悪く言わないで
飽きた、いやがんばった方だよ。でも、変化がほしかったんや。もっと、効率的に倒したかったんや。さて、どうすればより効率的にスライムを駆除できるだろうか。改造には、多くのアイテムが必要になるし、設備や機材も必要になってくるだろう。カエデに頼むという手もあるが、頼りっぱなしは趣味じゃない。
早いところ対等な協力関係になりたいものである。ためた魔石での新しい項目は調味料にした。なぜかというと、食生活を豊かにできるし、効率的にスライムを退治する案があるからである。
まずは油である。調味料の油は数あれど、このさいは味は関係ない。性能と量の多さを重点に置く。スライムに油をかけて、ぷち火炎放射で焼く。うん、明らかに効率があがっている。
私は、ある作品を思い出していた。そう、スライムに水分が多いから焼くのが面倒なのではないか。あるスライムの作品は塩で固めるというのがあった。脱水してから、油をつかって焼く。これだ。さっそく塩を召喚して、ぷち火炎放射で焼く。よし、さらに効率がよい。
こうなってくると楽しいもので、スライム退治にも調子がでてくる。行程はめんどくさくなったが、効率があがったことで魔石がどんどんたまっていく。
調子にのって3層まで降りていった。1・2階層よりは少し大きくなったスライムがいたり、多少動きが早くなったスライムもいたが塩で動きを封じて、焼き殺してやりました。魔石の質も上がって、ばんばんざいである。
魔石もだいぶんたまって、どういった行動をしようかと考えるようになった。とりあえず、現在の状況を変える事と、資金を得る事にシフトしよう。資金があれば、魔石も買えるしね。グリモアの新しい項目は、調理器具にした。
前々から100均の包丁すごいなと思っていた。投げナイフに軽いが、攻撃力は高そうである。現実なら購入制限があったり、店のバックヤードで保管とかもあるしね。まぁ、性能は値段相応だからわかっていたよ、うん。
「これ、刀身が死んでるわね。刃もついてない。こんなもの刃物と認めない。」
さすがカエデさん、はっきり言います。
「だから、これに刃をつけて売ることって可能ですか。」
「原型はできているから、その加工ってことね。しっかりと手直しさせてくれるなら、いい。」
そうだよね、無様なものは商品にできないよね。でも、それでもがんばって作っている人いるんだよね。うん、値段のための努力だよね。私は、わかっていますよ。
まぁ、これで多少は私の価値もあがっただろう。資金も増えることだろう。優先度は高くなかったが、鍛冶屋におせっかいになっているからこそ売れるものがある。金属関係である。欲しい物はいっぱいあるが、売れるものは売ってしまいたい。グリモアをレベルアップさせることにした。
それは裁縫である。裁縫も得意ではあるが簡単なものに限る。さすがに服とかはすぐには無理だが、道具関係は商売になる気がする。
カエデに商品をみてもらった。まずは針である。針の歴史は知らないけれど、そこまでオーバーテクノロジーではないだろう。糸の歴史は知らないが、針穴が小さいより大きいものの方が売れそうだ。後は針が細いから、指貫なんかも一緒に売ってもらうことにしよう。
「うん、これは売れると思う。私の店のなで卸すから、性能の確認と手直しがあればする。問題がなければ裁縫ギルドに卸してあげる。」
で、私の目論見は大成功。包丁も針も指貫も、売れに売れた。追加はまだかまだかと、注文がどんどんと舞い込んでくる。しかし、私の方の魔力に限界がある。ブーストの方法はないだろうか。マジックポーションとかあるのかしら、いやだめだきっと高いに違いない。
ある程度商品をだしたら、スライムダンジョンで必死にレベル上げをして、自身の魔力を高めるしかない。