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食事中

ゴブリンキング「ゴブ…?(何処行った?)」

つ、疲れた~…。あれだけ走ったのは転生してから初めてね…。気がつくと私達はギルドの前に立っていた。今回はよかったけど、もし、全く別の方向に走ってしまっていたら、依頼報告明日にしてたわ…。ギルドの中に入り、親切に接してくれた受付嬢に私は無言で袋を渡す。無言は失礼?喋れないからなんだけどね。

「お疲れ様です。それでは、確認させていただきます。…大丈夫でしたか?」

受付嬢は心配そうに私達を見る。怪我をしていないか確認しているのだろう。ゴブリンキングと戦ってたら危なかったわ…。

「いち、に………五十!?…失礼しました。こちら、報酬の6000sでございます。」

まあ、六歳の子供二人でゴブリンとはいえ五十も倒すとは考えないだろうし、今の態度は失礼だとは思わない。でも、一体で100sだったんじゃないの?表情に出ていたのか、あるいは最初から説明するつもりだったのか受付嬢が続ける。

「今回の依頼は一定以上の数を倒すとボーナスが入るものだったんです。本来は受けたときに伝えるべき立場ではあったのですが、伝えると無理をするのではと黙っていました。申し訳ありません。」

受付嬢が私達に頭を下げる。寧ろ、褒める!マニュアルに縛られず、臨機応変に対応できる人、私は好きよ!それに相手が子供なのに、雑に扱わず一人の冒険者として接し、頭を下げるなんて普通はできない。貴女は受付嬢の鑑よ!

『気にしていません。心配してくださってありがとうございます。しかし、これで私達の実力は認めてくださいましたか?』

「そうですね。実力の方はもう心配していません。ただ、冒険者というのはいい人ばかりではありません。時には騙してくる者もいます。もしかしたら、子供が相手だからと騙しやすいと判断し、お金を騙し取ろうとする者が現れるかもしれません。気をつけてください。」

なるほど、実力の次は人を見極める目ね。

『忠告ありがとうございます。』『レイ、食事に行くわよ。』

「えっ、あっ、うん…。」

なに?どこかおかしなところでもあった?まあ、食事をしながらでも聞きましょう。




「いらっしゃいませ!何名様でしょうか?」

『二人です。』

「畏まりました。席をご案内致します。」

席につき、値段に気をつけながら注文し、来るのを待つ。

『ねえ、レイ?何だかオドオドしてない?それも私に対して。』

「えっ、え~と…」

『言わないと…顔の形が変わるわよ?』

ずっとこのままだと気になって仕方ない!早く解決したいのよ!

「言うから待って!えっとね、姉さんって本当に僕と同い年なのかな…って。」

『何でそう思うの?』

内心動揺が隠せません!

「何というかね…、知らない人とも平然と会話してるでしょ?それに親に捨てられて普通はショックを受ける。僕は姉さんが一緒だから立ち直れないほどじゃなかったけど、姉さんは何だか清々したって感じだし…。」

う~ん、言われてみると色々と普通じゃないかも。

「それに、それからどうしたらいいのかすぐに考えつくし、少なくとも僕より遥かにしっかりしてる。失礼かもしれないけど、僕よりずっと年上なんじゃないかな…って思ったんだ。」

中身は合ってるわ。精神的には立派な大人よ。けど、どうやって誤魔化そう。転生者だって言っても信じ…そうね。でも、話したせいで私への接し方が変わるかもしれない。それはちょっと寂しい…。

「お待たせ致しました。注文の品でございます。」

よし、ここは!

『いただきます!私、これ好きなの!』

子供っぽく振る舞おう。普段はキャラを作ってるって思わせることにする。ちょっとはしゃぎ方がわざとらしいかなと思ったけど、レイの表情を見るに誤魔化せたようだ。それじゃあ…

バシャ!

あっ…、あーーー!!お酒がかかって料理が台無しに!?何てことしてくれるのよ!なけなしのお金で頼んだのに!

「ここはよ、薄汚いガキが来るところじゃないんだよ!飯が不味くなる。出ていきな!」

私の料理に酒をぶっかけた男がそんなことを言う。確かに捨てられて服も汚いものに変えられたけど、これはあんまりよ!

『私達だって客よ。お金を払ってご飯を食べる。確かにお世辞にも綺麗な服とは言えないけど、それだけで追い出される謂れはないわ!弁償してください!』

「なんだあ?紙に書いて生意気に言い返しやがって!」

すると、別の男が紙を引き裂く。コイツ…!私は魔法で水の玉を作って威嚇する。相手は三人…ね。

「なんだ、お前?ひょっとして、冒険者か?」

「面白い。だったら、勝負しようぜ?お前達が勝ったら、ここで食事することを許し、俺達が払ってやるよ。」

「だが、負けたら出ていけよ?帰る準備をしておきな。」

「「「ギャハハハ!!」」」

『その勝負、受けるわよ。約束、守りなさいよ。』

怒りを通り越して呆れる。怒るだけ無駄。それにせっかく奢ってくれるって言ってるんだし?私の勝つことが前提の物言いに腹を立てたのか男達が怒鳴る。

「てめえ…。」

「どうやら、大人を舐めるとどうなるかわからないらしいな。」

「高い授業料になるぜ?」

はいはい…。

「姉さん…。」

『レイ、貴方は見てなさい。お姉ちゃんの力、見せてあげるから。』

さあ、祭りの時間よ!

シアン(後悔することね!)

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