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アマタの錬均術師  作者: 桜雪風月
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異世界はグリモアと共に


 「だめじゃ、そんなに見ないでほしいのじゃ。」


 「そんなこと言っても、気持ちよくなりたいんでしょ。抵抗しないで、さぁ開かせてもらうよ。」


 「しかたなかろう、なんせ初めての経験じゃからな。痛くしたら、しょうちせんのじゃよ。」


 「そんなに震えながら怯えちゃって、カワイイなぁ。」


 「あぁ、こんなにかたくコリコリしっちゃって。ここが、気持ちいいのかな。」


 「あぁ、なんじゃこれわ。はじめての快楽じゃ。あぁれ、そこはだめ。」


 「気持ちいいみたいだね。じゃぁ、もっと奥まで入れるよ。この、かたくて長いものをね。」


 「あぁ、奥に入っていくのじゃ。敏感な所じゃから、手加減してたもれ。」


 「なるべく優しくはするけど、することはちゃんとさせてもらうよ。」


 「あーれー、もうだめなのじゃ。」


~~~


 あぁ、これが絶世の美女で膝枕なんかをしてもらって自分だったらどんなによかったか。


 ことの起こりは一つのグリモアから始まる。グリモアというのは魔道書、つまりは魔法の本と思ってくれればいいと思う。それを私が手に入れたことから、この物語が始まったのである。


 日本人は、剣と魔法のファンタジーが大好きである。そして、時代的には中世ヨーロッパって具合になるのだろうか。もちろん、私も大好物である。


 そんなファンタジー好きにも色々種類はあるが、最近の流行は異世界転生であろうか。ともはかくとも、なんども異世界転生だ、異世界転移やらだ拒絶反応を起こしている人も多い。なかでも、テンプレはトラックであろうか。まさに、トラック大活躍である。


 安心してほしい、私の場合はトラックトラベラーではない。このグリモアのせいだと思われる。このグリモアは格安で購入したものであった。しかし、家に持ち帰りほっておいたのである。まさか、異世界に行く力を持っているなんて想像もしてなかったからだ。


 しかし、なぜ異世界に来てしまったのだろう。まさか、魔法に目覚めたのだろうか。そして、私は今日から魔法使い・・・。ちょっとだけ悲しくなってしまった気がするが、気のせいだろう。


 私がなぜ異世界転生したか。わかったかというと、目の前にバッチリとドラゴンがいるじゃありませんか。私は思わず言っちゃいましたね。えぇ、言っちゃいましたよ。喉を突き破らんかのごとく。


 「なんだよ、このクソゲーわぁーーーー。」


 『あぁ、もうお仕舞いだ。死んだ、はい、死にましたよ。異世界転生史上、けっこうな最速タイムかもしれませんよ。』


 「なんじゃ、いと小さきものよ。わらわを前にして、叫び声一つあげぬとはたいした奴よ。しかし、どこから現れた。」


 『なに、このドラゴン。耳悪いんじゃないの。』


 「まぁよい、小さきものよ。わらわの悩みを解決すれば、お主に英知をあたえてやろう。」


 『なんていうか、絶対的強者にだけゆるされる態度だが、ドラゴンじゃしょうがないよね。』


 ようは、耳が悪いからなんとかしろってことだよね。なんとかジェスチャーしながら、ドラゴンの耳を見てみる。なんか詰まってますね、しかもびっしりとね。


 「ながき眠りから覚めてみたら、急に耳が悪くなっておっての。老竜になるには、早すぎる。眠っておった場所が悪かったのかもしれんな。」


 そういえば、鉱物に見えないこともない。しかし、ドラゴンの耳かきなんてどうすれば、いいんだよ。

悩んでいると。


 「なんじゃ、はようせい。ちいさきものよ。」


 いや、どうにかしてあげたいのは、やまやまなんですけどね。手でやるには小さすぎるんですよ。なんかこう、もっといい方法はないかしら。


 「しかたがない、それはグリモアじゃろ。特別に褒美の前払いをしてやろう。」


 花魁口調の竜が、なにか綺麗な石を投げてよこした。そのとき思いましたよ。あっ、死んだ。しかし、とっさに反応してもっていたグリモアでガードすると、綺麗な石がグリモアに吸い込まれていった。本が光りだすと、私の想像していたアイテムが現れた。


 そう、なにを隠そう『孫の手』である。そして、話は冒頭へと続く。


 

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