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実験中

シアン(実験開始!)

私には試したいことがあった。全ての属性魔法を使えるのはこっそり試して知ることができたけど、威力…というより魔力がどれだけあるのかわからなかった。試すとなると、どうしても目立ってしまう。あの時は今世の両親モドキに魔法が使えることなんて知られたくなかった。でも、ここは人どころか魔物も少ない。試すには打ってつけ!

私は早速マジックボールという魔力があれば誰でも使える魔法で試すことにする。ボールをイメージしながら魔力を込めて飛ばすだけ。

魔力を込める。すると、半透明の魔力の玉が出来上がった。ここから、ここから。もっともっと…。しばらく込めると水色になった。確か本の内容を思い出すに…ここまでできれば魔力に関しては、もう天才の領域だったはず。…でも、まだ込められそうなんだけど。試しに限界まで込めようと思ったけど、途中で止めた。玉の色が真っ黒になったのだ。…どうしよう。凄く怖いんだけど…。

私はこれ以上は危ないと判断し、中止。真っ黒になったマジックボールを空に向かって放った。方法を変えよう。…というより、あの暗黒玉、空に向かって放つので良かったのかな?

とりあえず方法を変更。どのみちやらないといけないんだけど、魔物が寄ってこなくなる、所謂虫除けのような結界を張る。一応、天才の類なのはわかった。後はどの程度規格外なのか。結果からいうと何日経っても消えるどころか弱まらなかった。…大丈夫なの、私? そういうことで、自分なりに調べた結果、測定不能ということにした。




『レイ、この国の何処かに悩みを吐き出せる場所とかってない?』

あれから数日、私はある時から溜め込んでいる悩みを吐き出したい気持ちになっていた。

「姉さんにも悩みが…、僕に吐き出すのではダメ?」

貴方、私が悩みのない人間だと思ってたの!?ショック~…。失礼ね!それは前世の時の私よ!…あれ?涙が…。

『ダメ、こう…心をスッキリさせることができる場所。』

「…教会かな?あそこで神に悩みを吐き出すと心が落ち着くって何処かで聞いたことがあるよ?」

神に悩みを吐き出す…ね。私、神を信じない質だけど、やってみよう。




ということで、私はレイの案内のもと、教会に向かっていた。レイは場所をきちんと覚えていて、まっすぐ教会にたどり着いた。

「ここだよ、姉さん。」

普通ね。私は軽くノックをして入る。そこには神父がおり、用件を伝えると簡単に招き入れられた。…私、今教会に来たことを物凄く後悔している。

「では、あちらへ向きフレイ様にお祈りを…」

神父が示した方向には丁寧に作られた女神の像らしき物が置かれていた。炎の女神らしい。

ただ…めちゃくちゃ顔に見に覚えがある。前世の私の中学からの友達の顔と瓜二つ。 確か藤原麗奈って名前で勉強も運動もできてた文武両道の優等生。私に苦手教科を必死に教えてくれていたわ。おかげで赤点は回避。唯一、麗奈と女神の像の違いはかなり胸が盛られていることだろうか。…確かに感謝してる相手だけど、その友達そっくりの像に向かって祈るの?どんな罰ゲーム?でも、このまま何もせず帰ると不審がられる。とりあえず、適当に吐き出してさっさと帰ろう。

私はこの体に生まれ変わってから変わってしまいました。チンピラに絡まれた時、殺意が芽生えたんです。前世では殺意が芽生えたことなんて一度もありませんでした。あの時は心が綺麗だったように思えます。あの時の自分に戻れますか?…以上。

実はあの時、冷静になってから自分を見つめ直すと、心が汚れているような気がしたの。しかも、それをまるであれくらいされたら殺すのが当たり前かのように。いつか私は人を殺してしまうのではないかと思うと怖かった…。前世の私では考えられないことなのに。酷い生まれだから歪んじゃったのかな…。

でも、まさか友達そっくりの像相手に祈ることになるなんて。まあ、多少効果はあった気がする。さて、祈りを解いて早く帰…

結愛(ゆい)!結愛よね?久しぶり!』

そうそう、こんな凛とした声だったわ。懐かしい…えっ?

???『結愛?聞こえてる?』

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