テレーシアが怖い 0
次話は8時頃に投稿します
「テレーシア様が怖いの」
放課後。居残りながらあれこれしていると、外はすっかり暗くなってしまった。そんないつもより遅い帰宅となった、私を待ち受けていた第一声がそれである。
肩越しに振り返ると、この寮に身を置くヴィオラの姿。そして私の肩を掴んでいるのは、メイであった。
ヴィオラは貴族であり、メイは大商会の娘である。私やテレーシアとは違い、学園の高等部へそのまま進学した特待生でもある。
ヴィオラはすらっと背が高く、武家の娘に恥じぬ体つきをしている。それはガタイがいいのではなく、剣術を嗜むゆえの肉の付き方。胸を張るその姿は凛々しく映るほどだ。
メイは淑女というよりも、運動部で同性から人気が出そうな、カッコイイ女の子だ。短い赤毛を切りそろえ、活発なその様は自称情報屋に恥じぬ、そこらを走り回ってそうな引き締まり方をしている。
二人共、どちらかと言えばキャーキャー言う方ではなく、キャーキャー言われる側だ。
各々自立心も強く、周りに流されるタイプではない。自分の意見をハッキリと口にする、女の子が憧れる女の子だ。
それが、揃って肩を震わせ目を濡らしながら言うのだ。
テレーシア様が怖いの、と。
何のことかもわからないまま、私は部屋に戻ることも許されず、憩いの場へと連行された。
そして彼女たちの口から今日体験した、恐怖の物語を聞かされたのだ。




