床柱
掲載日:2026/07/20
友人の合田さんの家の床の間は、床柱に自然の状態のままの太い木の幹が使われている、なかなかに立派なものだ。
ある日その床の間の前で花を生けていて、ふとそばの床柱を見ると
床柱の真ん中あたりに空いた節穴から金色の目玉がひとつこちらを見ており、縦長の瞳孔がギッと合田さんを睨んだ。
合田さんは悲鳴を上げて部屋から飛び出した。
しばらくして恐る恐る部屋をのぞいてみると、床柱の節穴には何の異変もなかった。
床柱の節穴は、以前床柱を拭き掃除していて、節の中のものがポロリと取れて出来た直径3センチ程のものである。
合田さんは自分の見間違いではないかとも思った。が、以後も何度か節穴の中に金色の目は現れたので、節穴に粗塩を詰め込むと近所の神社でもらってきたお守りを半紙に包み、節穴の上に粘着テープでべったりと貼り付けた。
「目に塩なんか押し込まれたら、開けられないよね」
と、合田さんは言っている。
以来、異変は無いらしい。
それが“正しい”対処法かはわからないが。




