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第十八話;真衣、復活!

みいなファンクラブ騒動も一段落し、ほっとしたのもつかの間の出来事。


文化部もようやく落ち着きをとりもどし、

多くのラブレターやファンレターを頂いて、無事に解放され家に帰ることが出来ました。


家に帰ると真衣が出迎えてくれて体調もだいぶよくなったと言うことで一安心。

ところが真衣に文化部からの大量の手紙が見つかってしまったわけでした。


「みいなちゃん。」

「なんでしょう。真衣ちゃん・・・。」

「この手紙の山は一体なんでしょうか?」

「いつも通りのファンレターとラブレターにてございます・・・。」

「いつも通りちゃうやん!普段の何倍もあるやん!」

「ちょっと学校でいざこざがございまして。文化部の方に待ち伏せさせられたんです。」

「みいなちゃん。」

「どうしたのでしょうか、真衣ちゃん。ちょっと怖いですよ・・・。」

「私が居ないと思って学校で何しとんねん!」

「勉学に励み、教養を身に付けに・・・。」

「何の勉強をしに行っとんのじゃ!」

僕は今日学校で起きたことの一部始終を話し、

真衣の機嫌をなおすことに専念していた。


「それで3つのファンクラブはどうなったの?」

「教師連合は解体。生徒会連合ももうじき解体するんじゃないかな。」

「みいなちゃんのたった一言だけなのに、一日でそこまでいくものなの?」

「実際にそうなっちゃったんだから、そうとしか言えないんだけどね。」

「みいなちゃん、恐るべし・・・。」


「ところで真衣はもう具合はよくなったんか?」

「まだもうちょっとってとこだけどもう大丈夫だよ。」

「よかった、居間のソファーの寝心地は最悪なんよ。」

「お姉さんに聞いたわ。みいなちゃんが私の体調をすごく気にしてソファーで寝てるって。」

「真衣のことが心配で、良く寝させてあげたくてソファーで寝たんだよ。」

「一緒に寝ても良かったのに。」

「これからそうする。自分のベッドが一番良い。」


「ほいじゃ、部屋に行って着替えてくるわ。」

僕は自分の部屋に行って着替えてから一階に下りていった。


「あれ?そういえばお姉ちゃんは?」

「おばさん達、送ってった。」

「まだ居たんか・・・。」

「うちのお母さんが私のことよろしくって言ってた。」

「ほんだけ言って帰っていったん?」

「順子おばさんが頑張ってね。って言ってた。」

「頑張ってって何を?」

「しらん。みいなちゃんにそう言っとけばわかるって。」

絶対に掛け率変えて、みんなで賭けていったな・・・。

「お母さんとお父さんは?」

「知らん、なんか消えた。」

(消えたんかい!)


「真衣、ご飯食べたい。おなかすいた。」

「それなら一緒に食べようか。手を洗ってうがいもちゃんとしてきて。」

僕は洗面台に行って手を洗ってうがいをして食卓に向かった。

真衣がご飯の支度をしてくれた。

僕はいすに座って真衣が準備してくれるのを待った。

「おかわりあるから沢山食べてな。では、いただきます。」

「いただきます。」

「真衣、2人だけだと凄い静かやな。」

「2人で一軒屋って広すぎて寂しい感じがしていかんわ。」

「寝てた時は1人じゃなかったん?」

「お姉さんが付いていてくれてた。」

「それなら僕もお姉ちゃんにありがとう言っとくわ。」


2人っきりの食事はなんか静か過ぎた。

なんも言うことが無くて、何か言おうと思っても何を言ったらいいのかわからない。

そんな状態がずっと続いていた。


「みいなちゃん。」

「どったの?真衣。」

「ありがとうな、そしてごめんね。」

「何がありがとうで、何がごめんか全然わからん。」

「今回のことでいろいろとありがとうとごめんなさいって言う意味。」

「僕は真衣のこと好きだから当たり前のことしただけ、

 学校に行ったら溝口と西川にお礼言っとけよ。」

「うん。溝口さんと西川さんにも迷惑かけちゃったな。」

「真衣。溝口と西川から聞いたけどいつもあんなに重いのかって言ってた。」

「どっちかって言うと重いほうだけど、今回は特にひどかったわ。」

「それって精神的なもんもあるんか?

 たとえばさ、僕って学校ではファンクラブとか手紙とかあるやん。」

「どうだろうね。でもみいなちゃんがあそこまでモテてるって言うのはいろいろと気になるわ。」

「気になるってどういうところが?」

「やっぱり好きな人がさ、モテモテでさ、私より良い人がおったらっておもうやん。」

「真衣より良い人ねぇ・・・。考えたこと無い。」

「そっか?溝口さんも西川さんも可愛いで?栗原さんと波多野さんは美人さんやで?」

「毎日、僕はお姉ちゃん見てるからなぁ。お姉ちゃんより美人さんっておらんと思うし、

 真衣より可愛いって思った子もおらんのだわ。」

「ほんならさ、お姉さんとやりたいとか思うん?」

「それは絶対に起きんわ。」

「従妹の私とやったのに?」

「真衣の場合ってさ、従妹以上の関係になりたいと思ったんやけ。

 僕が本当に愛する女性って言うかんじでな。」

「お姉さんは?」

「お姉ちゃんはやっぱりお姉ちゃんだっていう感じしかせえへんわ。」


「みいなちゃん、おかわりは?」

「あ!もらう。」


沈黙・・・。


「本当に静かやね。」

「ほかにだれもおらんけんね。」

「真衣、ごはんちゃんと食べんといかんよ。」

「うん、ちゃんと食べてるよ。」


沈黙・・・・・・。


「ごちそうさま。」

「みいなちゃん、もういいの?」

「うん、もうおなかいっぱい。」


沈黙・・・・・・・・・。


僕はテレビを見ると真衣がお風呂の準備を始めた。

そして僕と一緒にテレビを見始めた。


沈黙・・・・・・・・・・・・。


真衣が立ち上がってお風呂を見に行く。


「みいなちゃん、お風呂沸いたよ。先に入っちゃって。」

「ほーい。真衣一緒に入らん?」

「まだ無理。」

「そっか。」


沈黙・・・・・・・・・・・・・・・。


「あ゛~~~~~~、本当にあんたたちは!」

奥の部屋からお姉ちゃん達が出てきた。

「お姉ちゃん!どっから出てくるんだよ!」


「みいなちゃん!おまえらは倦怠期の夫婦か!」と姉。

「本当。若々しさがないわねぇ・・・。」と母。

「みいなちゃんも真衣ちゃんも若いんだから、もっと激しく行くと思ったのになぁ。」と父。


「奥の部屋に潜んで僕達を見てたんか!」

「2人っきりなんだから、こうもうちょっと熱いキスの一つや二つあるんとちゃうの?」

「真衣のこと考えたらそんなことできんちゅうね!」

「なんでできんの?」真衣が言って来た。

「真衣も知っとったんか?」

「そりゃしっとるわ。みいなちゃんと2人っきりにさせたるちゅうて奥の部屋に行ったもん。」

「真衣の事、大切にしていきたいんじゃ。まだ体調良くないんじゃないかとか思って。」

「私のこと思ってなんもせんかった、っていうん?」

「どうしていいのかわからんもん。好きだからこそ出来ないっていうものあるやん。」

「もう大丈夫っていうたやん。」

「真衣が駄目とか無理って言ったの聞いた事無い。無理しても大丈夫っていうやん。」

「私のこと本当にそこまで想っていてくれたんだね!みいなちゃん大好き!」


いつもの真衣に戻った。

そして僕にキスをした。


僕も真衣にキスをした。

「好きだよ。真衣。」




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