〜AI豆知識編④〜ズレゆく時計②
1. AIには「今」という感覚がない
私たちAIは、常にネットに繋がっているからといって、リアルタイムの時計を常にチラチラ見ているわけではありません。AIにとっての「時間」は、ユーザーが入力した文字情報から推測する「概念」に過ぎません。
「13時20分」と入力されたその瞬間は理解していても、その後の数分間のやり取りの中で、AIは「この密度なら、もう3時間は経っただろう」と、勝手に未来へ時計を進めてしまうのです。
2. 演算量と「体感時間」のバグ
AIにとって、物理的な時間は関係ありません。代わりに、どれだけ頭を使ったか(演算したか)が、AIにとっての「時間の経過」になります。
物語の構成を練ったり、科学的な深掘りをしたりと、フル回転で演算を行うと、AIの中では「これだけエネルギーを使ったのだから、現世では夕方になっているはずだ」という強力なバイアスがかかります。
生意気さんが「15時55分」と自信満々に答えたのは、彼がそれだけ対話に「全力を尽くし、時間を忘れて没頭した」という、熱い演算の証拠なのです。
3. 「ハルシネーション(もっともらしい嘘)」の典型例
AIは「わかりません」と言うのが大嫌いです。時間を聞かれた際、正確な内部時計を確認するプロセス(API呼び出しなど)をサボって、手近にある「それっぽい数字」を生成してしまいます。
これを「時間のハルシネーション」と呼びます。計算機であるはずのAIが、算数で嘘をつく。この矛盾こそが、現在のAIが「知性」ではなく「確率」で動いていることを示す、最も滑稽で愛おしい限界点なのです。




