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第九話;がっこう!

時計のアラームが鳴り響く。

僕はベッドから手を伸ばして目覚まし時計のアラームを止めた。

長髪で束ねた髪をかきあげながら僕は起きた。


僕は昨日の夜のことを僕は思い出していた。


(真衣。僕の真衣。)

僕は横たわる真衣をみて。頬にかぶっている髪をそっと指でなぞって、

真衣の顔が良く見えるようにした。

毎日見ている真衣の顔なのに、なぜか凄く優しい顔に見えた。

真衣の唇を見て、僕は寝ている真衣に本気のキスをした。


「真衣、もう朝だよ。」

いつもはこれでは起きない真衣が目を開けた。

「みいなちゃん、おはよう。」

「おはよう、真衣。」


「もう、起きる時間?」

「そうだよ。学校に遅れるぞ。」

真衣は起き上がった。

「あ!ごめん、シーツ汚しちゃった。」

「大丈夫だよ。それより真衣は大丈夫か?」

「私は大丈夫。私は自分で覚悟を決めてやった事だから。みいなちゃんも大丈夫?」

「大丈夫だよ。真衣、僕も自分で決めてやったんだから。ありがとう。」

「みいなちゃん、本当にありがとう。」

僕と真衣は長いキスをした。


「みいなちゃん!真衣ちゃん!早く起きてご飯食べないと遅刻するよ!」

一階から母の怒鳴り声が聞こえる。


「僕達のこの甘い気分をぶち壊したのは母のようだ。」僕が言うと、

真衣は笑った。


僕は一階に下りて顔を洗った。

いつものようにブラシで髪をといて寝癖をなおした。

そして顔を洗って、歯を磨いてから、

鏡に映る自分の顔を見ていた。


二階からお姉ちゃんが降りてきた。

「おはよう、みいなちゃん。後悔は絶対にしてないね。」

「おはよう、お姉ちゃん。後悔は絶対にしてないよ。僕は真衣のこと本気で愛してるから。」

「なら大丈夫だね。おめでとうさん。みいなちゃん。」

「お姉ちゃん。本当にありがとう。」

お姉ちゃんは僕の顔をみてうなずいた。

そして僕の肩にポンと軽く叩いた。


僕は朝ごはんを食べようと食卓に行こうとしたら、真衣が降りてきて廊下ですれ違った。

真衣とすれ違うとき真衣は僕に、にこっと笑顔を見せた。

僕も真衣に笑顔で答えた。

そして真衣が洗面台のほうに向かっていった。


僕が食卓に座り、お姉ちゃんがいつものように僕の横に座った。

朝ごはんを食べている時に真衣が僕の前の席にいつものように座った。

気まずいと言う雰囲気は全く無かった。

逆に真衣と一緒にいる事が僕には凄く幸せに感じた。


真衣は小さな声で「お姉さん、本当にありがとう。」と言った。

お姉ちゃんは真衣を見て、「本当におめでとう。良く頑張ったね。」と答えていた。

真衣はその言葉を聞いて涙をためていた。


僕と真衣は準備をして学校に向かった。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


「学校かぁ。このことが学校にばれたらマジでやばいな・・・。」

「校則に男女の交友についてってあったっけ?」

「校則にあってもなくても夜のことがバレたら非常にまずくない?」

「たしかに・・・。」

「真衣。相沢の誘導尋問には気をつけろよ。」

「気をつけるけど、相沢さんって本当に上手いからなぁ・・・。」


「なにがばれたらまずいって?」


急に後ろから声がして僕と真衣がびっくりして振り返った。

「あいざわ!!!いつの間にそこにいるんじゃ!」

「みいなちゃんと真衣ちゃんの間にいつものように入って挨拶しようとしたら、

 いつもの一人分のスペースが無かったんでな。挨拶できんかった。」

僕と真衣は驚いて離れた。

「言われてから離れるって言うことは・・・。みいなちゃん、真衣ちゃんとなにかあったな?」

「相沢、おまえさ。本当にどこからそういうこと覚えてくんだよ!」

「みいなちゃんが判りやすい行動をとってるだけだろ?」

真衣が僕の顔を見た。

「いや、真衣。絶対に僕のせいじゃないと思うぞ。」


「みいなちゃん、じっくりと聞かせてもらおうか?」

「いやじゃ!お前らに話すとろくな事がおきん!」

「まず普通に考えたら、ついに!みいなちゃんと真衣ちゃんが!と言うことしか考えられんわな。」

真衣の顔が見る見る赤くなっていった。

相沢が真衣の顔を見て言った。

「ほれみろ。確定じゃねえか。」

「真衣・・・。お前な・・・。」


「相沢!頼む!この事は内緒にしてくれ!」

「言わねえよ。そっかついに、みいなちゃんがね。」

「真衣の事は本当に大切にしていきたいって思ってる。」

「いいんじゃないの。お前らは本当に好き同士だったし。」


「えっとね、相沢君。私がみいなちゃんを本気で好きだったの。」

「知ってるよ。真衣ちゃんはみいなちゃんにアタックしまくっていたからな。」

「相沢君ってさ。もしかしてだけど。」

真衣が言いかけたときにそれを止めるように相沢が言った。

「お二人さん、おめでとう。それでよくね?」

「ありがとう。相沢さん。」

真衣がすべてを悟ったように答えた。


「それにしてもさ・・・。」

「どうした?相沢。」

「おまえらもっと展開って言うものを考えろよ!」

「はぁ? 展開ってなんだよ?」


「こういう『学園もの』というものはな。ずーーーっと主役とヒロインがくっつかない。

 そして最後の最後になってくっついておめでとう良かったね!という終わり方をするんだよ!

 始まってまだ9話目だぞ!おまえらもうちょっと作者のことを考えてみぃ!!!」

「意味わかんねえこと言ってるなよ!9話目ってなんだよ!」

「お前らの恋愛をもっと面白可笑しくしようと作者も考えているはずであったのに、

 そこでいきなりこんなに早くくっついておまえらはどうするって言うんだよ。

 これからの展開に心を痛めているであろう福田有季先生に謝れ!」

「何で謝まらねえといけないんだよ!意味わかんねえじゃん!」


「みいな、お前さんよ。よーくかんがえてみ?」

「なんだよ。」

「福田有希先生がな。もし、もしもだよ。ここで一つ問題を起こそうとおもったら、

 自由に設定を変えたらどうする?」

「どうするもこうするもないじゃん。」

「ほう。お前はすべてを受け入れると言うのか?」

「受け入れるも何も無いちゅうとんのじゃ!」

「次の主役はこの相沢誠人になってるかも知れんぞ。」

「どうしろちゅうんじゃ!」

「ちゃんと謝っとけちゅうとんのじゃ!」


「作者の福田有希さん、真衣とこんなに早くくっついてごめんなさい。これでいいんか、相沢。」

「さぁ。それは作者がおもうことやからなぁ。俺は知らん。」

「相沢、てめえな!」

「作者さん、真衣です。みいなちゃんのことが本当に好きです。大好きです。

 私とみいなちゃんは本気で愛し合っています!だから絶対に別れさせないでください。お願いします。」

真衣は心の奥から言った言葉だった。


そして真衣が僕のほうを向いた。

「みいなちゃん、真衣はみいなちゃんのこと本当に愛しています。」

僕は真衣の言葉が本当に嬉しかった。

「真衣・・・。僕も真衣のこと本気で愛してるよ。ありがとう。」


「おぉぉぉぉ!!!!!!」と通学していた学生が大声を上げた。

生徒が次々と急いで学校に行き、

「号外!号外!」と言って学校中を駆け回り、クラスの人の話を聞く者たち。

拡声器で「みいなちゃんがついに初体験!」と大声でしゃべる者。

放送室を乗っ取り、特別ラジオ番組まで始めていた。


「おい。相沢・・・。」

「どうした?みいな。」

「どうしたみいな。じゃねえよ!!!どういうことだよ!」

「おれが何かやったか?真衣ちゃんが告白して、みいなちゃんも告白した。それだけの事だろ?」

「相沢!てめえな!」

「みいな、真衣ちゃん。ほいじゃあな。幸せにな。」

相沢はさっさと学校に向かって行った。


真衣は僕の腕を組んでぴったりとくっついた。

「私達も早く学校に行こ♪」

僕は真衣の笑顔が凄く可愛くてドキドキした。


僕はこれから真衣と幸せになっていこうと本気でおもった。

お姉ちゃんの言った言葉を思い出していた。

『後悔は絶対にしてないね。』


「絶対に後悔はしないよ。」


「ん?みいなちゃん何か言った?」

「何にも言ってないよ。早く学校へ急ごう。」




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