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異世界転移にあったようです

単なる思いつきですね。


カチッカチッ……カタッカタカタッ……カチッ……

1人の少年がただ無言でキーボード叩く音が彼の部屋にこだまする。

ノートパソコンが映している文字列は彼がキーボードを叩く毎に長くなってゆく。

こうして1日2時間。文字数にして約4500字の物語を毎日紡いでいくのが彼の日課だ。

彼の名は「篠崎聖」ーしのざきあきらーだ。

日本人特徴の黒髪は伸び放題だが気にしている様子はない。

メガネも掛けているが彼の視力はそこまで悪くない。

コレはPCメガネだ。

そのかわりドライアイに苦しんでおり、ノートパソコンの隣にしっかり目薬が完備してある。

彼は今日の日課を終えると、はー……と詰めていた息を吐き甘すぎず苦すぎず、けれどこだわった訳でもない、長時間の執筆で冷めきってしまったコーヒーを飲みほした。




はー……と長い息を吐く。

書き終えた約4500字の物語を読み返し、誤字脱字がないか確認して「次話投稿」のアイコンをクリック。

これで日課は終わりだ。

しかし、去年始めたこの趣味はなかなか辛いものがある。

なんせ、どれだけ自信を持って書いたものでも評価を貰えるのは希だ。

長く書き続けている人はそうでも無いかもしれないが、そういう人も何かの事情で連載を止めてしまうと余程面白くない限りブックマークや評価してくれる人は離れていくのだ。

書き始めたばかりな新米の俺が評価を貰える程甘い世界では無かった。

しかし、俺には夢がある。

ライトノベル作家だ。新人賞に応募し、自分の書いた物語がアニメになって動くところを見たい。

目立つほうでもない俺がアニメやマンガに影響を受け

こういう夢を持つのはおかしくないだろうし

こういう夢を持つ人も少なくないだろう。

厳しさはこの1年で痛感しているがしかし

諦める気もさらさらない。

継続は力なり。

もしかしたら明日、たくさんのアクセスがあって、

一気にたくさんの人に見てもらえるかもしれない。

もちろんそんなのは希望的観測過ぎるが、可能性はゼロではあるまい。

大学3年とか4年になったら現実を観なければならないのだろうが幸い俺はまだ高校2年生だ。

ライバルは多いが少しずつ内容も良くなっていると信じたい。

あー!!!今すぐ異世界転移しねぇかなぁ!!!

馬鹿な妄想も作家の武器だ。

毎日毎日自転車漕ぎながら妄想してる俺の妄想力舐めんなよ。

空のコーヒーカップを掴んで部屋を出る。

無人の部屋にはエアコンのウィィィィンという音だけが残った。




「ユキー」

「んー?なんだ聖か」

「なんだとはなんだ。俺昼寝するから何かあったら叩き起してくれよ」

「またか!!あたしはアンタのめざましじゃないっつの!」

妹の雪にいつものようにめざまし役を頼んで自分の部屋に戻る。

今日も頭使った。9割妄想だけど。

くだらないことを考えているうちに俺の意識は眠気の海に沈んでいった。


ぺちぺちと何かが顔を叩く。

どうせ妹の雪だ。

「んん……ユキもうちょっと……」

「……何言ってるです?」

……こっちが何言ってるのか聞きたい。

しかしどうにも布団がゴワゴワしていてもう寝るのも無理そうだ。

体を起こして目を開けると。

美しい緑。

澄んだ湖。

空を飛ぶ見知らぬ鳥。

ーーーー俺は、どうやら異世界転移してしまったようだ。

「いいいぃぃやったぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

俺の歓喜の叫びが森にこだました。


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