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監禁

作者: 白衣らん

いつからだろうか私がここにいるのは


私は気が付いたときにはもうこの暗闇の中にいた。初めはこの暗闇が無限に続いていると思っていたが、そんなことはなく有限であることがわかった。しかし、出口がどこにあるのか見当がつかず、私は出ることができなかった。


一ヶ月が経った。この頃からこの暗闇が移動していることに気が付いた。初めから移動していることは何となく気が付いていたので、特に恐れなどはなかった。むしろ、気が付いた時からここにいるせいかこの暗闇の空間に対する興味の方が大きかった。


三ヶ月経過した時、私はある異変に気が付いた。暗闇が私に迫ってきているのだ。私はこの異変に少なからず恐怖を覚えた。この暗闇が迫ってくるのはいつまで続くのだろうか。私はこのまま暗闇に飲み込まれて消えてしまうのだろうか。そんなことばかりが頭をよぎり、ついに私はこの暗闇からの脱出を試みた。しかし、この時私はもう一つの異変に気が付いた。手足が動かないのだ。三ヶ月のもの間、ほとんど動かなかった生活が祟ったのだ。私は今までの自分の浅はかな考えを深く後悔した。そして改めて事態の深刻さについて理解した。


とうとう五ヶ月が経った。努力の末ようやく手足を動かせるようになった私はこの有限の暗闇を殴ったり蹴ったりした。こうすることで誰かが気が付き、助けてくれるかもしれないと思ったのだ。しかし、私の努力も虚しく誰も助けには来てくれなかった。だが、私は諦めなかった。もしかしたら、誰かが助けてくれるかもしれないという淡い期待を捨てきれず、私は暗闇に対する抵抗を続けた。

こうしている間にも暗闇は私に迫り続けていた。


七ヶ月が経った。とうとう暗闇は私と同じぐらいの大きさになり、私はほとんど身動きがとれなくなってしまった。

怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて

私は暗闇に抵抗した。すると、外から微かに何かの声が聞こえた。私は助けが来たのだと思い、必死に暗闇に抵抗し気づいてもらおうとした。しかし、外にいる彼らは私に気が付いていないのか、ただ笑うだけであった。


どうして、どうして助けてくれないんだ!私はここにいる!!助けてくれ!!………助けてよ……。


私が助けを求めても彼らはただ笑うだけであった。

私はもう、この暗闇から出ることを諦めていた。


もう気が付いてから九ヶ月…いや、十ヶ月ほど経っていた。もう、暗闇は動くこともほとんど無くなり。私が身動きをとるスペースも無くなっていた。いや、暗闇は迫ってきてはいたが抵抗するだけのスペースはあった。しかし、もう助けが来ないと思っていたが故に、抵抗する意志を失った私にとってそんな微少のスペースは無きに等しかった。そして、私はこのまま暗闇に飲み込まれ消えてしまうのだろうと自分の運命を受け入れていた。


その時だった、外が今までに無いほど騒がしくなり、同時にこの暗闇に一筋の光りが射し込んだ。私は助けが来たことに嬉しくなり、泣きそうになった。しかし、泣くのはまだ早い。今までの絶望を捨て去り、一筋の光りに、希望の光りにめがけ私は助けの手を伸ばした。すると、私の助けに答えるように光りの先から救いの手が差し伸べられた。しかし、その手を見たとき私の希望は一瞬にして、絶望に変わった。

その手は私の手の四倍ほどの大きさがあったのだ。私はこの異様な手の大きさに恐れをなし、命の危機を感じた。これは救いの手などではない、悪魔の手だ。捕まっては殺されてしまう!!私は捕まる訳にはいかないと出した手を引っ込めたが、その巨大な手に頭を掴まれ、暗闇から引き釣りだされてしまった。

私は恐怖のあまり声をあげて泣くことしかできなかった。私は、この巨人に食べられてしまうのだろうか。この後どうなってしまうのだろうか。いづれにせよ、もう死を覚悟していた。

すると、私を抱えていた巨人が私をもう一人の横になっていた巨人のもとに連れてきた。


嗚呼、私はこの巨人に喰われてしまうのだな………。


そう思ったときに、その巨人が私の耳元で今まで聞いたことも無いような言語で囁いた。


「ウマレテキテクレテアリガトウ。」



読んで頂きありがとうございます。

今回の作品が初投稿です。おかしな日本語も有るかもしれませんが、温かい目で見守ってください(笑)

コメントとかあると嬉しいです。

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