表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/30

リリース日

第一話

 俺の名前は三島健(みしまたけし)、高校二年生だ。

まあ、世間一般的に陰キャと呼ばれる部類ではあるものの、他人の目を気にせず自分の趣味に没頭できてて何不自由のない生活を送れていると思っている。

そしてその、趣味のことだが、それはゲーム作りだ。

実は、小学生のころから父親のPCに触れており、その影響でゲームにはまり、そのまま作ることにもはまってしまったのだ。

今では趣味の範疇を超えて、自作ゲームを配信・販売もしていたする。

なんて自己紹介はさておき、今日はその大事なゲームのリリース日。

この後チャイムが鳴ったら下校して、予告時間通りに配信するだけだ。


キーンコーンカーンコーン


「さようなら」


クラス中に別れの挨拶が響く。

クラスメイト達は一緒に帰ろうだの、帰ったら何しようだの話し合っているが、俺にはそんな友達も時間もない。


(今回のゲームには相当力を入れたんだ!!舞台は剣と魔法の王道ファンタジー。広告にも技術面にも相当時間と金をかけた。絶対に売れるぞ!!いや売れてくれ頼む!!!)


なんてことを考えながら、らんらんと廊下を進む。

ゲームの内容はこうだ。

プレイヤーは自分だけのダンジョンを作り、押し入ってくる侵入者たちを撃退するというものだ。

メインコンテンツのほかにもオンライン対戦で野良プレイヤーのダンジョンを攻略できたり、独自性を生むために、乱数システムと自作AIによるオリジナルスキル・イベントの習得・発生も加えてある。

はっきり言って過去最高傑作だ。

多くはないが、長年俺を支えてくれて来たファンたちも待っていてくれてる。

だから、なにごともなく、家に帰ってゲームを公開したかったのだが──。


死んだ。


え、急に?!と思うかもしれないが、それはこっちのセリフだ。

理由はシンプルで、階段を転げ落ちたからだ。

浮かれて、足元をよく見ていなかったとだけ言い訳をしておこう。

まあ、死んだとは言ってもまだ意識は残っている。

本能的にもう助からないと理解しているから、死んだと表現したのだ。


(あーあ。なんでこうなるかな。)


死の瀬戸際に、俺は自分の作ったゲーム皆に公開したかったなと思った。

むしろ悔いはそれしかない。

俺の生きがいであったゲーム作り、その最後の工程を終えれずにこの世を去ることになるなんて......。


(みんなに.....見せたかった...な.....)


この言葉を最後に、俺の意識は深く深く沈んでいったのだった。

いいねとブックマークお願いします!

コメントもお待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ