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4王物語  作者: 斉藤
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第一節「名を正す者が、国を動かす」

第三章:反乱と粛清

第一節「名を正す者が、国を動かす」


アーマイア・コアの大講堂。

王座の上に、新たな王が立った。

満木翔璃ではない。

だが、誰もそれを指摘しない。


壇上には一枚の書状。

その上に、王が朗々と宣言する。


「本日をもって、我が国家はその名を改める」

「以後、この国は──トーカイハットウミ王国と称する」


ざわめきが広がる。だが、誰も反論はできない。

依柊は、静かにその意味を続ける。


「“トーカイ”は東の海。“ハットウミ”は発と海。

我々が地を治め、海へと広がり、知をもって法を発する国家であることの証」


「武で得た地を、法と理で治める。

これが、翔璃陛下より引き継いだ我が使命だ。」


その声は冷静で、揺るぎなかった。


一部の武将が眉をひそめる。


「王国?帝国じゃないのか……?」


「名前を変えたところで、誰が支配者かは……」


だが彼らもまた、依柊の“次の一手”を知らなかった。

第二節「名を変えるのは、意味を変えること」


依柊は数日後、全軍の階級名を一新。

従来の「将軍・団長・砲兵長」など軍事的肩書を、

すべて「行政指揮官・管区責任者・補給庁担当」へと変更した。


「戦争の時代は終わった」

「今必要なのは、“運営者”だ」


国家は、軍事から政治へ。

支配から統治へ。

野心の国から、構造の国へ。

第三節「旧名を語る者に死を」


そして密かに、各地で「滿木翔璃陛下万歳」と叫んだ者が逮捕されはじめた。


裁判なし。口封じ。

しかし依柊は公には手を汚さない。


すべては匿名の密告と、影の監視者たちの手によって行われる。


「旧き王を恋うるのは、過去を引きずる者だ。

我々は“未来に生きる国”として再構成されねばならない。」


トーカイハットウミ王国の名のもと、

依柊は歴史を書き換え始めた。

この改名の意図(世界観構築の裏)


「満木翔璃の帝国」は表向きに解体された=過去の戦争国家を終わらせた象徴


「トーカイハットウミ王国」は、未来志向・秩序主義・構造改革の国家


国名に“海”を入れたのは、領土拡大ではなく「貿易国家化」への伏線

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