いつもの日常を過ごす(隠れんぼ妹編)
ひとまずこれで日常隠れんぼ編は終わりです。次からは誕生日の話になる予定です。
まぁ予約投稿なのでほぼ確定ですけどね。
後はブックマーク100件突破記念のつもりで主人公の前世編を途中まで定期更新する予定です。
流石に両立は私が失踪しかねない。こちらの話終わり次第前世編を定期更新にする予定です。
そちらの方もよろしくお願いします。
「もういーかーい!」
「……………」
おねえーさまからの返事はない。ってことは隠れて終わったってことかな?
「よし、クリア! おねえーさまをさがしにいくよ!」
「うん! メリーおねえちゃん」
と言う訳で私達は元気よく書庫を飛び出して、廊下に出る。
う〜ん、何処にいるんだろ。おねえーさまはよく、私の知らないこと沢山知ってるし隠れんぼの時も中々見つからないんだよね。
確か前は、開けたドアの後ろに隠れてたっけ。あの時は悔しかったな……。
けど、今回は秘策がある! 一昨日辺りに気づいたんだけど、目を瞑っておねえーさまの事を考えるとおねえーさまのいる方向が一瞬だけわかるの!
これで、おねえーさまをすぐに見つけて見せるんだから!
「クリア、ちっょとまってね。いまからおねえーさまのいるほうこうしらべるから」
「そーなの? わかった、まつ!」
そして、私は目を瞑りおねえーさまの事を考える。
ん〜と、あ、左にいる。
「クリア! ひだりにいくよ!」
「わかった〜!」
私達は数メートル程歩いて、私はもう一度目を瞑り方向を調べる。ここで後ろに反応があれば通り過ぎていることになる。
ん、後ろに反応があったからここまでの部屋の何処かだね。
ここまでにある部屋は全部で5部屋だし直ぐ見つけれそう。
「クリア、おねえーさまはこの5つのへやのどこかいるみたい」
「そーなの? ならはやくへやにはいろ〜」
そして、私達は1つずつ部屋の扉の前に立ち、その度に私がおねえーさまの方向を感知する。
そして4つ目で反応が私の正面になった。
ここだ! ここにおねえーさまがいる!
「クリアここにおねえーさまがいるみたい。はいるよ」
「わかった!」
私達は勢いよく扉を開け、部屋の中に入る。
部屋には家具がいくつか置いてあり、そこにメリアナがベッドの縁に座っていた。
ここってメリアナの部屋だよね。おねえーさまはここに隠れてるのね。
「さあ、クリアおねえーさまを探すよ!」
「はい!」
私達はクローゼットの中やベッドの下、開けっ放しのドアの後など、隠れれそうな所を見て回ったが見つからなかった。
おねえーさまは一体何処に隠れているんだろう。もう一度おねえーさまのいる方向を確認する。
左側におねえーさまがいることが分かり左を向く。けど、目に見えたのはメリアナとベッドだけ。その先はバルコニーになっている。
試しに、バルコニーに移動してもう一回方向を確認する。すると今度は後ろに反応があり、そこはベッドとメリアナのいるだけだった。
ベッドの下は見たはずなんだけど。
そう思いながらベッドの下を見るけど、おねえーさまはいない。
布団の中にもいなかったし、まさかと思いながら天井を見たけど、もちろんいなかった。
こうなったら何度も使って確実に見つけるしかない。
そして、私は何度も方向を確認して、最終的にメリアナからおねえーさまがいる反応があることが分かった。
………え? おねえーさまいないよ。もしかして私のこのおねえーさま探知は実はメリアナ探知だった?
あ、もしかしておねえーさまメリアナに変装してるのかな?
そう思い、顔をよく見るけどメリアナにしか見えない。
もっと近くで見たほうがいいかな?
そう思い、メリアナの膝に乗った瞬間、「ぐえっ」って声が下から聞こえた。
今のおねえーさまの声だ! それにメリアナのスカートを押すとなんか足じゃないモノを触ってる感触がある。
そして、私は勢いよくメリアナのスカートを捲り上げた。
「きゃっ!」って声が聞こえた気がしたけど私は気にしない。そこにはおねえーさまがいた。
「おねえーさまみーつけた!」
「あら、見つかっちゃた。そう簡単に見つからないとおもったんだけどな」
「だって、わたしおねえーさまのいもうとだもん。おねえーさまのいるところなんてすぐわかるんだから」
「なーに私の真似してるのよ。さて、メリアナありがとね。いい景色だったわ」
「ちょっとフローラ様!」
なんかメリアナが顔を赤くしてるけどよくわかんない。
「それよりおねえーさま、はやくなにかあそぼ!」
「そうだな。そういやクリアは………途中から諦めてベッドで寝てるな。メリアナのベッドなのに」
「じゃあ、ふたりであそぼ! つぎはおにわでかけっこしたい」
「わかった。それじゃ、行こうか」
「うん!」
そうして私達は部屋から出ていった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
視点メリアナ
「それはね…メリアナのスカートの中に隠れるのよ!」
「は?」
ついついそんな声を出してしまった。
「何を言うのですか。貴族の長女である貴方がそんな所に入るなんて」
「けど、メリアナ協力してくれるって言ったじゃん。それに、バレなければいいのよ。バレなければ」
何を言ってるんだこのお嬢様は……。
「たまには、私のワガママの1つや2つ通ってもいいと思うのよ」
「っ…」
フロメリ奥様との会話が頭によぎる……。
中々ワガママを言わないフローラ様からの言葉。それを断るのは……けどフローラが隠れようとしてる場所は……くっ。
結果、私は私室のベッドに座り、その状態の私のスカートの中にフローラ様が入ることになった。
流石に立ちっぱなしはキツイですからね。
それにしてもですね……
「いや〜いい景色ですね。これならメリーが見つけるまで退屈しませんよ。」
この、黒い悪魔を誰かどうにかしてくださいませんか。
フロメリ奥様から悪魔が憑いてはいないけど様子見はした方がいいと聞きましたがホントに悪魔が憑いてないのですかね?
お願いです、メリー様、クリア様。早くこの悪魔をどうか見つけて下さい。
もう殺意が沸いてきてしまいます。このままだとフローラ様の首を足技で折りかねません。
そう思っていると、メリー様達が入ってきた。
その姿は今の私にとっては救いの天使と言わんばかりのものだったのは、間違いないですね。
けどメリー様、思いっきりスカートを捲りあげるのはやめて下れませんかね?
「とりあえず、それがメリー様に見つけて貰うまでの出来事よ」
「姉さん、それは少し同情するわ。もし、私がフローラ様の専属メイドだったらされてたのは私だし」
そうよね。ホントフローラ様の考えてることはわからない。まぁそれでも仕えることを辞めるつもりなんて更々ないけどね。
「さぁ、フローラ様達の所に行くわよ。メリー様が転んだりしたら大変だし」
「そこでフローラ様の転ぶ可能性を入れないのが姉さんらしいですね」
「そう? 今までフローラ様転んだところ見たこと無いからついそう言ってしまったのかしら。ほら、早く行くわよ」
そして、私達も部屋を後にした。
凄くクリアのセリフ少ないけど今クリア2歳ですし、これくらいかなと思うんですよね。
そういや、ここまで読んで下さった読者の中でフローラ様の隠れ先予想ついてた人どれくらいいたんだろ……まぁいいや。




