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神様は、少々私に手厳しい!  作者: 守野伊音
第一章:再会
17/100

17.神様、ちょっとこれから頑張ります

 エレオノーラさんは落ち着いた色のドレスではなく、軍人のような恰好をしていた。ティエン達が鍛錬の時に着るような服だ。ブルドゥスらしく、全体的にふんわりしていて、腰の部分は大きめのベルトで止めている。ベルトからぶら下がっているのは剣だ。

 私も似たような恰好の着替えを貰い、大股で歩く彼女の後ろを必死に追っていく。正直、ドレスよりスカートより、ズボン姿の今が一番動きやすいし慣れている。


「あ、あの」

「はい」

「エレオ、ノーラさんは、アリス……ショークさん、から、どのような場所まで報告受理したぞろり?」

「ロークです。私の末息子はアリスロークと申します」

「面目次第もごじゃりませぬ……アリスロークさん、から、ぞろ」

「言いづらければアリスと。わたくしもエレナで結構です」

 立ち止まらないエレオノーラさんがどこを目指しているのか分からない。屋敷を出て裏の藪に突入してから大分歩いている。何となく道っぽくなっているから、偶に利用しているのだろうか。獣道にしては大きい。それなりに生えている草は、エレオノーラさんがごついブーツで踏んでくれる。ありがとうございますと言ったら、当然ですときっぱり言い切る彼女は、凄く格好いい。

「ほぼ、全てですね。あの子は身内に嘘をつくのが大層苦手ですので。騎士ホーネルト、軍士ハイも挨拶に来てくださいましたし、大体の事は把握しております」

 さらりと口に出された名前にぽかんとしてしまう。エレオノーラさんは全て知っていたのだ。知っていて、家に置いてくれたのか。

 聞きたいことがある。けれどこれは、口に出していいことなのだろうか。


「恨んでいますよ」


 無意識に呟いてしまったのかと口元を押さえる。いつの間にか立ち止まっていたエレオノーラさんは、表情を変えずに続けた。

「憎んでもいます」

 だったら、何故家に置いてくれたんですか。美味しいご飯を、清潔な寝床を、年齢に合った服をくれたんですか。何故、貴女の家族に紹介してくれたんですか。

 憎んでいるのなら何故、普通に接してくれたのだ。普通に、否、それ以上に優しくしてくれた。面倒がらずに、意思疎通ができるだけで良しとせず、言葉を正してくれた。

 彼女といると、しっかりしなければとか恥ずかしくない行動を取りたいと思ったけれど、一度だって、恐怖や居心地の悪さを感じることはなかった。

 でも、恨まれていたのか。憎まれていたのか。

 当たり前だ。グラースは彼女から多くの、言葉に出来ないほど膨大な存在を奪い取った。そちら側に属していた私が恨まれるのは当たり前なのだ。

 足が震えるほど怖い。体中に力が入らないほど、つらい。

「全く、何て顔をするのです…………おいでなさい」

 手を引かれて再び歩き出す。これでは本当に迷子の子どものようだ。

 まっすぐ伸びた背は、こんな足場でも揺るがない。迷うことも怯むことも知らないように、ぐいぐい歩を進めていく。

「恨んでも憎んでもいます」

「……はい」

「三百年前の祖国の決断を、ですが」

「え?」

 歩みは止まらない。飛び出た枝を払っても、手は離されなかった。

「何が始まりだったかは最早分かりません。ブルドゥスとグラースでは伝え聞く内容も異なるでしょうし、興味はありません。恨み辛みがあるでしょう。ただ、その代だけで終わらせてくれたらよかったのです。延々と三百年、長い長い時間、わたくし達は争い続けました。わたくしの生家は軍人として、アードルゲは騎士として、代々国に仕えて参りました。失うことばかりでした。父が死に、二番目の兄が死に、弟が死に、一番目の兄が死に、家督は姉の息子が継ぎました。嫁いだ先で、一人の義兄が死に、四人の義弟が死に、二人の息子が死に、夫が死にました。逃げるを良しとせず、最期まで部隊の為国の為に戦い抜いた彼らはわたくしの誇りです。彼らは英霊として石碑に名を刻まれて、今でも王城の中庭に祀られています。ですがわたくしは、彼らに生きて帰ってきてほしかった」

「はい……」

「長い戦争でした。誰もが何かを失いました。あの戦いで、何も失わなかった人間などいません。彼らのように命を、わたくし達のように家族を、アリスロークのように幼年時代を、それぞれが失った。そしてそれは、グラースの人々とて同じです。初めは憤怒を、次に憎悪を、次に悲哀を。わたくし達は皆、疲れていたのですよ。憎むことにも嘆くことにも疲弊しきっていた。ただただ憎むには、長い時間が経ち、失い過ぎました」

 歩き続ける背は振り向かない。だから彼女がどんな顔をしているか分からない。歩くたびに帯剣している音が響き、どんどん知らない場所に進んでいくのに、全く怖いとは思わなかった。

「戦争は時代と国の責です。個々に負わせるべきではない。ですから、わたくしは騎士ホーネルトにも、軍士ハイにも、憎しみはないのです。息子達が死んだ戦場とミガンダ砦が関係ないからだけでなく、です。出会う場所が違っていれば、彼らは死んだ息子達と友情を築けていたかもしれません。それがとても無念には思います。私の息子達も、戦時でない場で斬りかかるような大馬鹿者ではありません。出会う場所が、出会った時代が悪かった。ただそれだけのことです」

「はい……」

 エレオノーラさんの声は、決して柔らかい声音ではない。けれど強張っているわけでもない。淡々と事実だけを告げていく言葉に、何故か泣きたくなってくる。泣いていいのは私じゃないのに、歯を食い縛っても嗚咽が漏れだした。

 つらい、悲しい、切ない。恨まれていなくてほっとした、嬉しい。いろんな感情が渦を巻く。いま、一番大きな感情は、苦しいだ。

「昨日、わたくしは貴女を恩人として皆に紹介しました」

「は」

「事実です」

「い?」

 ざっと機敏な動作でエレオノーラさんが振り向いた。ふわりとした風ではなく、私の正面に向かい合うと、足でブレーキをかけるようにぴたりと止まる。

「皆、疲れていた。けれど掲げた刃をしまう先が見つからない。そんな中『ミガンダ砦に現れた異界の女神』は、縋る先としてこれ以上ない対象でした。貴女には与り知らぬことでしょう。貴女の意思でなく世界と時間を超える事こそ、貴女が頭を悩ませ、心を向ける事柄です。十年経っていて、さぞや驚いたでしょう。そんな貴女に、三百年続いた戦争の終結を押し付けることになって、本当に申し訳ないと思っています」

 掴まれていた手がそっと離されたと思ったら、両手で握られていた。硬く骨ばった指には、タコが幾つも出来ている。働き者の手だ。お母さんの手に似ていて、また泣きたくなった。

「ですが、貴女の存在が終戦後、荒れる世論を収めたのも事実。恨み辛みが再び諍いを呼ぼうとしていた時、貴女の名がそれらを鎮めた。終戦して十年、再び火種が燃え上がらなかったのは、貴女のおかげです」

「し、然らば、私は!」

「はい、貴女には関係のないことです。会ったばかりのわたくしに心を開けとは言いませんが、わたくしは貴女に恩がある。恩には報いるのがアードルゲの流儀!」

「うはい!」

 急に張りのある声になったのに驚いて、こっちの声は裏返った。

 がちがちに背筋を伸ばした私を、エレオノーラさんは諌めも笑いもしない。

 一つ頷くと、また背中を向けて歩を進めた。これ以上話す気はないのか、黙々と進んでいく。



 黙々と、足元も見ずに伸びた背中を見て歩く。やがてその背は立ち止まった。目的地に着いたのか、再度振り返って先を示す。木が重なってよく見えないけれど、片手で枝が下げられたことで光がまっすぐに差し込んできた。

[朝日……綺麗ですね…………]

 ありふれた言葉しか出てこない。でも、本当にそう思ったのだ。それだけしか、思いつかなかった。

 視界いっぱいに広がるのは、ブルドゥスの街並みだ。遠くにお城が見える。日本みたいに灰色に高い建物が光を遮らず、薄紫から白くなり始めた陽光が、まっすぐに万遍なく地上を照らしている。

 遠くの遠くには山が見えて、その隙間から見える向こうにも街が見える。そうやって自然以外に遮られることのない景色が延々と広がっていく。こうやって少し高い場所から見るとよく分かる。ここは私が生まれ育った世界じゃない。違う場所だ。

 分かっていても胸は痛む。でも、同じくらい、綺麗だと思う。本心から、美しい景色に感動した。

 横に並んだエレオノーラさんは、少し目を細めて光を全身に受けた。

「夫が教えてくれた場所です。初夜を迎えた朝の挨拶もそこそこに、わたくしの腕を引っ張ってここまで走りました。少し寝過ごしたので、夜明けに間に合うか心配だったそうです。自分が一等好きな場所だと。この美しい国と、わたくしを守るのだと。子どものように無邪気な人でした。貴女に、少し似ています」

「え!? そ、そのような方ぞ比較し申せば、アリスぞ怒髪天ぞろ!?」

「間違っているわけではありませんが、『怒る』が一般的です」

「怒る、ぞろ」

 一つ頷くその様子が、少しリリィに似ていた。


 今、凄くリリィに会いたい。リリィにも見せてあげたい、リリィとも見たい。

 そうして、また笑ってくれたら嬉しいなと思っていたら、ふっと軽い吐息のような声が聞こえて顔を上げる。

 あの時のリリィみたいな、柔らかい笑顔がそこにあった。

 呆然と見つめる。

「ふ……失礼。わたくしは、貴女に本当に感謝しているのです。アリスロークを戦場から帰してくれたことを、心から」

 穏やかな顔で、エレオノーラさんは微笑んでいた。

 そして、楽しげにくすりと笑う。

「あの子を送り出した時、これが今生の別れだと思いました。アードルゲの男らしく、潔癖すぎるほどの理想と決意を胸に、腕は未熟のまま、あの子は要請を受け、成人も前に戦場へと赴きました。戦場に家族を送り出した女は、喪服で過ごします。いつあの子の戦死の報が入るかと、わたくし達は全員喪服のまま日々を過ごしました。それが…………ふっ、ふふ……まさか、顔を真っ赤に憤慨して『母上! パンツ見られました!』と帰還するなんて」

 あの頃のアリスちゃんは、あったことをお母さんに報告する系男子だったようだ。


 エレオノーラさんは口元を押さえて肩を震わせている。若干お腹を押さえているように見えるのは気のせいですか。まさかお腹痛くなるまで笑っていませんよね。

 さりげなく目元を指で擦ったのは、涙目になったからではないはずだ。きっと。

「何でも、貴女に下着を見られてから、この屈辱晴らさずしてアードルゲの男は名乗れないと、それまで以上に我武者羅に腕を磨き、士気が上がり急に押し返し始めたミガンダ砦との戦闘に、終戦まで生き残ったのです。わたくしは感謝しました。神ではなく、貴女に。死ぬが誉れと謳われて久しいあの時代に、必ず生き残るとあの子に決意させた貴女は、わたくしの恩人なのですよ」

 徐々に光を強くする太陽より余程、彼女が眩しかった。

 強い人だ。強くて気高くて、きっと優しい。こういう人になりたかった。こういう人でありたかった。なのに、現実の自分は馬鹿みたいにぼろぼろ泣くばかりだ。

 戦争で辛い思いをしたのは私じゃない。悲しみも、憤りさえ遠かった。みんな無事で、一日一日が終わればよかっただけの、浅はかな人間なのだ。前線にいたくせに、実際戦う皆を見ていたくせに、当たり前のことに考えが及ばない、考えようとも思わない人間だ。

 そんな私に、恩なんて言葉を与えてくれる人がいた。そんな穏やかな目で、恩人だと言ってくれる人がいるなんて、考えたこともなかったのに。

「快活、元気。大変宜しい。わたくしは好きです。ですが、何時如何なる時もそうである必要などないのです。貴女はもっと、負の感情を人前で見せるべきです。大人であるばっかりに周囲も言い出しにくいのが難点です。八つ当たり、情緒不安定、大いに結構。騎士ホーネルトにもっと曝け出せば宜しい。ガルディグアルディアも貴女を案じておりました」

 一瞬何を言われているか分からなくて、一拍空く。脳内でリリィがこてりと首を傾けた。可愛い。

「リ、リリィ!?」

「貴女への文とわたくしへの文がありました。言語への本格的な手解きは、貴女が生活に慣れてからと思っていたそうです。こちらも慣れてからと考えていたそうですが、『カズキはいつでも元気だけど、いつでも元気でいようとも思っているみたいだから、無理していたら止めてほしい』と、ありました」

 リリィがそんなことを考えていたなんて知らなかった。



 だって、困るじゃないか。私だって分からないのに、どうしてこんなことになんて泣きついても、みんな困るだろう。それに、一回崩れてしまったら立てなくなる。……今日、ちょっと崩れたけど。


 泣いて喚いて、どうしてと、何でこんなことにと周囲に当たり散らしてもきっと楽にはならない。自己嫌悪に死にたくなるだけだ。この世界が悪いとここの人達に八つ当たりするには、いい人に出会い過ぎた。みんな泣きたくなるほどいい人で、笑っていてほしい大好きな人達だ。

 つらい、苦しい、悲しい、寂しい。そんなことを言っても、皆を悲しませる。皆の所為じゃないのに、優しい人達だから、とても苦しむ。

 私も、充分すぎるほど良くしてもらっているのに、それじゃ足りないと泣き喚けるほど子どもじゃない。

 楽しいほうが好きだ。悲しいより嬉しいほうが好きなんだ。自分だけじゃなくて、みんなにも、悲しい顔じゃなくて笑っていてほしい。皆に悲しい顔をさせる理由が自分だなんて嫌だ。

「負の感情は、四六時中では滅入りますし、親しくない人間からだと鬱陶しいでしょう。ですが、貴女と親しい人間、あるいは親しくなりたいと願う人間からすると、ご褒美と成り得る場合もある、というのは、夫の言ですが」

 身体の前で合わされた手が、少し動いている。ちょっと恥ずかしそうに見えるのは、もしかして、その相手はエレオノーラさんだったのだろうか。

「話を聞くに、状況の変化が激しく、心構えをする間も、しっかりと向かい合う時間もなかったでしょうが、少なくとも騎士ホーネルトとはきちんと話をするべきでしょう。あの様子では今日も来るはずです。場は設けますので、話をしなさい。空いた時間はなあなあで埋められるものではありませんよ。失いたくないのなら覚悟を決めなさい」

 ルーナと、ちゃんと話をする。

 当たり前だ。しなければならないと思っている。けれど、怖いのも事実だ。変化する事態を走り抜けるのに必死で、まともに向かい合ってない。私は、十年を背負える人間だろうか。

「貴女にこれ以上何かを背負わせたくはありませんでしたが、我が家の事情は遅かれ早かれ気づいたでしょう。理由もなく匿われるのも気持ちが悪いと思いましたので、早急だとも思いましたが話させてもらいました」

 いろんなことがぐちゃぐちゃ頭の中を走っている。

 子どもみたいにしゃくり上げが止まらない。せめて涙だけでも止めようと、袖口で無理やり擦って押さえつけていた私の手が掴まれる。

「一つ問うておきたいのですが、これから我が家に滞在される際、わたくしにどういった対応をお求めでしょう。仕えろと仰るならそうしましょう。身内のようにと言うならそうします。それによって、今から態度が激変します」

「げ、げきへん!」

「今一意味を理解できていない気がしますが、劇的に変化という意味です」

 間は、間はないんですか。中間大好きです。

 ちょっと待ってみたけれど、中間の選択肢は現れない。

「み、身内ぞ、望む、ぞり」

「いいのですね?」

「う!」

 念を押されると怯んでしまう。でも、大丈夫だ、と思う。きっと、恐らく、願わくば。

「は、はいじょろり……」

 恐る恐る頷くと、エレオノーラさんはすぅっと大きく息を吸い込んだ。反射的に私の姿勢も正される。

「語尾が不安だからと奇怪語で誤魔化さない! 間違えるなら堂々と間違えなさい!」

「うはい!」

 至近距離だと肌がびりびりと震える。まさか、街までこの声が届いていないと願いたい。

「恐らく、近日中には王城に召喚されるでしょう! よって! 本日より貴女の教育を開始します!」

「はい!」

「よい返事です! 知識や歴史を叩きこむ時間はありません! 何より優先されるのは、その滅茶苦茶な言語力です! せっかく娼館という女性らしい話し方を学ぶ絶好の場所にいたというのに、何ですかその体たらくは!」

「面目次第もごじょりません!」

 もっともだ!

 女の子らしい話し方がちょっと恥ずかしいとか、こっそり思っている場合ではなかった。

「身体も少し鍛えたほうがいいでしょう! 剣を仕込む時間はありませんので、動けるよう身体を慣らします! では、屋敷まで駆け足!」

「足――!?」

 踵を返したと思ったら、あっという間に走り去るエレオノーラさんの後を慌てて追いかける。早い。山道に近い道を、下りとはいえ滑るように走っていく。でも、私だって娼館であっちに走り、こっちに走りと走り回っていた。大丈夫だ、追いつける、たぶん!



 かろうじて見失わずに済んだ背中に追い縋るように走り寄る。

「良い走りです! まったく身体を使っていない訳でも、使い方を知らない訳でもないようで安心しました!」

「あ、ありがとうごじょります!」

「尚、一つ言い忘れておりましたが!」

「はっ!」

「その珍妙な言語、わたくしが可愛いと思った箇所は訂正しませんのでそのつもりで!」

「にょろぉおおおお!?」

 



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