表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/13

第三話

天文十七年 (一五四ハ年) 三月 越前国 一乗谷 朝倉氏館


「一大事で御座います!」


 供回りが慌ただしく入って来た。


「どうした?騒々しい。」


「それが...大殿がお亡くなりに、なられました。」


「誠か!」


「はっ。」


 遂にか。最近、病気がちで心配していたが、とうとう亡くなったか。これから、自由に出来て嬉しい反面、もう話せないと思うと、悲しい。


 父上の葬式はとても盛大な物になった。将軍家からは、足利義輝の名代として三淵晴員が、公家からは三条西公条、飛鳥井雅綱、一条房冬、二条晴良などが来ていた。  


天文十七年 (一五四ハ年) 三月 越前国 一乗谷 朝倉氏館


 葬式が終わり、宗滴を部屋に呼んだ。


「宗滴、俺は天下を統一しようと思っている。」


「天下を統一すると言うことは、将軍家を滅ぼすということで、御座いますか?」


「ああ、そうだ。将軍家の要請で戦をしていたお前には、受け入れ難いか?」


「そうで御座いますね、某は臣の役目を果たすだけで御座います。」


「その臣の役目とは、どの様な事だ?」


「臣の役目とは、主君が将軍家であろうとも、滅ぼせと御命じるのであれば喜んで滅ぼす事でしょう。ですが、主君が誤った事をしようとするので有れば、止めるのもまた臣の役目でしょう。ですので、殿がどう言う理由で滅ぼそうとお思いに、成られたのか知れたいのです。何故、将軍家を滅ぼそうと、お思いに成られたのですか?」


「...応仁の乱以降、八十一年の間ずっと、日の本は荒れている。その間に、数え切れないほどの人々が死んだ。俺は思うのだ、将軍家の意義とは、日の本の安寧を、維持する事だと。しかし、将軍家はそれをしてこなかった。それどころか、日の本が荒れる要因になっている。では、何故荒れる要因になっているのか。弱いからだ。それならば、俺が強い幕府を作り、日の本に安寧をもたらそうと、思ったのだ。」


「なるほど、では将軍家を滅ぼさずとも、補助したら良いのでは御座いませんか?」


「それでは、ダメなのだ。永世五年に、大内義興と細川高国が手を組んで、足利義植を将軍として擁立したが、足利義植と対立して結局、大内義興は領地に帰り、細川高国は殺された。この事から分かる様に、擁立し、補助するのではいかんのだ。」


「...殿がそこまで、考えておられるのならば、喜んで協力しましょう。日の本の安寧の為に。」


「ありがとう。お前が俺に協力してくれるのならば、百人力だ。」


「ありがとうございます。ですが、まだ天下を目指す事は隠しましょう。将軍家から幕敵にされて、周辺の勢力に攻められてしまいますから。」


「そうだな。今はまだ、他の者に伝えるのは早いな。」







読んでくださり有難うございます!

評価やブックマークをして頂けると投稿ペースを上がるかもしれないのでつけて頂けると幸いです。

評価は⭐︎マークからできます。

感想やレビューを頂けると嬉しいです。

最後に今後も応援した貰えると助かります!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ