10年教師したらステータスが壊れてました
2769年。技術は飛躍的進歩を遂げていた。
地球の飢饉の9割は解決し、災害もほとんどなくなった。
そんな中で最も変わったのは旅行である。〝時空接合装置〟の発明により、異なる世界にアクセスし、移動することが可能となった。つまりは、異世界に簡単に行けるようになった。
だが、異世界には、あちらのルールがあり、特異な習慣があったりする。
例えば、国が全て浮遊していたり、目が3つある種族がいたりする。さらには、魔法があったりもする。こちらの世界の人達がそれらに、適応するのはかなりムズかしい。
そんなわけで設立されたのが、異世界セミナー、通称〝ネクストドア〟である。
異世界に行く前にあらかじめ、魔法だったり、言葉だったりを勉強する場所だ。
ちなみに、〝ネクストドア〟はこちらとあちらの世界の狭間にあり、どちらの世界からも干渉出来ない安全地帯でもある。
僕の名前は境 界世。
ネクストドアに努めて今年で10年目だ。
長くいたこともあり、今では、ほとんどのクラスの授業を教える事ができる。
ちなみに、僕がここでは、最も長く働いている。
理由は簡単でめちゃくちゃ過酷なのだ。
だが、給料はいいので大抵2、3年やって辞める。転職先も結構見つけやすいらしい。
じゃあ、なぜ、僕が辞めなかったか。
運が悪かった。転職は何回か考えたが、その度に他の人が辞めてしまい、そんな事言い出せなかった。
そうやって流されて10年だ。
今日もいつもみたいに仕事をして終わりだ……。
そう思っていた。
授業が終わり、帰り支度をしていた。夕飯を何にするかな、とかをのんびりと考えていると、突然電気が消えて真っ暗になった。
次の瞬間、僕の体は光に包まれていた。
感想くれるとうれしいです。