誕生日 子どもって影響されやすい
翔「先生、テストを受ける部屋どこですか?」
先生「神﨑、お前テスト来週だぞ?」
翔「え? 私今日だって聞いたんですけど?」
先生「今日は1、2年生だけはテストで3年生は来週の日程だ」
翔「(私にテストの日を教えた)先生まさか……」
その先生「てへっ」←マジで、てへっと言ってた
まぁそんな事で今日投稿しました。休むのは来週になりますね。
それと初の戦闘……になってたらいいな。とりあえず初なので温かい目で見守って下さいね。
今後も誤字報告、応援コメント等よろしくお願いします!
シエルさんを人質に取られて私は焦っていた。
今いる場所からシエルさんのいる場所の距離的にどんなに速く移動しても相手がそれに反応できる距離だ。
先にシエルさんの首を斬られかねない。
人命が掛かっているし今は手加減のスキルを切る為にステータスを表示し…
「おい! そこのガキ動くんじゃねぇぞ! お前が何をやろうとしてるか分からないが少なくともコチラにとって良い事じゃねーのは確かだろうしな。地面を手に着いて四つん這いになれ。それとそこのお前とお前はこのガキの上に座れ!」
男が私の行動を警戒して、行動の制限を要求して来た。ステータスを表示できてたらすぐに《手加減》の効果を切ってシエルさんを助けたが、できてないため言う通りにするしかなかった。
私は四つん這いになり、その上に女の子二人が上に座る。
4歳の幼女が、2つ、3つ年上の子に座られて耐えれるはずもなく、私は身体能力強化を使って耐える。
ハッキリ言って現状は最悪だ。魔法をあいつに飛ばすのはできるが当たる前にシエルさんを盾にすることだってできる。
それに、今はこの体勢を維持するのに魔力を消費し続けている。スキルの補正が無い今魔力は回復より消費が上回っているので今すぐにでも解決策を見つけないと本当に打つ手無しになる。
ここまで《並列思考》と《思考加速》のスキルが欲しいと思った事はないな……。
私は必死に思考を巡らす。周りの子どもたちは皆パニックを起こして叫んだり泣いたりしてて何か伝えたりする事も出来ないだろうし、協力も仰げないかな。
今地面に手を着いてるし、土魔法で相手の立ってる所に針を出せるか? 試しに地面に魔力を流そうとしてみたが男のいる方へと魔力を流せず途中で散布してしまう。
基本的に魔力は流したモノ全体に広がろうとするので、今の私だとまともに魔力を制御して動かせないのだ。
これ程までに私はスキルに依存していた事に戸惑ったがそれどころではないので急いで何かないか考える。
あの男にバレないように何か攻撃を仕掛ける方法……方法……。
そこで私はあるモノを見て急いでそれが可能か考える。
スキルが無いからそもそもできる保証は無い。だが、私はそれを使いこなしていた。前世程じゃなくてもできるはずだ。
私はそのモノにバレないようにコッソリ触れて魔力を流す。
土魔法と違い、魔力が散布することが殆ど無いのでアッサリと思い通りに動かす事が出来た。
今の魔力残量は3割くらいだ。魔力は多く残すのに越したことはないのですぐ実行だ。
私は身体能力強化の倍率を上げて、女の子二人を跳ね除ける。一応加減をしたので二人は「「キャッ!」」と声を挙げたがバランスを取り、転ばずに立つ。
「おい! この女がどうなっても良いって事だな? 残念だな。殺さないと思っているのなら大間違いだぜ! 助けられなかった事を一生こうか…」
ザシュ!!
その音と共に男の持っていたナイフと手首から先が落ちた。
「グァァァァァァァ! 痛ぇ! 痛ぇ! このクソガキ何をしやがった!」
男は、土魔法で切断された腕を圧迫させて止血をして、残った左手でナイフを取ろうとする。
が、そのナイフは何かに引っ張られる様に私の元に飛んで行き、私の手に収まる。
そして私はナイフを誰もいない場所へ投げ捨てて、土魔法で手を岩のボクシンググローブみたいにして、男の弱点を殴る。
男は泡を吹いて青い顔をしながら気絶して倒れた。
「ふぅ……。あの男がベラベラと喋っててくれたおかげで攻撃に集中できたな」
そう言いながら私は近くの机に持たれ掛かる。あの攻撃で殆ど魔力を使い切っていて、酷い倦怠感と目眩がする。残り魔力は1割か……。結構ギリギリだったな。
前世の感覚で魔力を使う癖があるから後で直そう。
シエルさんは心配した子どもたちに抱きつかれて一人ひとり頭を撫でて落ち着かせている。
てか、シエルさんあの男の血が掛かって服が赤くなってるのでそこら辺は申し訳ないな……。
それを見ながら私は身体を楽な体勢にしながら見ていることにする。この症状も30分もすればある程度は回復する。魔力は1日は掛かるけどね。
私が近くのイスに腰を掛けようとすると、
「ねぇ? 今のはどうやったの?」
振り向くとそこにはフレイアが涙で目元を腫らしながら質問してきた。
おそらくシエルさんが人質に取られてる時のとその後助かった時に泣いたからだろうなと思いながら答える事にする。
「簡単な事だよ。使ったのはこれさ」
そう言って私は手に持っているものを見せる。
「これって……糸? あ、違う私や皆の髪や毛だ」
「そうさ、これを使って腕を切り落としたり、ナイフを奪ったりしたんだ」
私は床に落ちていた髪と毛を使ってあの男まで到達させた。一本一本は短いが、操糸の良いところは紐同士が結ばれてなくても触れてさえいれば、一本の糸だと判定されるのだ。
なので今床にある毛を操ったら10メートルぐらいにはなると思う。
魔力も一本の管に流す様なものなのであまり散布しなかったのも大きい。
魔力を通しているので、この糸はピアノ線と変わらない強度を誇るので、あの男の手も切り落とせたってことだ。
暗殺に関する武器(主に短刀や投げナイフに糸など)は使い慣れてるのでスキルの補正が無くても十分に扱える。
まぁ、体力とか腕力はこの体依存なので技術と経験ぐらいしか前世と張り合えるモノはないけどね。
そういや、残りの男二人は……あ、子どもたちがサンドバッグにしてる。うん。放置でいいや。
さてと、流石にメリーやメリアルたちに怒られるのは確定だし、心配かけさせないように…バンッ!!
また扉を勢いよく開ける音がして見るとメリーがメリアルに抱き抱えられながら涙目でこちらを見て、
「おねーさま! 大丈夫ですか!? お怪我とかありませんか!?」
メリアルから飛び降りて私に駆け寄って来て……いや待って! 姉特効あるから! 今少なくとも受け身を取れるほどの体力回復してない!
「待ってメリー! 今飛び込まれたら受けきれn、グフォ……あれ? 思ったより衝撃がない……?」
「そんな事より何をしてたんですか!? 場合によってはお仕置きです!」
涙目になりながら頬を膨らませて顔を近づけるメリー。傍から見たら私はカワイイ! とテンションを上げてるが、今回は流石に反省をしないといけない。後悔はしませんけどね!
いや、だってモフモフだよ? モフモフは癒やしなんだよ? 前世でも大好きでしたよ。最初は自重はしてたけど。
「実はかくかくしかじがでして……」
「何を言ってるのかサッパリ分からないので殴ります!」
グフッ……今度は思いっきり痛い……。まさか姉特効のオンオフができるようになったのか? てか、やっぱ漫画じゃないからあれじゃあ伝わらないよな……。しかもなんか既視感あるんだけど気のせいかな?
「分かった普通に言うから、普通に言うからその拳をしまって下さい耐えれません」
そう言うとメリーはスッと拳をしまってくれた。
そしてメリアルもメリーの隣に立ち、無言だが内容によっては説教が長引く感が凄い肌で感じる。しかも笑顔で後ろに般若のスタン○が見えるレベルなんですけど! 威圧だけ掛けるスタ○ドってこんなに怖かったけ!? あ、前世でも同じくらいの感じたことあったわ。
「え……えと…まず獣人の女の子を見つけて……………で今に至ります」
話してる内にメリアナたちも来て、男との戦闘を誤魔化しながら、全て話しました。
男を捕まえた点だけは褒められましたが、勝手な行動と戦闘したこと等は怒られました。
あまり思い出したくないですが、大人の精神を持つ私が泣きじゃくる程でした。グスン……。
その後は、兵の人を読んで連行したり、私が貴族だと明かした途端、皆頭下げて、頭を上げるように説得するのが大変だった。特にフレイアは盗んだのもあったので苦労した。
その後私たちは孤児院を後にして町の散策に戻っていった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
誕生日の後の孤児院の後日談
着服した男どもは犯罪奴隷として他国に売られたと聞いた。まぁアイツらなんてどうなろうが興味無いけど。
孤児院には男どもが渡さなかったお金約2000万円くらいをお父様が謝りながら渡したらしい。いきなりの大金にシエル先生も当惑したそうだ。
それと、私に影響されてか、子どもの間で、戦闘ごっこが流行ってるらしい。そして女子はたいてい男子の弱点を集中的に攻撃するらしい。うん……なんか男子たちごめんね。
後は孤児院の女子数名がシューゲイト家のメイド志願しているそうだ。 志望動機はどの子も恋を実らす為だとか。私ちゃんと女の子だって伝えたはずだけど……これについては考えないでおこう。
フレイアが最近冒険者になって名を馳せていると聞いている。聞く限りだと糸と土魔法と無魔法を使って近接戦闘をしているとか。なんか私の影響受けてる子多くない? しかも女子メインで。
そんなこんなで、孤児院は平和になりました。男子の大事な一部以外は……ね。
ちなみに影の薄い少年の勇者記録が基本当日打筆だから締め切りギリギリだった。という余談




