表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/8

建設中

シアン(あっ、忘れてた…。杞憂だったわね…。)

「姉さん!ここ、綺麗な川が流れてるし、魔物も少ないよ!」

拠点に相応しい場所は思いの外、早く見つかった。川の水も…大丈夫ね。めちゃくちゃ綺麗なんだけど。まあ、願えば一発よ。この流れ…じゃなかった、願えば叶う体質はこういう時に役に立つ。ただ、叶えなくていいことまで叶えてしまうから好きになれないだけで。

川があれば魚も捕れるし、体も洗える。ふふん!何だか無人島生活してるみたいでワクワクする!

「でも、どうするの?簡単な小屋でも一からやってたら日が暮れちゃうよ?」

ご心配なく!複数の属性を使うことができればこういうことだってできる!え~と、土属性と水属性で…えい!

私が二つの属性を用いると地面から突然木の柱が現れ、簡単な小屋を形成した。

「えっ!?…木?」

『本で読んだことない?土属性と水属性を混ぜると木属性になるのよ。』

「そうだったんだ…。魔法のことは諦めているからあまり読んでなくて…。」

諦めちゃダメよ!と伝えたい。色が出たからには何かあるはずだから。でも、私もそれが何なのかよくわからない。わからないのに伝えてぬか喜びさせたくないし。私なりに調べるから諦めるのはもうちょっと待ってて!…と、その前に家具作り。長居はしないし、机と椅子くらいでいいわね。魔法って便利ね。

それ以外にも小道具を幾つか作っていると、いつの間にか森を紅く照らしていた。もう夕方…。さて、魚を捕りましょう。

「姉さん、何処行くの?」

『魚釣り。』

えっ?釣竿も作ったのかって?作ってないわよ。面倒くさい。こうするのよ!水の魔法で打ち上げる。作っておいた水の入った木の桶にダイレクト!大漁!

「…姉さんって一人で生きていけるね。」

呆れないでよ!

「それじゃあ、僕が料理をするね。姉さんにばかりに頼ってられない。」

レイは私が錆取りした刀で捌こうとする。私はその手を掴んで止める。あぶなっ!

「姉さん!どうして止めるの!」

『止めなさい!それでゴブリン斬ったでしょ!それに包丁代わりには少し不適切よ。』

「うっ、じゃあ、どうしたら…」

簡単よ。氷の魔法で包丁を生成。まあ、溶けちゃうから一日限定だけどね。レイがその包丁を受け取ろうとするが渡さない。

「姉さん!姉さんばっかりだと申し訳ないよ!」

『男の子には男の子にしかできないことがあるわ。ほら、あの樽モドキに川の水を入れて火で温めて。』

お風呂よ、お風呂!家では全然入れてもらえなかったし。ちなみに男の子にしかできないなんて伝えたけど、力も私の方が上だったりする。どうも、前世の力が引き継がれてるみたいで。体育では常に一番だったもの。断トツで。 音楽も、家庭科も、…えっ?基本の五科目、国数英社理は?…って?い、一番よ!そう!断トツで!一番…点数が低かったのよ!(泣)

「姉さん?泣いてるけど…もしかして指切った!?」

レイが火に酸素を送りながら心配そうにこっちを見る。

『目にゴミが入っただけよ。』

そう、泣いてないのよ!だから、心配そうに見ないで!あっ、家からくすねてきた紙がキレそう。木を風の魔法で薄くカットして補充。色が茶色で文字が読みにくいかもしれないけど、特に気にしない。

う~ん、地球でも見たことがある魚もいるんだけど、この世界ならではっていうのもいるわね。だったら、光属性魔法アナライズで毒性がないか調べる。…全部問題なし!それもそっか。私が食べるのを目的に捕ったんだから。本当に何でも叶うね。丁寧に捌いていって…お刺身のできあがり!ご飯と酢と醤油があったら、お寿司ができたのに!まあ、綺麗に御作りができたし、今回はそれで納得しよう。

「はあ…はあ…、姉さん…終わったよ…。わっ!?凄い!何だか芸術みたいだね!」

そんな大袈裟な…。

「でも、火を通してなくても大丈夫?」

あっ、この世界では…いや、この国出身では生で食べる習慣はなかったわね。

『大丈夫、美味しいわ。いただきます。』

「…いただきます。」

そうそう、このいただきますって私が教えたのよ。私を見て育つって何だか嬉しい!まあ、命の恵みに感謝するのも大事って理由もあるけど。




食後に少し時間をおき、レイはお風呂に入っていた。当然、火は私が担当。魔法で。レイがお鍋の具になってるみたいで、面白い!

「姉さん、何だか変なこと考えてない?」

『…気のせいよ。』

誤魔化そう、レイがお風呂嫌いになりそう。

「姉さん、ずっとこういう生活を続けるの?」

『いいえ、近いうちにこの国から出ます。その方がお互いのため。』

「…そうだよね。姉さん!今は僕がお世話になってるけど、いつか僕が姉さんを助けてあげるね!」

『うん!期待してるわ!』

ごめんなさい!そんなに期待してないわ!そして、レイが出た後で私も入り、寝る前にあることを実験してみることにした。

シアン(さあ…果たして…)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ