるから、いい子だ。でも、虫は要らない。

 そして、炊事場のお姉様達の平均年齢は四十六歳だと聞いたのだけど、アニタの中でおばさんとお姉さんの基準はどこにあるのだろう。



 次の虫攻撃へ心の準備をしている私の裾をアニタが引っ張る。

「おば様、あれ読んだ?」

「読書しました」

「それでどうしてうまくいかないのかしら」

 アニタは心底不思議そうに首を傾げた。

 あれとは、アニタが貸してくれた恋する乙女のバイブル。その名を『騎士ルーナと黒曜姫』。……まさか、海を渡っているとは思わなかった。挿絵に描かれている姿とは似ても似つかないおかげで、アニタは私が黒曜とは考えもしないらしい。まあ確かに、実物の私をモデルに話が書かれるなら、タイトルは『二度見の黒曜』だろう。

「そういえば、あたくし、おば様の好きな殿方とお会いしたことがないわ。仕方がないわね。今日はその方を見て、あたくしも一緒に作戦を考えてあげてよ」

 憂いをおびた顔で片手を頬に当て、切なげに息を吐き、大人顔負けの雰囲気を醸し出したアニタの向こうにお目当ての人物を発見する。診察が終わったのだ。今日は早くてよかったね。

「ルーナ――!」

 突然叫んで手を振った私に、目の前にいたアニタはびくっとなった。驚かせてごめんなさい。うっかり喜びが溢れだしました。

 片手を軽く上げて返事してくれたことが嬉しくて、笑顔も一緒に溢れだす。その様子に現れたのが私の好きな人だと気づいたアニタは、興味津々の顔で振り向いた。

 そして、固まった。


「無謀じゃなくって!?」

「やはり!?」


 少女の目から見ても、私がルーナを好きなのは無謀の領域に入るようだ。だけどアニタさん。真実、私とルーナは恋人同士だったんです。

 事実は小説より奇なり! と言いたいところだけど、借りた本の中では、黒曜姫がウインクだけで男の人をよろめかせたり、気絶させたりしていたので、こっちも十分奇妙だよなぁと思って結局言えなかった。

 




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