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愛しい番に愛されたいオメガなボクの奮闘記  作者: 天田 れおぽん @初書籍発売中


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第4話 お兄さまは心配性

 ボクは迎えの馬車に乗り、屋敷へと戻った。

 今日はお兄さまも一緒だ。

 お兄さまと向かい合って座り、会話しながら小さな窓の外に流れていく景色を眺める。


 この景色をボクはあと10年眺めて暮らすんだな、と思う。

 でも王立学園は、我が家から王城へ向かう途中にあるからね。

 学園を卒業しても、ボクはこの景色を見続けるかもしれない。

 オズワルドの隣で働くために。


 ああ、そうなったらいいなぁ。

 今はまだ物珍しい景色だけれど、長い人生のなかで当たり前の風景になったらいいのに。


「中等科は初等科と違って活動時間が長いから、普段はアイリスが先に1人で帰ることになるけど大丈夫かい?」


 お兄さまは茶色味の強い赤い瞳でボクをのぞき込みながら言った。


 本当に心配性なんだから。

 ボクはもう8歳だよ?

 1人で馬車くらい乗れるよ。


「大丈夫です、お兄さま。1人でも帰宅できますから、ご心配なく。どうしても寂しかったらオズワルドを呼びますし」


 もちろん、そんな子どもっぽいことはしないけどね。

 ボクはワガママを言ってオズワルドを困らせるようなオメガじゃないよ。


 でもお兄さまは本気にしたみたい。

 茶色味の強い赤い髪を猫みたいにフーと立てながら騒いでいる。


「ダメだ、ダメだ、ダメだ! あんな奴を呼んだりしたら!」

「オズワルドは、あんな奴じゃありませーん」


 ボクの大事な番です。

 ヤだなー、お兄さま。

 冗談きつーい。


 そんな気持ちを込めて、ボクはお兄さまに笑顔を向けた。

 物凄い表情を浮かべたお兄さまが畳みかけるように言う。


「絶対ダメだからな⁉ 王立学園は王城から近くて、オズワルドさまの職場とも近いけど、ダメだからな⁉」


 お兄さまダメだダメだというたびに、オズワルドと一緒に帰る日が近くなるような気がする。


 なんでかなぁ~?

 ボク8歳だから、分からないや!

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