第十九話;病院に行く!
おはようございます。西尾みいなです。
昨日は本当にいろいろとありました。
教師風紀委員連合と生徒会連合の二つのファンクラブの解体。
そして真衣の復活とさまざまなイベント目白押しでした。
今日は金曜日、まだ金曜日か!と言いたくなるくらいの朝です。
僕はちょっと疲れ気味で咳がしてちょっと頭が重たい気分でございます。
そう風邪気味と言うものです。
夏風邪をひいたら治りにくいので昨日の夜は風邪薬を飲んでゆっくりと寝ました。
久々の自分のベッドで休む事ができたのです。
真衣もまだ女の子の日と言うことでゆっくりとお休み中。
本当に普通の夜を過ごせれてぐっすりと寝ることが出来ました。
しかし今年の夏風邪は市販の風邪薬では効果が弱く、
朝になっても咳がして、のどが痛くなり、軽い頭痛がしていたのでした。
徐々に夏風邪進行中という感じだったのでした。
「今度はみいなちゃんが寝込んだか。」
真衣が朝になって僕の体調を気にしてお姉ちゃんを呼んできたのでした。
「真衣ちゃんは早くご飯を食べて学校に行きなさい。」
「でもみいなちゃんが・・・。」
「みいなちゃんのことは私に任せて真衣ちゃんは学校に行くこと!わかったね。」
「みいなちゃん、行って来ます。」
真衣が学校に行く準備をして、僕にそう言って学校に行ったのでした。
「お姉ちゃん、ありがと。」
「みいなちゃんは今日は病院に行ってこないといけないから、着替えてから下に降りてきな。」
「うんわかった。ってお姉ちゃんも一緒についてくるの?」
「一応ね。たぶん疲れから来てると思うけど私の予想だけど、これはひどくなるよ。」
そう言ってお姉ちゃんは部屋から出て行った。
僕はマスクを探して、病院に行くために着替えてから一階に降りていった。
階段を降りるときになぜかフラフラしてきた。
「なんか頭が重い。フラフラする。」
僕は階段を降りきって座り込んでしまった。
「私の予想以上に進行してたか・・・。」
お姉ちゃんは僕を見てそう言った。
僕は何とか立ち上がって髪をブラシでといて顔を洗い、歯磨きとうがいをした。
そしていつものように鏡で自分の顔を見ると凄く疲れ切った顔をしていた。
「ご飯を食べれるとところまで食べちゃって、無理して食べたらあかんよ。」
「わかった、お姉ちゃん。」
僕は食べれるところまでご飯を食べた。
いつものように食べれなくてほとんど残してしまった。
お姉ちゃんはお母さんとなんか話しているようで奥の部屋から出てこなかった。
(なんか起きたら身体が凄く重たくなったような感じがする・・・。)
僕は早く横になりたい気持ちがしていた。
奥からお母さんとお姉ちゃんが出てきて僕の顔を見た。
お姉ちゃんは僕がどれくらい食事を摂ったかを見ていた。
「あらあらみいなちゃん、凄く辛そうだわ。朝霞は、病院に早く連れて行ってあげて。」
「何処の病院がいいと思う?岩田さんのとこは9時からだし、医大だと混んでいるし。」
「みいなちゃんは岩田さんのところがいいと思うわ。」
「それなら岩田さんに連れてくわ。車ある?」
「お母さんの車使って良いわ、今日はお買い物に行かないから。」
お姉ちゃんが車の鍵を取りに行って、一度外に出て車を玄関まで乗ってきてくれた。
「お母さん、岩田さんのとこに一応連絡してくれる?もしかしてって言うこともあるから。」
お母さんはお姉ちゃんの言葉を聞いて、ちょっと止まって考えた。
「そうね。すぐに今から電話しておくから朝霞はみいなちゃんを連れてすぐに病院に向かってくれる?」
僕はマスクをして、後ろの席に座らされ、お姉ちゃんが運転する車で病院に向かった。
「みいなちゃん、座ってるのが辛かったら横になってていいからね。40分くらいかかるから。」
僕は座っているのが辛くて横になった。
ベッドで寝ている時より凄くつらくて起きているのもいやだった。
僕は目を瞑って病院に着くまで寝ている事にした。
病院に着いたようで僕は起こされた。
「みいなちゃん、ゆっくりと起き上がって。」
僕はお姉ちゃんの言われたとおりにゆっくりと起き上がった。
起き上がるとちょっとフラッとした。
平日なのに病院には沢山の患者さんが居た。
「やっぱり横になれんな。座ってれる?」
「ちょっと辛いかもせんけど座ってるよ。」
僕は今の状態を言って座った。
「そんならちょっと座ってて。」
お姉ちゃんがそう言って受付に行った。
受付の人となにか話をしていた。受付の人が僕を見てすぐに奥に入っていった。
お姉ちゃんが紙コップを持ってきてこっちにきた。
「ほれ、検尿コップもらったからトイレ行ってきな。」
僕は検尿コップを手に取り、言われたとおりにトイレに行った。
トイレについている窓をあけて検尿コップを置いて僕は手を洗っていた。
手を洗っているとトイレに入ってきた男性患者が僕を見て、
いつものように、「え!ごめんなさい!」と言ってトイレから出て行った。
僕はトイレから出て待合室の椅子に座った。
そしてお姉ちゃんから体温計を渡されて僕は体温を測った。
ピピピピピッと音が鳴って僕が体温計を脇からはずすと、
すぐさまお姉ちゃんがその体温計を取り上げた。
「ちょっと熱が出てるね。」
そう言って問診票と共に受付に持っていった。
椅子に座っていていつも思うことなんだが、
病院の待合室の椅子と言うのは座っていて背中や腰が痛くなる。
もっと座り心地良い椅子にしてくれ。っていつも思う。
案の定、背中や腰が痛くなって辛かった。
僕が来た時には多くの患者さんがいて受付が終っていたはずなので、
僕が呼ばれるのはずっと先の事だった。
しかしすぐに呼ばれた。
「やけに早くない?」
「診察が遅くなるようなら治療室のベッドで寝かせて欲しいって言っておいた。」
そして僕は奥の治療室で寝て順番待ちが出来るようになったので、
ベッドで寝て順番待ちをしていた。
病院の治療室のベッドも寝心地は悪いのだけど、座っているより十分マシだった。
いつしか僕は眠ってしまい看護師さんがカーテンを開ける音で僕は目覚めた。
「起こしちゃってごめんね。ちょっと点滴やるからちょっと待ってね。」
看護師さんが手早く準備して、僕の右腕に点滴をうち始めた。
そしてさっと終らせてから「もうちょっと診察まで時間がかかるから寝ててね。」
そう言ってカーテンを閉めて行った。
僕は横向けで寝るのがいつもの癖だ。
左側を下にして寝るのである。
ところが右腕を点滴されると腕が曲げれずに寝れないのである。
僕は右腕を伸ばしていつもと違う右側を下にして寝ることにした。
癖と言うものは本当に不思議なもので、いつもと違った事をやると違和感があって気になる。
はっきり言うと寝れないのである。
僕はそれでも目を開けているより閉じていたほうがよかったので目を瞑った。
またカーテンのシャーという急に開けた音がなり、看護師さんが来た。
「ごめんね。また起こしちゃった?点滴を見せてね。」
起こした事を本当に悪いと思っているなら、もっと優しくカーテンを開けて欲しい。
看護師さんが点滴の具合をみて点滴が終わった事を確認し点滴を片付けていった。
「あと少しだからもうちょっと待っててね。」そう言って看護師がカーテンを閉めて行った。
僕はまた寝た。
しばらくしてお医者さんのほうから僕の寝ているベッドに来た。
「まず仰向けになってくれるかな。」
僕は先生のいわれたとおりあお向けになった。
先生は僕の首の付け根あたりに手を当て触診した。
頭と首の付け根も触診してから次にのどを見た。
「それなら次はうつ伏せになってくれるかな。」
次に僕はうつぶせになり、また首の付け根を触診してから肩を揉んだ。
次に背骨をつーっと指で動かしたので僕はびくっとなった。
そして背中の辺りを探って押さえた。
凄い痛みが走ったので僕は「痛!」と言って身体を反射的にのけぞった。
「ちょっと服を上げるからね。」といって先生は服を捲り上げた。
そして聴診器を当てられてから、「また仰向けになってくれるかな。」と言われて、
また仰向けになって聴診器を当てて検査した。
次におなかを押さえられて「痛いところは無い?」と聞かれたけど
痛いところが無かったので「ありません。」と答えた。
「今日は一人できた?」と聞かれ「お姉さんと来ました。」と答えた。
先生が看護師に「お姉さんを後で呼んで。」と言って僕の診察は終了した。
僕は待合室に戻るとお姉ちゃんが待っていた。
僕はお姉ちゃんの横に座った。
周りを見わたすとほとんどの人が診察を終えたのか患者さんがまばらに座っていた。
「みいなちゃん、診察は終わったの?」
「うん。今終った。」
「何かいわれた?」
「何も言われて無いよ。」
「点滴はやった?」
「点滴やって、触診をやって、検査して終った。」
「点滴をやったんだね。」
話しているとお姉ちゃんが呼ばれた。
「みいなちゃん、先生と話してくるから寝てていいよ。」
僕は言われたとおり横になって寝てた。
10分位してからお姉ちゃんが戻ってきて会計をしてから来た。
「みいなちゃん、帰るよ。」
僕はお姉ちゃんと一緒に病院から出て車の助手席に乗った。
車をすぐ近くの薬局に止まってお薬をもらってきた。
そして家に向かった。
「みいなちゃん覚えてる?みいなちゃんってすぐ熱をだすからよく私が病院に連れて行ったの。」
「僕が幼稚園とか小学校の低学年のときやん。お姉ちゃんも小学校の時だよね。」
「恵子おばさんのとこにいたときも熱出してた?」
「うん、よく恵子おばさんが病院に連れて行ってくれてた。」
「病院の先生が言ってたけど精神的なものが大きいって言ってたよ。」
僕は日常の事や学校の事を思い出していた。
家に着いてから僕はうがいと手洗いをして、お昼ご飯を食べた。
そして薬を飲んで自分の部屋に戻って着替えて寝た。
午前中に病院に行っただけで凄く疲れている感じがした。
病院でも寝ていたのに凄く疲れてしまっていた。
僕はすぐにぐっすりと眠ってしまった。
目が覚めるとすっかり夜になっていた。
真衣が部屋のドアを開けて「みいなちゃん、起きてる?」と小声で言った。
「真衣。今、目が覚めたとこだよ。」
真衣は僕が起きた事を喜んで僕のベッドのところに来て僕の目の前に座った。
「みいなちゃん、調子はどう?」
「今までずっと寝ていたから、だいぶよくなってると思う。」
「夕ご飯だけどここに持ってきて食べる?」
「下に行って食べようかな。」
僕はゆっくりと起き上がった。朝のようにふらつき感は無くなっていた。
そしてベッドから降りて立ち上がった。
真衣がつかさずに僕を抱きかかえようとした。
「真衣。大丈夫だよ。ありがとうね。」
僕はそのまま一階にいって、手を洗って、うがいをして食卓の椅子に座った。
夕ご飯を食べていると真衣が心配そうな顔で僕を見ていた。
「大丈夫だよ真衣。風邪を引いて辛いだけだからさ。」
「みいなちゃん。私といると疲れる?」
「真衣、突然何を言ってるの?」
「お姉さんが精神的なものがあるって言っていたの。」
「真衣が来て僕の部屋に来た時は疲れたと思うよ。
でも今は僕が疲れているこういうときにこそ真衣に近くに居て欲しいって心から思う。」
「みいなちゃん、それならまた一緒に寝て良い?」
「真衣に風邪を移しちゃうよ。」
「うんいいよ。」
僕はお薬を飲んで、すぐにシャワーを浴びて自分の部屋に行って寝た。
真衣もすぐにお風呂に入ってから部屋に来た。
僕と真衣はお互いに顔を見合わせていた。
「真衣。ありがとう。おやすみ。」
「みいなちゃん。おりがとう。おやすみ。」
僕はそして凄く安心したのかまたぐっすりと寝てしまった。