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chapterⅠ † 昔憧れた人

初の3000文字越しです!!!


今回のだけで3回は小分けできたのに…

サブタイトルを考えるのが面倒だから少なくしようとか思ってないですよッ!


ただこの話は長く書いてみようかと思っただけです。。。

今回だってね?

サブのつけようがないではないじゃん!!!

美咲。何を読んでるの?

『科学と魔法』のお話ね。美咲にとってその話は難しいわね。ん~私が簡単に教えてあげるわ!

科学派はね、科学者とか、科学に興味があったりする人たちが集まるところなの。科学領土ってゆうのよ。

それに対して、魔法派は魔道士や、魔法が好きな人が集まるところなのよ。

アニマル派は対立してないんだけど、動物さんとのハーフの人が居るのよ。

科学も魔法も素敵なんだけど、素直になれないのかな?

魔法派も科学派も認め合ってないの。



どこに行ってしまったの? お母様。

どうしたらいいの? お母さん。

科学派に興味があって、でも科学派に行ってはいけない私の立場。

魔法は嫌いではないんですよ。でも科学も魔法も両方好きで…

魔法派の人々に話したら追い出されて、

科学派の人たちには殺されそうになって…



どうしたらいいんですか―――?



















「ん…」


 近くで物音がし、だるい体を強引に起こす。

 目を開けると三人の人影が目に映る。それと同時に、頭に激痛が走る。そうだ、投げ飛ばされて…その後どうなったんだっけ?


「あ、起きてた」

「んなのしらねぇよ! 俺の飯返せ!」

「黙れッ!」

「ぐふっ」


 見知らぬ少女が騒いでいる少年を力で黙らせていた。あの咽てる人は、この前の不良…。と、爽やかそうな子。それに初めて見た髪の長い女の子。

 視点の合わなかった風景が、少しずつ合って来て、同時に知らない場所が視界に写る。


「どこ、だ……ここ」

「ここは科学領土。未来が運んで来たんだってさ」

「か、がく、りょ、ど?」


 どこ? 科学領土――?

 魔法領土じゃない。科学領土は、科学派が集まるところ――…

 なんで私ここにいるの? もっとも来てはいけない場所だと言うのに。


「魔法派の貴方が来てはいけないところです。直ちに立ち去ってください」


 扉からもう幼い少女が入ってくる。瑠璃色の長い髪を一つに束ね、表情を全く変えずに言う。感情がわからない。でもどこかで見たことある気がする。

 確か、魔法派の城の中で。


「サーラ・ウィンストン?」


 小さな物音がして、のどが圧迫された。瑠璃色の子が私の首を締め付ける。それは肯定のように思えた。

 サーラ・ウィンストン。魔法派の薬剤師。そしてここは科学派。


「出て行け」


 鋭い目つきで私を睨む。やっぱりサーラ・ウィンストンだ。絵画で見た。けれど少し小さい感じがする。


「やっぱりサーラさんだ。こんなところで会えるなんて、光栄だな」

「その光栄な気持ちのまま地獄に落とすぞ、赤髪」


 さっきまではあんなに死にたくなかったのに、今は死んでもいいや。もともと人に殺されるんじゃなくて、自殺したかっただけだし。サーラ・ウィンストンに殺されるならいい。


「ちょっとサラ! この人は歩夢・・のせいで怪我したの! 首しめんなっ」

「俺じゃねーよ!つーか俺のモンブラン返せよ、叶恋!」


 あの顔で、モンブラン? いかにも不良ですっていってそうだけど…。

 すっとのどをしめつけていたものが消える。サーラさんが手を離し、部屋から出て行った。


「せめて怪我が治るまではね…」

「お前が負わせたんだよ!」


 それよりもなんで魔法派の薬剤師がここに?ああ、どこに行くんだろう。

 叶恋かれんさんの横を走って通り過ぎ、サーラさんの後を追う。どこに行ったのかな。そこまで遠くには行ってないよね。

 廊下は長くて、扉がたくさんあった。部屋に入ってたらわかんないけど、廊下のほうにいるかな。走りながら探してみる。あっいた。


「サーラさん!」


 明らかに嫌そうな顔をして、逃げた。しかも全力疾走。


「えっ待って! なんで逃げるんですか!?」


 逃げ出したサーラさんの後を追う。曲がってばっかりいて、追いかけずらい。しかも早い。

 距離がだんだん縮まったところでまた角を曲がった。誰かとぶつかって、これ以上追いかけられなくなったけど。


「暴れないでね、本当に」

「あ、すみません。えっと……きゃっ」


 ぐいっと抱き寄せられて、転びそうになった。そして私のすぐ背中で矢が通った。あれ、今のなんだった?やっぱり矢だよね?サーラさんが仕掛けたのかな?


「ありがとうございました。えっと、未来さん?」

「どういたしまして。それで君はどうして走りまわってたのかな」


 どうやら名前はあってたらしい。自然に離れたら次は肩を抱かれる。そしてそのまま歩かれて、歩きにくいけど一緒に行くしかない。


「サーラさんにお話を聞こうと思って。あの人ずっと科学派にいるんですか」

「サーラじゃないよ。サラね。伸ばさないの」

「あっはい。ってこれどこに向かってるんですか」

「えっ俺の部屋だけど?」


 笑顔が眩しいな。じゃなくて、なぜに? サーラさんは?


「ってなにをしてるんだよっ」

「いたっ」


 見上げると未来さんが叶恋さん(?)に叩かれている。その拍子に手が離れて開放された。


「何連れて行こうとしてんのよっ! 彼女いるでしょ、彼女!」

「俺は純粋にサラの元に連れて行こうとしたんだよ?」

「ウソ言うなっ! ほらサラは多分こっちにいるから」


 次は叶恋さんに手を引かれてどこかに連れて行かれる。なんか、みなさんすみません。










 

 木目のテーブルの向かい側にはサーラさん。そしてその前には私。かなり不機嫌に座ってる。あのあと、不良さんの歩夢さんが連れてきたらしい。

 ああ、やっと話せるんだ。夢見たい。


「何かお話でも?」

「私、世界監獄兼魔道士の早乙女美咲って言います。ミラです」


 漢字ばっかりで難しいから解説。世界監獄っていう場所に働いている魔道士ってこと。名前が二つ有るのはこの世界の常識。本当はミラのほうは名乗らないけど。


「監獄って、随分すごいところにいるね……」

「今は補助要員として入ってます」


 本当は戦闘要員だけど、今は使い物にならないから補助に入った。って私の話じゃなくてサーラさんの話を。


「サーラさんは、どうしてここにいるんですか」

「……………………個人の自由でしょう。あなたには関係ないです」

「私、サーラさんのこと尊敬してるんです! 会ってお話を聞きたいと思ってたんです、昔から。むかし、から……?」


 あれ、おかしい。なんで私は年下のことを昔から知ってるの?見るからに10歳くらいの子のことを昔から知れるの?

 まって、絵画のサーラさんはもっと大人で。あれ、サーラ・ウィンストンってもう……。

 遠くでがちゃりと扉が開く音がしてサーラさんが立ち上がる。


みなと様!」


 聞いたことのある名前に反応してしまう。でも、ここは科学領土で湊が居て当たり前だということは分かる。立ち上がったサーラさんが音のするほうに走っていった。

 湊とはもう何年も会ってない。それどころか連絡もとってない。どうしよう。


「魔道士が来ていますが、どうされますか?」


 見えないところで二人の会話が聞こえる。「名前は?」と言ったところで、扉が開かれる。やっぱりこの声、私の知ってる湊だ。

 入って来たのは真っ黒の髪をした少年。私の顔を見ると同時に表情を曇らせる。


「お前……生きてたのか。動物に食われたかと思ってた」


 魔法派と科学派とは別にもう一つ領土がある。それがアニマル派。動物達の集まり。興味があるからと言って入れるわけではない。まず第一条件は動物とのハーフであること。そうじゃなくても、入るにはアニマル派の領主に首筋を口付けられないといけない。


「なんの用だ」

「別に……私は話を聞いてたの」

「そうか」


 出された水がコップに水滴となって滑り落ちる。長い長い沈黙。どうしよう。まともに話せない。

 静か過ぎる部屋でバリバリ何かを食べる音だけが聞こえる。そんな中湊が口を開いた。


「歩夢」

「おう!」

「こいつを部屋に閉じ込めとけ」

「任せとけ!」


 湊に話しかけられるまで、バリバリ音を鳴らしながら食べていた歩夢さんは、最近恒例になって来たのか、担ぎ上げられる。毎回のようにやられておなかが痛い?


「え、高ッ!」


 爽やかな彼に担ぎ上げられていた時とは高さが違う。前回とは全く違う高さに落ちてしまう恐怖感が身体中に湧き上がる。そのため反抗したら堕ちる。


「下ろして! 閉じ込められたら…」

「不自由にはさせねぇって。多分」


 こうして私の抵抗もむなしくどこかの部屋に閉じ込められた。

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