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アマタの錬均術師  作者: 桜雪風月
2/10

初戦闘


「魔石をやったのだ、前払いとしては十分じゃろ。はよ、いたせい。」


 グリモアが光、孫の手がでてきたのは不思議だが、とりあえず耳かきをするしかあるまい。こうみえて、結構なテクニシャンなんだよね。犬や猫の耳かきをしたことないのに、いきなりドラゴンとかどんなハードモードかと思ったけど、やりぬく事ができた。


 「では、小さき者よ何を望む。」


 「えと、さきほどの魔石とやらが報酬なのでは?」


 「そのつもりじゃったが、すこぶる調子がよいのじゃ。望みを申してみよ。」


 『えー、いきなり言われても困っちゃうな。魔法のランプや七つの竜玉ばりに悩む。でも、現実的に行こう。』


 「ここから、一番近い街はどこですか。」


 「ここからしばらくいくと、学園都市がある。魔法と学術の町じゃな。」


 「ありがとうございました。」


 「「・・・・・・・・・。」」


 「終りか。」


 「えぇ、ありがとうございました。」


 「いや、もっと他に何かあるじゃろ。金銀財宝とか、嫌いな奴を殺してくれとか。」


 『ぶっそうな話キターー。』


 「望みがないわけではないのですが、短時間では思いつきません。それまで、貴方様の様な方をお待たせするわけにはいけませんし。」


 「ふむ、一応礼儀をこころえておるの。しかし、褒美が魔石と道案内ではドラゴンの沽券にかかわる。かわりに、これをやろう。」


 花魁ドラゴンは、鱗を一枚はがして、私に下さった。


 「おぉ、これはすごく嬉しいです。」


 「そうじゃろそうじゃろ、ういやつめ。それでは、さらばなのじゃ。」


 ドラゴンはそういうと、大空へと飛び去っていった。そして、私は死亡フラグを回避したのである。とりあえずは、ドラゴンから聞いた町を目指すしかない。


 ちなみに行程は思いのほかスムーズに進んでいる。何しろ、若返っていたからである。あぁ、体が軽い。前世はすこしいや、かなりぽっちゃりだったからな。でも、でぶマッチョだったので、筋肉はあったんだよ本当。


 歩きながらグリモアのことを調べていた。本の表紙はグリモアみたいにカッコいいけど、漢数字の百の字がかいてある。私が購入したのは、格安だしグリモアみたいだと思ったからである。なぜ売れ残っているかは、デザインのせいだと思っていた。カッコいいけど、表紙に漢字の百ってどうなのって感じである。


 ドラゴンがいたことから、ここはファンタジー世界で間違いない。そして、何もないところから、孫の手がでてきたことから魔法、もしくはちょうじょう現象があるということに他ならない。ならば、私の魔法とは何なのだろう。


 「サモン 孫の手」


 私の前に、孫の手がひとつ現れた。


 「マジか、私の魔法は孫の手を召喚するだけなのか。」


 リアルOrzしてしまった。表紙をめくると、800という数字が書いてあった。これは否ことを、表紙は百で次は800?とはどういうことだろう。


 考えていると、大きなニワトリみたいなモンスターが現れた。なぜモンスターかって、だってめっちゃでかい。天草大王の倍はありそうだ。


 異世界初の戦闘がニワトリか、でもコカトリスじゃないことに感謝すべきか。えぇ、私は善戦したよ。孫の手もがんばった。さすが竹である。しかし、孫の手二手流では殲滅力に乏しかった。


 「サモン ソード。・・・・・・。」


 そう叫んだけど、ソードはあらわれなかった。グリモアも私の体内に、いつのまにか消えたしな。感謝すべきは、巨大ニワトリである。ちゃんと止まっていてくれている。3歩進んで忘れてくれればいいのに、思い出したように攻撃してくる。オツムのできは、ちょっとだけいいらしい。その後は、ランスやらアックスやら言ってもむだでした。英語が悪いかと思って、なんせ表紙が漢字だしな。剣やら槍やら斧もだめでした。


 「あぁ、せめて鉄製の武器がないと死ぬかもしれん。メリケンサックでもいい、だめなら金属のダンベルでもいい。」


 そうすると目の前に、D型ダンベルがあらわれた。これでいけるかもしれん。勝機をみいだして、もう一度願う。


 「サモン D型ダンベル。」


 こうして、D型ダンベルを両手に装備して、巨大ニワトリとの死闘に打ち勝ったのである。さてと、この戦利品をどうしますかね。お約束だと、町に入るのにはお金がいるだろうから、その質ぐさにでもしますかね。でも、これを運びながら移動するのは酷である。


 「運を、天に任すしかないか。収納。おっしゃぁ、天は、私を見放さなかった。」


 巨大ニワトリが収納できた。もう、わけワカメだが万事OK。町を目指す事にした。

 

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