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ミノリ ―疑惑―
――理解できなかった。
痛いほど、ハルカの優しさは解る。でもそれは、ただただ困惑するだけだ。そこまで優しくされる理由なんてなかったから。どういう意図で優しくしてくれるのかが解らない。
しかしよくよく考えてみれば、思い当たる節はあった。
――一度だけ、子供の時に泣きついたことがあるのだ。小さな痣があるその腕で、抱きついた。それは見られてはいないけど、たぶんバレている。それしか思いつかない。
ハルカは、気づいている――。
なにも言ってこないのは、やはり彼の優しさからだ。
なにも聞かないなら、オレは気づかない振りをする。そうしなければ負い目を感じてしまい、普通に付き合えないから。 ごめんな。オレはハルカに甘えてばかりいる。