第17話 事後処理
結果からいうと、マキシムの婚約者は、元婚約者になった。
獣人族のなかでは身分が上のお金持ちの家の跡取り息子だったらしいが、勘当されて荒れ地送りになったようだ。
監視付きで荒れ地を開拓する羽目になったらしいよ。
「そりゃ、セインさまがいるのに暴れたのだから当然です」
カーティスが頬を膨らめてプンプンしている。
セインは隣国リーン王国の第三王子だけど、溺愛されているオメガの末王子ということらしい。
知らなかったなぁ。
セインって馬鹿だからワガママなんじゃなくて、溺愛されているからワガママだったんだ。
「それでマキシムはどうすることになったのだ?」
「寮に入ろうと思っています」
セインに聞かれて、マキシムは答えた。
セインが嬉しそうに笑う。
「なら我たちと一緒だな」
「よろしくお願いします、セインさま」
マキシムは椅子に座ったまま、丁寧に頭を下げた。
「おお、よろしく」
「こちらこそ、よろしくね。マキシム」
セインとカーティスはとても嬉しそうだ。
ボクは屋敷の庭へマキシムとセイン、カーティスを招き、お茶会をしていた。
せっかくのお祝いの席が潰されちゃったからね。
今日はクラスメイトを招いてお茶会だよ。
クラスメイトのお茶会だから、オズワルドはいない。残念。
あの事件の後、マキシムは我が家に滞在していた。
王立学園への到着が遅れていた獣人は、マキシムのことだったらしい。
「我が家は貧乏で、オメガの僕との婚約を条件に援助をしてもらっていて、王立学園への入学も援助のひとつだったんだけど。今回のことで慰謝料をたくさんもらったから、婚約はナシのまま王立学園で学べることになったんだ」
「そっか。結果オーライだね」
ボクはうんうんとうなずいた。
我が家の損害も莫大だったけど、お母さまが商人の手腕を発揮してかなりの額の損害賠償金を手に入れたようだ。
それにあの事件のおかげで防犯システムが幾つか売れたらしいよ。
お母さまは転んでもタダでは起きない商売人だ。
ボクも見習わなくちゃ。
ちなみに。我が家の防犯システムは新しいものに変わったよ。
バリアが上空と屋敷と地上とで分かれているから、次に同じようなことがあっても損傷は少なくなるらしい。
ボクにはよくわからないけれどね。
なんだかんだでマキシムを我が家で預かることになり、ボクたちは友達になった。
でも家にはアルファであるお兄さまがいるから、ずっと一緒に住むわけにはいかないんだって。
マキシムが寮に入ってしまうとボクは寂しいけど、学園では同じクラスだから会えなくなるわけじゃない。
これからの学園生活、楽しくなりそうだねぇ。




