この異世界にも駄メイドと美少女スリがいるようです
ほっほっほっ…
やあみんな ワシじゃよワシ
ん?誰かって?ほっほっ 前のでも読んでおくれ
まっ そんなことはどうでもいいんじゃ
ほれ あの勇者は魔王を一撃で倒してしまったのぉ
…もう少し強くすれば良かったかのぉ
まあ ここであの者のやることを見てるのも悪くない
ほれ お主もこっちに来て一緒に見ようぞ
ガイルとの約束の三日目
またあの街【ドルフ】にメイドのミリアと商売をしにやってきたのだが…
「はえぇぇ…少々お待ちくださいぃぃ!」
…失敗だ こいつを連れてきたのは間違いだった
仕事が効率よくなる何て考えた俺がバカだった
「すいません!本当にすいません!」
なにをやらせても焦りすぎて仕事をするどころか仕事を増やしてやがる
「だぁぁ!もういい!お前は接客に専念しろ!」
「はいぃぃ!すいません!」
こんなんで大丈夫なのかよ…
「ふぅ~やっと終わったなぁ」
「ふぇぇ すいませんすいません」
「わかったから泣くな!ほら荷物まとめろ!今日はここで終わりだ!」
「うう…わかりました」
今日は日が傾き始めた頃に帰ることにした
なんとなくその方がいい気がしたのだ
「旦那様ー まとめ終わりました!」
「おう わかった じゃあ早く馬車に乗れ」
そして俺たちはドルフの街を後にして
自分たちの街【フィーラ】に戻った
…のだが
街は魔物に襲われていた
人々は魔物から逃げながら教会や城に避難している
「何がおきてるんだ…」
「旦那様!まずは屋敷へ!」
「いや ミリアお前が屋敷へ行け!そして屋敷に人々を避難させろ!宿屋に泊まっている人もだ!」
「旦那様は!?」
「俺は魔物を倒す そして街を守る」
「危険です!」
「俺は 商人じゃなくて勇者なんだよ やらなきゃいけないんだ」
「旦那様…」
「頼むぞミリア」
そう言って俺は魔物のいるほうに走った
(前の世界ならこんな格好いいことも言えなかっただろうなぁ)
魔物は思った以上の数がいたが
これも勇者の力なんだろう
そこら辺に落ちていた剣をひろい敵を切りつけると一撃で敵が死んでいきすぐに死体の山が作られる
だが魔物たちは知能がないのか恐怖という感情がないのか
どんなに味方が殺されても襲いかかってくる勢いが弱まらない
「ちっ!キリがねぇ!」
少し腹が立った
「オルァア!てめぇら邪魔くせぇんだよぉ!」
叫びながら剣に焔を纏わせて敵の群れに
向かって縦に振った
すると敵達は巨大な剣で切られたように
体が二等分され、さらに燃えて火ダルマのようになっている
「おう…我ながら凄いことをやったな…」
だが眺めている暇はない
すぐに俺は次の敵の群れに向かって走り出した
事態は意外と早く鎮まった
魔物を召喚していた魔導師を見つけ
問答無用で切り捨て
残った残党を始末した
そのあとに王さまに呼ばれて凄い感謝されてなんかお礼もらって魔物騒動は終わった
もちろん家に帰ったときは凄い心配された
「旦那様!お怪我は!?大丈夫ですか!?」
メイドや使用人全員がこんな風に聞いてきた
…少々ウザかったと思ったのは秘密だ
そして、魔物によって壊された家や店を俺は一瞬で直した
もちろん魔法の力だ
(あー向こうの世界でも魔法あったらなぁ…)
メイド達の話によると魔力は使いすぎると意識を失うらしいが 勇者だからなのか意識を失ったことはおろかダルさを感じたことすらない
(なんかズルしてるみたいだよなぁ)
魔法を使う度に不思議な気分になる
まあ便利だからいいんだけど…
そして魔物騒動から早くも1ヶ月ほどたった
この1ヶ月はドルフの街と道具や武具の生成、調味料(味噌等)の生成に時間を費やした
そして今日俺は数人のメイドを連れて買い出しに来ていた
フィーラの街は以前と変わらない活気に溢れていた
一人のメイドが
「街に影響が出なくて良かったですね」
「まあ 魔法で全部元通りにしたからな」
他愛ない話をしながら歩いていると…
体のデカイ男三人が小さい子供を囲んでいた
「おい!てめぇ 俺らの仕事場でやるんじゃねぇよ!」
「これはちょっと教育しないとダメだな」
「やだ!やめて!」
嫌がる子供を
「うるせぇ!こっちにこい!」
男たちが裏路地の様なところに引っ張って連れていってしまった
「おいお前たち 荷物を持って屋敷に戻ってな」
「えっでも…」
「ここは旦那さまの言うことを聞きましょう」
「わ わかりました」
俺の意思を汲み取ってくれたようだ
「さて…勇者の仕事だ」
…本当に勇者の仕事なのか?
「へっへ どうやって教育してやろうか…」
と大柄な男が言うと
「兄貴!焼き土下座なんてどうです!?」
「なんだよ焼き土下座って…」
「いや…やめてください…ごめんなさい…」
子供が泣きながら男たちに言うが
「いやダメだな この埋め合わせはしてもらわないと」
男たちは子供に何かさせる気満々だ
(そろそろ行ったほうがいいな…)
俺は満を持して
「おい なにしてんだ?」
すると一人が
「あぁん?なんだあんたは」
と言ってきたので
「通りすがりの旅商人ってとこだが」
「あんたには関係ねぇよ うせな!」
「そうは行かねぇな 寄ってたかって子供をいじめているのは見逃せねぇよ」
「うるせぇやろうだ!てめぇから始末してやる!」
といきなりナイフを俺に突きだしてきた
すると他の二人も
「ちっ!バカ野郎 俺らも加勢するぞ」
「うっす兄貴!」
とナイフ片手に俺に突っ込んできた
「ったく こうしたくはねぇんだが やるしかねぇか」
俺は突きだされたナイフをかわして水落に一発拳をいれてやった
他の二人も同様に落としてやった
「こんなもんか…おい大丈夫か?」
子供に聞いた
帽子を被っていて表情があまり見えない
見たところ男か女かわからない中性のような顔立ちだった
「あ…ありがとう」
「何でこうなったんだ?」
「そ それは…」
ぐうぅ~
と間の抜けた音がした
「…腹減ってるのか?」
「…うん」
俺は少々悩んだ結果…
「ほら ついてこい 食べたいもん買ってやるよ」
「えっ?」
「腹 減ってるんだろ?そんなやつを無視できるわけねぇだろ?」
「あ ありがとう!」
「はむはむ…」
「美味しいか?」
俺はとりあえず売っていた串焼きなり肉まんのような物をその子に買った
「美味しい…こんな美味しいの初めて!」
「そうか… いつまで帽子かぶってるんだ?その帽子少し大きくて邪魔じゃないか?」
そう言って俺は帽子を取った
「あっ!」
「ん?」
ファサァ~
と長い栗色の髪が腰くらいまで流れた
「女の子なのか?」
「うん…」
「そうか…何であいつらに絡まれてたんだ?」
「ここで 盗みを働いていたんだけど ここはあいつらが盗みを働く仕事場で 目をつけられたから…」
なるほど…つまり分からずに盗みをしてしまって目をつけられたわけか
「はぁ…お前 親は?」
「二人とも 私を捨ててこの街から出ていった…」
見捨てられたわけか…
「…わかった お前の盗みのことは見なかったことにするが」
「えっ?」
「その代わり 俺のところで働いてくれないか?」
「もう 生きるのに盗みをしなくてもいいの…?」
生きるために盗むなんてどんなに辛いことか
「そうだ…しっかり面倒は見てやる どうだ?」
「よ よろしくお願いします!」
「おう そういえば名前をまだ聞いてなかったな」
「名前は シルカです」
「よろしくな シルカ」
これで家の使用人が一人増えたな
「ルナー!いるかー?」
「はい なんですか?」
俺はメイド(メイド長)のリクス・ルナにシルカの面倒や仕事を教えさせようと考えたのだ
「今日からこのシルカをメイドとして育ててくれないか?」
「はあ…何でいきなり…あっ!そういうことですか♪」
「ん?なにがだ?」
「いえいえ なにも♪」
ニヤニヤしながらうなずいている
すると いきなり耳元で
「旦那様のことですから 放っておけなかったんじゃないですか?」
「…はあ お前にはかなわんな」
どうやら バレバレのようだ
「わかりました ではシルカ こっちへ」
「はっ はい!よろしくお願いします!」
「シルカ 頑張れよ?期待してるからな」
俺はそう言ってまたいつもの仕事に取りかかるんだった…