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川を流れる花の名は  作者: 一条悠
8/22

楊宣視点

楊宣視点はいかがでしょうか。

花琳とバイバイして家に帰る道中です。

色んなことをぐるぐると思い巡らせながら楊宣は家に帰る。

もらったお守りを見て徐花琳様を思い浮かべる。

徐家の屋敷はとても立派な屋敷だった。初めて見たわけではないが何度見ても屋敷の大きさに圧倒される。

格の差を突きつけられているような気分になる。

昨日会った時になんとなく高位の貴族だろうと推察していたがまさか四大貴族の徐家の娘だとは思わなかった。

一介の商人が気軽に話していい相手ではない。

横にいた侍女も始終横目で睨んできた。

身じろぎするくらい圧が強かった。

だが、徐花琳様は身分を気にせず接してくれる。

自意識過剰かもしれないが、好意を向けられているような気さえする。

徐花琳様は眉目秀麗なだけでなくとても聡明で話していて楽しい。

帰らずにあのままもっと話していたいと思った。



目の前を横切る馬車を見て屋敷の前にいた曹家の若様を思い出す。

街で何度か姿は見たことがある。

女人に言い寄られているところも見たことがある。

楊宣にはわからないがああいう人を容姿端麗と言い、都中の女人を虜にしているらしい。

あの男は花琳を娶りに来たと言った。

都中の女人を虜にしているとはいえ、曹家の次期当主に浮ついた話を聞いたことがなかったため驚いた。白昼堂々とあのようなことを言うのだから余程、徐花琳様のことを好いているのだろう。

曹家と徐家、お似合いだ。


徐花琳様は自分には荷が重く相応しくないと言っていたが全然そんなことない。

徐家と曹家。同じ四大貴族同士釣り合わぬ訳がないだろう。

むしろあの男の指摘通り、徐花琳様が自分といるほうが釣り合わない。

貴族でなくとも楊商会は都一の大商会。もし楊宣が跡取りなら望みは少なからずあったかもしれない。


楊宣が楊家の長男であるのに跡取りでない理由は、弟達と違って楊宣が養子だからだ。

昔、楊商会の経営が芳しくなく倒産しかけた。

もはやこれまでと思った時、姚家が手を差し伸べた。

後がない商会に手を貸したところで持ち直す勝算はないし、姚家には楊商会がどうなろうと知ったことではない。

だが、大量の銭を用意し、姚家という看板を付け、必要な人員を派遣してくれた。

代わりに姚家が要求したのは、生まれたばかりの赤子を養子として迎えることだった。

赤子を養子に迎えるだけという条件は楊家にとってこれ以上ないくらい美味しい話で、潰れかけの楊家は姚家に縋りつくしかなかった。

そして楊家の息子として育てられたのが楊宣である。

養子ではあるが、姚家からの養子であるからか実子の弟達と同じように大事に育てられてきた。いや、もしかしたら弟達より丁重に扱われてきたかもしれない。



姚家からの養子とはいえ、自分の出自についての詳しいことはわからない。姚家がどこからかもらってきた子かもしれないし、姚家の侍女が産んだ子どもかもしれない。

出自さえはっきりしない自分が徐花琳様の横に並ぶのは大変おこがましいことであるのは重々承知である。

徐花琳様からの好意を無下にすることはできないが、跡取りでもない自分の将来を考えると、彼女に関わることを控えなければならない。

身を引くのは自分であって、高貴な彼女に引かせてはならない。

それに徐花琳様はまだ15,6くらいだろうし、曹家のように他の貴族からの縁談も多く来る。心配することはない。


だが、徐花琳様を愛しく思ったのは事実。

彼女を近くで見守る手段はないのだろうか。


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