転生し、平和な日をおくる
どうもみなさん。フランロール3歳です!
あれから、私が女の子だとわかり、一人称が私になるように頭の中で自分の事を指すときも、私になるように心がけました。
いや〜、女の子になってたと気づいたときはギャン泣きしちゃたな。ごめんねお母様。
まず、ここは前世とはまた別の世界で、スキルの数とそのスキルの価値とスキルLvで、地位が決まるような世界でした。
前世は、本人のレベルとステータスも引き継ぐようにしたがこの世界にはそれ自体が無いらしい。
そして、ステータス表見ても映るのはスキルだけで、レベルとステータスは無い。
ステータス表は今はこんな感じ。
名前 フランロール・アビルノ・シューゲイト
スキル 《言語理解》《状態異常無効》《スキル創造》
《物理・魔法被ダメージ9割減》《物理・魔法ダメージ9割増》
《火魔法Lv10》《水魔法Lv10》《風魔法Lv10》
《無魔法Lv10》《土魔法Lv10》《回復魔法Lv10》
《空間魔法Lv10》《二刀術Lv10》《弓術Lv10》
《暗器術Lv10》
《魔力感知》《気配感知》《鑑定》などの便利スキルとこの世界にステータス値が無いせいで死にスキルとなってる大量のステータス値強化スキル
うん、ざっくりだとこんな感じかな。ステータス値強化系か使えなかったのは悲しいけどそれよりも、《スキル創造》を使おうとしたら、この世界には存在しないから使えないって表示されたんだよね。
他にもいくつか使えなくなったスキルがあるし、この世界に無いスキルは使えないということだろう。
まぁ、こんだけスキルあったら大丈夫だよね。スキルレベルのあるスキルを全て見たけどリセットされてるような物は1つも無いし。
そんなことは置いといて、今住んでいるのは、ラウスハイト王国の北の国境にあるアビルノ領の領主の家である。
領主の父は数年前に魔王を討ち倒したパーティーの一人だとか。それと他のパーティーメンバーもその強さを活かすのも含めて東西南北の国境の領主として働いているとか。
そして、父には妻が二人でエルフの血を少し受け継いでいて、水・火・風・土の四属性のスキルLv10のフロメリと実はソロでSランク冒険者のクラリナである。
とりあえず、思ったことをはっきり言うと、家の親の戦闘力高すぎない? え?何。もしかして残りの南、東、西もこんな感じの戦力高い人達が領主してるの?
けど、そう考えると力引き継いで良かったと素直に思うな。
前世は才能無く努力するしかなかったし、英雄の娘が無能とか言われる可能性があったかもしれないしな。
どうやらまだ合ったことはないが二人の兄もとても強く才能があるらしいし。
そして、私はこの家の長女なのです。(双子だと後から生まれた方を姉とするらしい)最近は、前世と今世のスキルの効果や内容が違ってたりしてたので1つずつ確認しています。
そして次に双子の妹メアリロールこと愛称メリーは元気にスクスクと育っていて毎日一緒にご飯にお風呂に眠たりしてます。もう、毎日が幸せですよ!
最後にクラリナお義母様の娘で一番末の妹のクリアちゃん。今は1歳で、始めて喋った言葉は「たーたま」である。
地味に誰のことを言ったのかわからず、その場に居合わせた家族みんなで、「今のは私をよんだのだ」「いいえ私よ」「何を言ってるの母親の私よ」と争いがあった。
結論から言うとたーたまはメリーがクリアと遊ぶ為に使っていたうさぎのぬいぐるみのことであった。
それがわかった途端、父様と母様達はがっくりしていた。
そんなことを思い出しながら、今はメリーと一緒にベッドの上で遊んでいます。
まだメリーは3歳ですし、こうやってベッドの反発力でトランポリンみたいに跳ねるのが楽しいようです。
楽しそうに寝巻き姿でピョンピョンしていている姿は可愛くて可愛くてたまりませんよ!
流石に私は、一度人生を全うしてきた身なので特にこの遊びに興味はないのだが、妹のおねだりに負けて一緒に跳ねている。
しかも、そのおねだりの言葉が可愛すぎるんですよ!
「おねぇーさま!きょうもあそんでください!」って言うんですよ! 満面の笑みで! 加えて抱きついて顔を近づけながら言ってくるのですよ!
そのおねだりに私は断れるはずもなく、今日も朝からこうやって遊んでいるわけですよ。
それで、跳ねながらこのままメリーに抱きつきにいこうか悩んでいると、《気配感知》でこちらに向かってくる反応が二人分あった。
「メリーもうすぐ朝の支度をするからベッドで飛び跳ねるのは一旦やめましょう、ほらメリアナとメリアルがきちゃうわよ」
と言うと、メリーは頬をプクッと膨らませた後、
「えーやだ! もっとあそぶの! あーそーぶーのー!」
とただを捏ねはじめた。
「二人きりのときはいつでもやってあげるわよ。それに我儘なおさないなら次からやってあげないわよ。ほら、鏡の前に立って」
「む〜 わかった がまんする」
「えぇ。我慢できて偉いわよメリー」
とメリーの頭を撫でると
「えへへ〜」とこちらにメリーが笑顔を見せる。
やばい、可愛い。ホントにメリーは天使だ!
そうやって妹のことを脳内で愛でていると、コンコンと部屋の扉を叩く音が聞こえてきた。
「フロールお嬢様、メリーお嬢様起きておられますか? 朝でございます」
「今日は旦那様がお休みなため、家族揃っての朝食となりますので、早めに支度させてもらいます」
と、二人の声が聞こえて私は「入っていいですわよ」と入室許可をだし、二人が部屋に入ってくる。
「「それではお二人共、まずは今日の服選びから始めしょう」」
と言って、私達のクローゼットから服をスッと取ってきた。
ん?今服を選ぶ時間一秒もかからなかったよね?気のせいかな。
もしかしたら私には考えられないくらいの速さで思考を駆け巡らせて選んだのかもしれない。
そんなことを思ってるうちに立て鏡の前で腕を挙げさせられる。
目の前に写った私は背中辺りまで伸びた黒い髪に黒い瞳のよくある日本人の可愛い女の子って姿をしている。隣のメリーは白髪で銀白の瞳でそれ以外は私そっくりである。そして私達の後ろにメイドの二人も写っている。
後ろの二人は、メリアナとメリアルも双子の姉妹。私達の専属メイドで今年で15になるらしい。見た目の違いは姉のメリアナが腰まで髪があり、妹のメリアル肩までの長さである。髪と瞳はどちらも青色でとてもキレイだなと思う。
みんなの姿を見ているうちに着替えが終わり、鏡台の前に移動し、髪を梳かしてもらう。その間は暇なのでいつも何か会話をする。
そういえば、3年ぐらい前に、お父様が4歳になる時に魔道具で才能なんちゃらを呟いていたわね。もうすぐ私達の誕生日だしそのことでも聞きましょうか。
「そういえば、メリアナ、メリアル、もうすぐ私達の誕生日があるのですが、その時に魔道具で才能をどうやらこうやらみたいなのをきいたのですが」
「えぇそうですよ。確か、今年の誕生日は魔道具でお嬢様達の才能を調べる予定です。5歳からはその才能を伸ばすのに合った家庭教師を雇うそうですよ」
「ちなみに才能を調べるというのは、どの生物も持っているスキルの中で一番伸びやすい物はどれかを知るということです」
なるほど、才能の鑑定か。確かに才能のあるスキルはレベルが上がるのが速い。
5歳から本格的に練習となると10歳になるころには無能なら1〜3レベルのところを4か5レベルまで育て上げることができる。
ちなみに、剣とか槍などの近接戦闘系のスキルはどれほど才能があってもレベル4・5あたりから急に上がらなくなる。それは15歳あたりまではかかる。理由は単純それぐらいの年で身体がやっと出来上がるからである。
また、レベル10にするには更に20年はかかると言われている。
これは、1つだけのスキルを拷問並の練習、修行での話のため、実際は他のスキルレベルを上げたり、そもそもそんなヤバい練習をしないので、もっとかかる。
じゃあ、私は前世でどうやってスキルレベルMAXにしたかって?
空間魔法で、孫○空の修行みたいに時間の流れが早い空間に引きこもったのよ。数千年くらいね。
あれ? 何で私説明みたいなことを考えていた? まぁいいや。
魔道具か…この世界の魔道具はまだランプみたいなやつしか知らないし、楽しみだな。
「さて、準備がおわりましたよ。早く食堂へ移動しましょう すでにご主人様に奥様方もお待ちになられてます」
「そうなの? なら早く行かなきゃ メリー行くわよ」
「あっ、まってください。おねぇーさま!」
そう言いながら私の後ろをトテトテと付いてくる姿に思わず頬が緩む。
さて、久しぶりにお父様が休みの日なのだ。家族団欒といこうじゃないか。