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リバージ大会 4 ソフィーの予選2試合目

私達は待ち合い場所のステージ裏で、アレクスさんとシフィアさんと、決勝トーナメントについての段取り確認を行い、直ぐに試合開始の為に取り掛かった。


私は誕生日をまだ迎えてない4歳児なので、実況席でアレクスさん達が決勝開始の演説をするのを眺めてるだけなんだけどね。


決勝トーナメント予選は、リバージをほぼ知らない私は接戦なのか、圧倒してるのかさえ分からないので、当たり障りのない言葉で誤魔化しながら試合を実況する。


もしこれが一試合ずつだったら、58試合か……流石に無理だな。


一先ず、予選1回目が終わり、残りは30人となった。次は予選2回目だ。


偶然カメラが、ソフィーの試合の映像を映してたので、折角だからどれ程強いか見てみようと、アレクスさんに、ソフィーの試合を映してるドローンの操作権を今私が操ってる内の1つと交換させて貰う。


自分の操ってるドローンは、既にこの試合の実況をすると決めた所に固定浮遊させてるので、急に別のとこにカメラ移動させてはいけないと判断した。


さてさて、ソフィーはいったいどんな戦況かな?


フムフム、角はソフィーが先に1つ取ってるね……ん? っ……!






       ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆




  


「クソッ! クソッ!」

「うるさいですね。口よりも頭と手を動かしてくれませんかね?」


目の前の対戦相手の男は私が角をとって優勢になってからこっちを睨みながら、ずっとこの調子です。


少なくとも私の裏返されることのない駒は13枚はあるので、余程の事がない限りは大丈夫でしょう。


早く指してくれませんかね……暴言を浴びせられるこっちの身にもなって欲しいものです。


数分して、ようやく男が指したので、私は既に決めていた所にコマを置こうとして手が止まる。


「おっと、ガキ、そこは挟めるコマが無いから置けないぞ〜? ルール忘れちまったのか〜? ハハハハ!」

「貴方! 私のコマを移動させたわね! ルール違反で失格よ!」

「ふんっ! 悪いが確かに上に飛んでるドローンで見られてはいるが、腕と頭で死角を作ってるから見えるはずもねーし、そもそも今試合は15箇所で同時に行われてんだ! この試合だけに注目してない限り発覚することはねーんだよ!」

「なっ!」


私は声を漏らしながら、ちらりと実況席を見るが、フローラや、えっと……名前を忘れたけど大人二人もこの状況に気づいてる素振りは見えない。


けど、そこの1枚を動かされたくらいで、私の優勢は揺るがない! こんな奴に負けてたまるものですか!


そう意気込んだのは良いものの、それを何度もやられてはこちらがだんだん劣勢になって行くのは明白で、気づけば、角を相手は3つ取って、おける場所も残り1箇所となった。


私は何度も何度も、その場所に置いても、枚数的に勝てないという現実が嫌で、嫌で涙が出てきた。


こんな男に……こんな卑怯な奴に負けるなんて……嫌だ!


私はこの男がやったのだからと、身をわざと乗りだして、カメラから死角を作り、同じことをしようと手を伸ばした時、額に痛みを感じた。


「こら! ソフィーまでそれしちゃ両方失格になっちゃうでしょうが!」


私は額を擦りながら顔をあげるとそこにはフローラが、立っていた……私の目の前で立っているのだが、その後ろにはあの男が見えないので、まさかと思い、目線を下げると、フローラは男の頭を踏みつけていた。


「えっと……両方てことはもしかしてその男は失格ってこと?」

「そうだよ、ソフィーの試合での不正に気づいて、もしかしたら他の試合でも起きるかもしれないと話し合い、ソフィーの試合はどんな結果になろうとソフィーの勝ちにして、アレクスさん達と残りの14試合を必死にカメラ回しまくって見ていたわけ」

「そっか……それなら良かった……ってフローラも私の変装見抜いてる!?」

「ソフィー……髪の色変えるだけじゃ、簡単にバレるよ……」


フローラの言葉に落ち込みながらションボリすると、フローラは「まぁまぁ」と頭を撫でながら慰めてくれるので、擽ったいなと思いながら頭を手の平に押し付けるようにもっとしてと甘えてみる。


その間、男はフローラに踏まれたままだったけど、お互いに、それに気づくのは数分経ってからであった。


余談だが、その後男は女子に頭を踏んでくれと言い周り、憲兵にお世話になったとかならなかったとか。

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