魔法の正体
「お前たち、随分と派手に怪我してるじゃないか。」
「いてて、もっと優しくしてよー」
「仕方ないじゃねえかよ。生憎ここには回復魔法を使えるやつがいねぇんだ。これで勘弁してくれや。明日にはヒーラーが来るからそれまで待つしかねえさ。」
「残念だけど、今日はもう動けそうにないな。」
「気にするな。別に一日でそんな変わるもんじゃないさ。そうだ、お前さんたち暇だろう?せっかくだから魔法についての知識を教えてあげよう。」
そういえば、魔法って使ってるところは何回か見たし実際に戦ったこともあるけどあれどうやって使ってるのか知らないんだよな。
「まずだな、魔法っていうのは何もなしに手から出てくるようなもんじゃない。時間をエネルギーに変換するんだ。理論上は1秒に1Cのエネルギーを変換できるんだが、そんな奴はまずいないな。そう考えると、そのレベルで30%のミズナスはかなりすごいぞ。」
「え!?まじかよ!俺ってすげー!」
「ところで、魔法には属性があるのを知っているか?」
「炎属性の魔法はみんな使っていた気がする。他の属性は知らないけど。」
「そうだな。エルナリアの言う通り、炎属性の魔法が最も使用率が高い。なにせ全体的に必要なCが少ないからあまり魔力値がない人でも使いやすいんだ。あとは電気属性と土属性があるな。電気属性は炎属性を一段階ずつ強化したような属性で、癖はあるもののそのパワーに惹かれる者も多いと言うな。土属性はパワー自体は一番出るんだが、両極端な属性でね。ただこの中だと最高火力が出るから少なからず使用者がいる印象ではあるな。」
「伝説の属性とか聞いたことがあるよ!」
「そうだな。伝説の属性っていうのは光属性と闇属性、超力属性の3つのことを指すんだが、別にそんな大したものじゃないぞ。レベルが40に達するとその属性に変更できるんだが、もともと使ってた属性が使えなくなったり、使える魔法が2種類しかなかったりと使い勝手が悪いんだ。」
「じゃあなんで伝…」
「そうだな。まず、この魔法を使うためにはその属性への適正が必要となる。基礎の3つの属性にも適正が必要だが、そこで求められるそれとはものが違う。あと、100C近く必要になる最高火力の出る魔法があってな…それが放たれる様子からそう呼ばれているんだ。」
なんか俺だけ嫌われてないですか
「あとだな、魔法を使うにはそのエネルギーを貯めておく必要がある。それが魔力値だ。放たれた魔法には固有に威力が設定されているが、これは守備力を貫通する。ただし、割合で軽減されてしまう。これが魔力軽減だ。」
「ネクロマンサーってかっこいいよね!」
「そうだな。魔力でアンデッドのモンスターを模した実体を構成することができる。ただ、彼らが動くのにも魔力が必要だから、魔力を注ぎすぎない限り時間経過で消滅してしまうな。他には種類こそ少ないがバフや回復の魔法もあるぞ。」
「まあ、今日はもう早く寝なさい。」