ナイフ
グロ注意。残酷描写あり。支離滅裂。
12月の夜。テレビではいつも流れるあの曲が流れている。あの曲が私は嫌いだ。理由は特にないけれど。
母親は死んだ魚のような目をしてテレビをにらんでいる。あの人に感情というものが存在しているのかも私にはわからないが。父親は、どこかの女と遊んでいるんだろう。知らないし、知りたくもない。
世界なんて、滅んでしまえばいいのに。
簡単だ、どっかの核所有国がいっせーのーで、と核のスイッチ押せば世界なんてすぐに消えるだろう。まあ、こんな考えは中学生のガキの一妄想で、実際はどうなのかは知らない。知ったところで日本の普通の家庭に住むような中学生が何かできることはないだろう。
そんな私だけど、人を傷つけることも何もできないような弱い私だけど……前と変わった。ポケットにいつも忍ばせているナイフ。これだけが私の見方。
このナイフがあれば大嫌いなクラスメイトだって殺してしまえる。父親だって、どうにかできる。一番、殺したいのは自分なのだけれど。
テレビを見る母親が音もなく立ち上がる。無表情。感情なんてなさそうな、真っ白な顔。母親は何も口にしない。私は座って携帯のメールをチェックする。母親は私のすぐ横を通り過ぎ、台所へ行く。
「ママ、何するの?」
一応「娘」なので声はかけておく。母親は小さく
「見ておきなさい」
と笑いがふくんだ声でつぶやく。私は脳内ハテナで埋め尽くされ、友達へメールの返信をするために文字をうつ。今日は寒いよね。みたいなありきたりな内容。
気配を感じた。
背後に母親が包丁をもって立っていた。「なーんてね」と口だけ笑っていう。気持ちの悪いことこの上ない。
「何?」と私は眉をひそめて母親に問いかけるが母親はにたにたと笑うだけだ。一瞬私を殺すのかと、そう思った。
「ママはね、あんたのことが憎いのよ」
自分語りなんて聞きたくありません。そう思うが私はなんとなく相槌をうつ。
「だから、あんたを殺そうかと思ったの。だけどね、それじゃあ面白くない」
その刹那、振り下ろされた何かで私の右腕に激痛が走る。激痛なんてレベルではない。腕が切り落とされた。徐々に痛みを脳が感じ、私の額からは汗がにじみでてくる。母親はにたにたと笑うまま。
「どう? 痛い? ねえ? 痛い? ねえ?」
おかしくなった母親は笑い続ける。バックミュージックでテレビの司会者が楽しげに話をしていた。私はどうにか左腕を駆使し、ポケットからナイフを取り出す。
「私……だ、って……」
時間がたつたびに痛みが激しくなっていく。これが狙いなのか。
「残念でしたァ」
目の前の風景がリアルとは思えなかった。
手袋をした母親は自らの顔に包丁を突き刺し、その後心臓あたりに包丁を入れ込む。
「ふふふ、あんたは何もできない。ママが死ぬのを見るだけ」
手袋をはずし、母親は倒れる。
私は目を見開いたままで、携帯のバイブ音が聞こえるけれどそれより母親のうなり声が耳の奥に上書き保存され、何度も再生される。
まだ生きている。
声なんて聞きたくなかった、白目むいた母親なんて見たくもなかった。私は左手にあるナイフで母親の体を刺しまくった。感触は吐き気がするほど気持ち悪く、赤くない血が部屋中にあふれて、あふれて……。人間の生暖かい体が不快でしかたなかった。
「いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやああああああああああああああああああああああああ」
しゃくりあげながら叫ぶ、叫ぶ。
ナイフ、それは自分を守るものにもなるが自分自身を傷つけるものにもなるのかもしれない。
書いてて意味がわからなくなりました。
というか、中二病すぎる……というかこういう話書いたのはじめてだったんで、
戸惑ってます。
気分害されたらごめんなさい。