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第一話;僕は男だ!

新作を書いてみました。

たぶんですが一日一話と言うペースで書いていこうかな。と思っております。


朝6時に目覚まし時計のアラームが鳴り響く。

僕はベッドから手を伸ばして目覚まし時計のアラームを止めた。


「ねむい……」と言ってベッドにもぐる。


「みいなちゃん!みいなちゃん! 早く起きんかい!」

下から母親の怒鳴り声が聞こえる。

「ったくマジでねみぃ!」と言いながら僕は起きた。

長髪で束ねた髪をかきあげながら僕は起きた。


一階に下りて顔を洗った。

僕はブラシで髪をといて寝癖をなおした。

鏡に映る自分の顔を見た。

僕はその顔を見て、一つ大きなため息をついた。


姉さんが一階から降りてきた。

「おっす、みいなちゃん、おっはよぉ!今日も朝から元気ないじゃん。自分の顔を見たのか?」

「うるせー。自分の顔を見て悪いか!」

「みいなちゃんの顔って本当に可愛いもんねぇ。可愛いみいなちゃん」


そう僕は西尾みいな。はっきり言うが、僕は男だ!正真正銘の男だ!

しかし、自分でも言うのはなんですが、もの凄く可愛いのです。思いっきり女性顔なのです。


「なんでその顔で女性に生まれてこないのかね? 不思議だね。人類の未知を見たね」

姉の言うとおり、背は163センチと小柄で、(男なので!)

そして顔が可愛くて、体格が細めなので初対面の人には100%の確立で女性と思われています。


「あのさ、すっぴんでさ、そこまで可愛かったらどうなの?モテるの? あ!みいな洗顔もらうよ」

ええ、モテますとも、すごくモテますとも、男に……。


「みいなちゃん、朝霞(あさか)!下らんこと言ってないで早くご飯食べな。学校に遅れるよ!」

母親がさらに怒り出した。

僕は、ご飯を食べて制服を着て学校に行く準備をします。

え? どっちの制服着るかって?


『男子用の制服に決まってるだろ!』


「いってきます!」

といって僕は家の玄関を開けて学校に向かった。


「あら。みいなちゃん、おはよう。今日から学校なの?」

近所のおばちゃんだ。僕を見るといつも声をかけてくる。

「おばちゃん、おはよう。今日から夏休み明けの学校だよ」

「あらそうだったの?今日も可愛いわよ。行ってらっしゃい」

(ムカッ!可愛い言うな!)


学校まで歩いて30分、普通の地元の公立高校です。


学校に行くと、校門の前に学年指導の村木先生が立っていた。

(あっちゃーまずいな。)

「おはよう、みいな。なにしてんだ?」

「おはよう、相沢。校門の前に村木が居るんだよ」

「そういえば村木に言われていたんだけっか?髪切れって」

「正解、それで結局、切るの忘れた」

「仕方が無い。このまま居ても意味が無い。さっさと行くぞ」

相沢が僕の肩に腕をかけて、グイグイと学校に引っ張って行った。


「村木先生!おはよぉっす!」相沢が村木に挨拶をした。

「相沢!女の子と肩を組んで歩くとは何事だ!こっちに来い!」

相沢は僕を門を通し(さっさと行け!)と合図した。

僕は学校に無事に入ることができた。


靴箱でスリッパに履き替えようとすると、僕の靴箱には手紙が。


「それで今日は何枚あったんだ?」

僕の前の席の水戸だ。

「今日は三枚。全部、男からだ!」

僕はむかついて手紙を机の上に投げつけた。

水戸はそれを拾い上げた。

「へぇ、本当に夏休み明けから、いきなり三枚のラブレターかよ。古風なやつも居るんだねぇ」

「水戸、感心してる場合か?それに突っ込むとこはそこか?」

「それには、みいなにも責任がある!」水戸がいきなり言った。

「俺に何の責任があるってんだよ!」


「まず、その顔だ!完全にすっぴんなのに、すっごい可愛い!普通に女の子じゃねえか。

 そして、マジで男のピンポイントを突くその背の高さ、

 そして最後に、そのストレートの綺麗な艶々(つやつや)したロングの黒髪だ!

 どっからどう見ても女にしか見えないんだよ。お前は!

 それでなんだよ『みいな』って!名前まで女の子じゃねえかよ!」


「俺に言うなよ!みいなっていう名前は親が付けたんだ」

「せめて男と見られたいなら、ロングの黒髪を何とかしろよ」


「あー、そいつは無理かも知れんな」

村木から解放された相沢が帰ってきてそう言った。

「相沢、ありがとうな。マジで助かったよ」

「貸し+1! 忘れんじゃねえぞ」相沢が言った。


「相沢。それでなんで、みいなが長い髪を切らないんだよ?」水戸が相沢に聞いた。


「こいつ中学2年の時の転校生でな。俺と一緒のクラスになったんだよ。

 転校してきた時は学校中が凄い騒ぎになってな。すっげー可愛い女の子が転校してきたってさ。

 もちろん制服は男子用の制服だったんだけどさ。そんなことって意外とみんなは気にせんのな。

 すっげー可愛い!って他のクラスからも、みいなを見に来ててさ。

 こいつが限界に達してしまって言ったんだよ。『俺は男だ!』ってさ」


「それはこいつの性格だからよくわかる。それで?」水戸がさらに聞いた。


「その『俺は男だ!』と言う言葉が、学校中に広まっていったところまでは良かったんだが、

 いつしか伝言ゲームのようになり『僕には男が居る!』と彼氏が居ます発言に変わってしまい、

 また学校中が凄い騒ぎになったんだわ。

 これが後々(のちのち)の『みいな事件』となっていくんだけどな。

 そして、みいなはまだ男だと思われていないことに腹が立ち、髪を思いっきり切ってしまった。

 そしたら学校中が大パニックになったんだわ」と相沢が言った。


「それがうわさに聞く『みいな事件』と言うやつか」水戸が真実を知ったと言わんばかりに僕を見た。


「あの時、本当に凄かったんだこれが。いつの間にか、みいなファンクラブなるものが出来ててな。

 連中が学校中に『みいなちゃんを振ったやつはおまえか!』って聞きまくってて大変だったんだよ。

 それっきり、みいなはロングヘヤーを切ることをやめましたとさ」相沢の昔話が終わった。


「しかたがねえじゃん、誰も俺が男だと信じてくれないんだからさ」

「しかも(いま)だに、みいな女性説は継続中っと」相沢が言う。

「それはご愁傷さま」水戸が言った。


「ご愁傷様って言ったらさ。この学校に来たときもさ」相沢が思い出したように言い始めた。

「それは言うな!」と俺は相沢の口をふさいだ。

「まだあるのかよ。ぜひ聞かせろ」と水戸が言った。

相沢は「わかったよ。言わねえから安心しろ」と僕に向かっていった。


突然、水戸が「みいなってさ、おまえ僕っ子?」と言ったので、頭にチョップを食らわしてやった。

横で相沢が大爆笑していた。


チャイムが鳴り、相沢は僕の横に座り、先生が教室に入ってきた。

朝の朝礼が始まった。

先生はクラスを見渡して、僕の顔を見ると「えーっと……」と言って名簿を見た。

「今日は始業式なので体育館に今から移動します」といってクラス全員が廊下に出た。

「さっきの先生のあれ絶対にお前を見間違えてたぞ」と相沢が言った。

僕は廊下で出席番号順に並び、体育館に並んで移動を開始した。


体育館ではもう他のクラスが並んでいた。


僕たちも体育館に並んで始業式の始まるのを待っていた。

ひそひそと聞こえてくる。「C組のあの子だれ?」「マジ可愛いじゃん」

(お前ら、学校が始まって今は9月だぞ。いい加減、覚えろよ。)と僕は思った。

同じクラスの西川智代が横で僕に話しかけてきた。

「みいなちゃん、大人気だね」

「ぜんぜん嬉しくないよ。本当に冗談じゃない」

「でも男の子でも可愛いのはいいことじゃない?」

「全然!」と僕は言ってやった。


始業式が終わり教室に戻った僕たちは宿題の提出を言われ、宿題を出した。

「今日はこれで終わりですが、何かありますでしょうか?」と先生が言った。

僕たちは何も無いので静かだった。

「それでは終わります。気をつけて帰ってください」


先生の一言で今日の学校は終わった。

さて帰ろうかなと思ったとき、「みいなちゃん!誰か来たよ」と言われた。

(また男かよ……。)とうんざりしてみたら、女の子が教室の入り口に立っていた。

僕はその女の子のところに行き「何か用事?」と無愛想に言った。

その女の子は「みいなちゃん、忘れちゃった? 私だよ。真衣だよ」

「あ!真衣、なにやってるんだよ。ここで」


僕のいとこの西尾真衣だった。

「なにってみいなちゃんと同じ学校に転校するって言ってあったじゃん」

「は?聞いてないんだけど?」

「おばさんにちゃんと言ったよ?」

絶対にそれは忘れている。確実に忘れていて僕がそれを言ったとたんに、

「あれ?言ってなかったっけ?」と言って絶対にとぼける。そして逃げる!


「それで何処に引越ししたんだ?」と僕が聞くと、

「みいなちゃん、何言ってるの? みいなちゃんの家だけど?」

「それこそ聞いてないよ。うちの親って何にも言ってないし」


そのやり取りを見ていた相沢が来た。

「へぇ。この子が、みいなのいとこの子ねぇ」

「みいなちゃん、誰? 彼氏?」真衣が言ったので、頭にチョップを食らわせた。

「痛いなぁ。いきなりチョップ食らわすな!」真衣が頭を撫でながら言った。

「みいなの中学からの友達で相沢誠人(まこと)って言います。よろしく。真衣ちゃん」

「あ!えっと、みいなちゃんのいとこの西尾真衣といいます。よろしく」

「おっと、俺は水戸信也よろしく」

ちゃっかり水戸も来ていたか……。


僕たちは帰る支度をして、家に向かった。

途中、相沢も水戸も分かれ道で別れて家に帰っていった。

「へぇ。みいなちゃんってしっかりと友達作ってるじゃん」

「当たり前だ、俺はぼっちじゃねえ」

「でも聞いてたよ。女の子にいつも間違われていて一人で居ることが多かったって」

「相沢は別、いろいろと助けてもらっていたしな」

「やっぱり彼氏?」真衣が言ったので、またチョップ食らわしたろか?と思った。


家に着き、「ただいま!真衣を連れて来たよ!」と言ったら、

奥から母が出てきて「真衣ちゃん、いらっしゃい。荷物はもう部屋に入れてあるわよ」

母親は覚えていたようだった。

「あのさ、僕は全然聞いてないんだけど?」

「あれ?言ってなかったっけ?」と言って奥に逃げていった。やっぱり逃げたか。

姉が来て、「あれ真衣ちゃん、今日から学校だっけ?どうだった?」

真衣は「今日は転校の挨拶だけだったので、これからですね」と言った。

「荷物が来てたから、二階の部屋に持ってっといたよ」と姉が言った。

「ありがとうございます」と言って二階に行った。

「姉さんもさ。知っていたんなら言ってくれればいいのに」

「あれ?みいなには言ってなかったっけ?ごめんごめん」絶対に本気で謝ってねえだろ。


さて僕も……。と思ったがおかしい。二階って二部屋しかないんだけど……。

姉の部屋と僕の部屋だ。

「姉さんさ。真衣の部屋っていったいどこなのさ?」僕は聞いた。

「二階のあんたの部屋」姉は普通に答えた。

「はぁ?どういうつもりだよ!僕の部屋ってどういうことだよ?」僕は聞いた。

「知らないよ。真衣ちゃんの荷物が送られてきて、

 お母さんに真衣ちゃんの部屋どうするって言ったらさ、

 みいなと同じ部屋でいいんじゃないの?」っていうから荷物を運んだんだよ。


「お母さーん!」僕は母を呼んだ。

「真衣の部屋、僕のところって聞いてんだけどどういうこと?」

「いいじゃないの、真衣ちゃんとみいなちゃんは仲良しだったんだから」

「ちょいまち!僕は高校生!そして男!」

「真衣ちゃんにも確認したらいいよって言っていたし、いいんじゃないの?」と暢気(のんき)に姉が言う。

「まい~~~!!!」僕は自分の部屋に入っていった。

僕の部屋で荷物整理をしている真衣が居た。


「僕の部屋でいいと言ったと聞いているんですが?どういうことですか?真衣さん」

「みいなちゃんって女の子みたいだし、部屋が無いって言っていたから、

 みいなちゃんと一緒の部屋でいいよって言った」

「おまえは……」


こういう僕の一家と学校生活、これからどうなっていくんだろう。


「僕は男だ!」

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