第3章 追憶
今、俺はもの凄い後悔をしていた
なぜ俺はあんな行為に走ってしまったのだろうか…
もしもわかっていたのならば絶対にしなかったのに。
「…」
もう結界とかなくなってるのに大声で「俺は神だ!!!」と夜に叫ぶってどうなん?
気づいたのは、脳内に以上に分泌されて興奮状態が冷めたはじめたあとだった
見回せば人が通っており、俺を中心になんだなんだと人が群がっていたのだ
すんげぇ恥ずかしい、たまに俺見かける人ヒソヒソとなんかいってるもん。
夜でよく顔が見えなくたって、その日に俺は神だ!なんて大声でいうやつなんて二人といまい、っちゅーことは、事実俺がいったことだとクラス中に広まってるわけでありまして…
「ああああああ恥ずかしいいいい!!!!」
「大丈夫だ、お前の存在自体が恥ずかしいから、ついでに昨日叫んでるやつ
がいたらしいんだけどな、お前誰だと思う?」
「フフ、そうそう!昨日夜に神だって夜中に騒いだ人がいるんだって~、アハハハ、一体ダレダローネー?」
さも楽しそうにこちらの様子を伺いながら言ってくる、
顔からわかる、明らかなにからかっている。
「おまえらぁあああ!わかっていってるよな!確信犯だよな!?」
「…そこの君たち…また説教が聞きたいのかね?」
「「「すいません」」」
岡本が段々と高くなっていく喋り声に耐えられなくなったのか、怖いことをいってくる。
今は授業の真っ只中。
力を使った副作用なのかせっかくの土日は全身筋肉痛で横たわってシクシクと泣いていた。眠気は恥ずかしさで飛ぶくらいだから、副作用だったとしても大したことはないだろう、神の力を使いきり、力は跡形も残っておらず、何も変わっていない。
いや、神になった俺は『僕』か『俺』へと、なぜか口調だけが変わっていた。
「いやー、この前に説教はえらくきつかったよなー、もうけっこー立つんだぜ?まだ岡本先生機嫌悪いみたいだし…俺らそんなに悪いことしたっけかぁ?」
コソコソと俺に涼宮が話しかけてくる。
「…腐るほどあるわな…でも機嫌よくなるまではしばらく大人しくしとこーぜ、また説教なんぞ食らいたくないわ」
「授業中に大声で妄想話を語るやつが教え子にいたら誰だって気分悪くなるよ。」
「…」
何も言わないことにした、またあのスベシャル授業☆なんて受けたら発狂してしまう…背筋にヒヤリと冷たい汗が伝った。
「…お前、ここ最近、なんか変わったよな」
涼宮が眉間しわを寄せながら様子を伺ってきた。
「っふ…俺は生まれかわったのさ、もうあの時の俺ではないッ!!!!」
俺はかっこよく決めポーズを取りながら答えてみた。
そう…あの出来事から俺は神になってしまったからな!
…たぶん、うん、きっとそう。俺は神なんだ!これは妄想なんかじゃない!
「ふぅーん………たしかに妄想を授業中に考えてるくらいだしねー、前より頭悪くはなってそーだな!」
……妄想なんかじゃないと思ってた瞬間にこれだ。
「ハッハッハー!しつけーよ!何回目だと思ってんだこのやらああ!やるかこら?」
いくら温厚な俺でもさすがに我慢の限界だ。
「なにげに聞こえるように声大きめ&耳もとでいってくるとはいい度胸だなこら?ぁあ?」
こいつは思い切り俺の神経をさかなでるのが得意なようだ。
「お前口調変わっただけでなにもかわってねーーじゃん!」
失礼な!変わったさ!うん!口調!あと…!なにもねぇ!!!!くそがぁ!!
どう反論するか考えていると、有紀が裾を引っ張ってきた。
「ああ?どうした?」
「ねぇ…?授業中ってこと忘れてない…?」
「「あ」」
すっかりと忘れていた。涼宮も同じようだ。
思わず漏れた声とともに、ビキリと嫌な音が後ろから聞こえた。
ような気がした。
音のした方を恐る恐る振り返ると、額に青筋を浮かべながら笑顔な岡本がいた。
「おい・・・お前ら赤に点って感じをつなぎ合わせた言葉って好きか?」
「いやーーーーーーー、勉強って大事だよね鈴宮君!」
「おうよ!さあこれから忙しくなるぞ!中神君!」
なんとかご機嫌とって危機回避作戦!
「「「「「「「「……………………」」」」」」」」」」
有紀(生徒)&先生の視線が痛い。
岡本の様子というと、まるで殴るのを堪えてるように、震える右手は力強く握り締められていた。
火に油を注ぐ発言となったようだ。
「お前ら…また説教な?」
「「いやだああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」」