第十四話;真衣のお休み!
朝6時。いつもの時間に起きましたが今日は違います。
真衣の体調が優れないため、
僕は居間のソファーで寝ていました。
ソファーの寝心地は?というとやっぱり自分のベッドが一番いいです。
僕はいつものようにブラシで寝癖を直し、
顔を洗って歯を磨いていると、二階からお姉ちゃんが降りて来ました。
「お姉ちゃん、真衣の具合はどう?」
「今日一日お休みさせたほうがいいね。それとみいなちゃん呼んでたよ。」
僕は急いで真衣のところに行った。
「真衣、どう?具合のほうは?」
「昨日よりひどくてつらい・・・。」
「今日もゆっくりと休んでいてね。僕は学校に行ってくるね。」
僕は真衣にキスをした。
「いってらっしゃい、みいなちゃん。」
「行って来ます。真衣。」
僕は一階に降りた。
「どうだった?」
「すごくつらそうだった。だから行って来ますとだけ言って帰ってきた。」
「みいなちゃんもちょっとは女性のことをわかるようになったか。」
「お姉ちゃんはあんなにならんよね?」
「私?私はいつも軽いから。」
「いろいろと人によって違うんだね。」
「でも真衣ちゃんっていつもあんなに重いのかなぁ、逆に心配だよ。」
「お姉ちゃん、お願いがあるんだけど・・・。」
「みいなちゃんが言わなくてもわかっていますよ。病院に連れて行ってあげてでしょ。」
「お姉ちゃん、ありがとう。」
「私もあの状態はさすがにって思うからね。」
「病気の可能性があるの?」
「みいなちゃんはそこまで考えなくていいの。」
僕は食卓の椅子に座ってご飯を食べた。
「それじゃ 行って来ます。」
「ほーい、頑張っておいでね。」
1人の登校は久しぶりだった。
なぜか寂しいようで、いつも一緒に居る人が居ないと言うのはとても違和感があった。
「おっす、みいな。おはよ」
「相沢、おはよう。」
「みいな、今日は凄く落ち込んでるな。真衣ちゃんが居なくなるとこうなっちゃうんだな。」
「最大の理由はそれだけどな。」
「最小の理由はなにかあるのか?」
「相沢、昨日休んだろ?すぐに生徒会ファンクラブが僕に接触してきた。」
「さすがにあいつらやること早いな。」
「まぁ、栗原と波多野が来て、すぐに帰って行ったけどな。」
「これで何も無ければいいけどな。」
「なにか他にも起きると?」
「みいなへの挨拶は済ませた。ということは?」
「本格的に接触があると。」
「しかも今日は真衣ちゃんが居ない。」
「相沢、真衣は関係ないだろ?」
「みいなちゃんの恋人抜きで計画をすすめると思うか?」
「真衣に手出ししたら俺がゆるさねえ。」
「その意気なら大丈夫だと思うけどな。」
校門の前を見ると今日も生活指導の村木先生は立っていなかった。
僕達はそのまま校門を通り過ぎていった。
「最近、村木立ってねえな。」
「村木と最後に会ったのっていつだっけ?」
「みいなが真衣ちゃんと呼び出し食らってた日から見てないんじゃね?」
「真衣が村木に髪のことで言ってた日か。」
「しかし、真衣ちゃんがこの前なんか言ってたな。」
「真衣が何か言ってたっけ?」
「最近変な人が居ないかと聞いたとき、村木と男子生徒が見てたと言ってたろ。」
「俺のことを影でコソコソ見てると言うわけか。」
「村木も要注意とするべきだろうな。」
僕は靴箱を見ると今日は12枚の手紙が入っていた。
「あいかわらずみいなは凄いな。」
「まったく読まねえけどな。」
「みいな、でもこれからは全部読んでおいたほうがいいな。」
「相沢、なして読まなあかんよ。」
「この学校は全校生徒がいずれかのみいなファンクラブに入っていることを忘れたか?」
「ほぼ半分は俺達の仲間なんだろ?」
「みいな、もう半分は僕達の敵だと言うことも忘れないことだぞ。」
「それで正体不明のファンクラブの正体はつかめてるのか?」
「報告は受けてるよ。情報なしという報告はな。」
「やけに怖い存在だな。」
「だからみいなも気をつけろと言うわけだ。」
「それでこういう手紙も情報として読むべきだと言うことか。」
「そういうこと。」
教室に入ると水戸が溝口と西川と話をしていた。
「おはよう。溝口、西川。」
「おはよう。みいなちゃん。」「今日は真衣ちゃんはお休みなんね。」
「体調不良で休み、お姉ちゃんが病院に連れて行ってもらってくるよ。ありがとうな。」
「それなら大丈夫だね。」「お姉ちゃんがおってよかったなぁ。」
僕は自分の席にいった。
「おっす。水戸。」
「みいな、おまえな!俺は溝口と西川と一緒に居るだろ!」
「ここで挨拶したほうがいつもどおりでいいかなっと思って。」
水戸が自分の席に座った。
「みいなさ。思うんだけど俺に冷たくね?」
「そうか?普通に接してると思うんだけど。」
「みいなはこれでもSっぽいところあるからな。」
「相沢、俺のどこがSだと?」
「水戸の放置プレーとか。」
「べつに放置してることは無いけどな。」
「俺が放置されてるわけじゃなくて、相沢との仲のほうがいいんじゃないか?」
「どういうこと?水戸。」
「みいなと相沢の仲ってさ、みてると違う感じがするのな。」
「みいなとは中学からの親友だからな。」
「それでみいなを守ってるわけだろ?」
「水戸。意味がよくわからん。」
「私服でみいなと相沢が歩いていたら恋人同士に見えると思うんだよな。」
「水戸。へんなこと言うなよ。」
「相沢はどう思う?」
「俺か?みいなちゃんなら良いとは思ってるが?」
「ほらな。ここが俺と相沢の違いだと思うんだよ。」
「水戸はみいなのことは嫌いか?」
「嫌いじゃないけど?」
「みいなが付き合って欲しいと言ったら水戸はどうする?」
「おっと、そうくるか。みいなか・・・付き合えれるな。」
「なら俺と変わらねえじゃねえかよ。」
「おまえら、なんちゅう話しとるんだよ!」
「みいなファンクラブは全校生徒が入っている。
どのファンクラブに入っているかを抜きにして考えてみてという条件付でだ。
ということは全校生徒はみいなと付き合いたいと思っているということだよ。」
「みいなって本当に可愛いからな。付き合いたいと思ってるとは思うだろうな。」
「俺はもう真衣と付き合ってるから他の人と付き合う気はねえよ。」
「真衣ちゃんがこの学校に来て、そのバランスが崩れてきてるとしたらどうだ?」
「どういうことだ?相沢。」
「付き合いたい、恋人にしたい、でもみいなには恋人が居る。」
「あきらめる、もしくは真衣ちゃんをどうにかしようとするか。」
「怖いこと言うなよ、相沢、水戸。」
「でも実際にそういうことになる可能性があるってことだよ。」
午前中の授業を受けてお昼休みになったので、
僕はお姉ちゃんに電話をした。
『お姉ちゃん、真衣の具合はどう?』
『真衣ちゃんならもう大丈夫だよ。ぐっすりと寝てる。』
『病院ではなにか言われた?』
『大丈夫だって言ってるやん。何にもなかったよ。』
『お姉ちゃん、本当にありがとう。』
『私にとっても真衣ちゃんは妹みたいなものだからね。』
僕は電話を切って安堵した。
「真衣ちゃん、何事もなかったという顔だな。」
「相沢か、びっくりするやん!」
「みいな、早く購買に行こうぜ。昼休み終るぞ。」
「水戸は?」
「ちょっと調べてもらってる。」
「何を?」
「村木の行動。」
「やっぱりなにか匂うか?」
「匂う。絶対になにかある。」
「電話中に音出さんように透かし屁したんだが、匂ったか・・・。」
「みいな。何の話をしてる。って・・・くっさ!マジでくさいぞ!」
「すぐにここから逃げよう。」
購買で僕はパンを買い教室に戻った。
「みいな。いつも何食ってんだ?あれは強烈だったぞ。」
「普通にご飯を食べてるんだけどな・・・。」
「みいなのボケかと思ったらマジで屁をしてたか。」
「相沢は屁をしないのか?」
「もちろんする。でもあそこまで強烈な屁は今までしたことは無いぞ。」
「そうか?武器になるかな?」
「みいな・・・。おまえはスカンクか!」
水戸が教室に戻ってきた。
「水戸。どこに行ってた?」
「相沢に頼まれて村木を見張ってた。」
「それで村木の行動はどうだった。ビンゴだったか?」
「相沢の言ったとおりビンゴだった。」
「相沢、水戸。僕にわかりやすく教えてくれないかな?」
「みいなファンクラブの第三勢力のこと言ったよな。」
「正体不明のファンクラブって言うやつだろ?それがどうしたんだ?」
「その第三のファンクラブが村木主催の勢力だった。」
「どういうことだ?水戸。」
「生活指導と風紀委員会主催のファンクラブ。」
「なに?どういうこと?」
「みいなを学校生活の規範となるように、みいなを指導していこうクラブ。」
「それってファンじゃないじゃん。」
「だからさ、私達の大好きなみいなちゃんで居てほしい。
学校の模範となるみいなちゃんにしていこうクラブ。」
「なんていうクラブ作ってんだよ。村木のやつ。」
「村木だけでなく教師のほとんどがそのクラブに入ってる。」
「これではっきりしたな。」
「相沢、なにが?」
「生徒会主催クラブ、先生風紀委員連合クラブ。
そして僕達の生徒運動部連合クラブということさ。」
「相沢、それって非常にやばくないか?」
「第二のみいな事件は学校全体が戦場になる。」
僕は何事も起きないことを願っていた。