Vol. 13 ポーカーフェイス
あれから4年が経過した。早いものだ、もう4年前と同じように大統領選挙が開催され、データセンターにある投資判断サーバーも、ハナフダ3、マカラに改装されて後は、運用金額を大きくするメインをどっちにして、サブをどっちにするかってだけの時期が来た。
それにしても、なんでこう同じような作業の繰り返しなのか、誰かに聞いて応えてくれるなら聞いてみたいものだ。ブサにある投資判断サーバーは去年、大々的に元陸軍マフィアと企業舎弟が中心の設定から、元海軍マフィアと企業舎弟・・いや海軍関係者と関連協力企業が中心の設定に切り替えたものの、しょせんは東マジカのローカル・サーバー、麦国大統領が変わったら設定を変えないといけない箇所が色々とあるのだけれど、前回の設定で設定したまま一切、変えないで放置していたから、誰も何がどうなっているのかを把握していないので、4年前に設定した関係者が呼びだされる事になってしまったらしい。
おかしいなあ、予算が無いから現地採用の人を使うから御前は月本に帰っていいよって言われた時に引き継ぎしたと思うんだけどなー、どうしてだ? なんで変えなかったんだ? とか保守修正作業をしながら運用する人々が。とも思うが、御都合主義な管理職が、たぶん、「変えないで大丈夫なら変えないでいいんじゃないですかー、もし変えなきゃならなくなったら奴がナントカできるんじゃないですか、わははははー」とか調子よく口先ゴマカシと安請け合いをしてくれたんだろう困ったもんだ。
まあ、そんなワケで何故かデータセンターに再び来る事になってしまったのだけれども、知っている顔は誰もいない。そりゃそうだとも思うが、仕事が出来る奴は海を渡って麦国で高額な年棒を貰っているらしいし、出来なくて追い出されたのは過酷な環境の国に出かせぎに行ったりしているらしい。麦国式の業績管理システムを導入している関係会社が増えてから当たり前になった感覚とはいえ、誰かプロ・スポーツのフランチャイズ・プレーヤーじゃないが、ずっと残っている人がいても不思議じゃないよなと思ったが、それをやったら終身雇用が当たり前だった時代に逆行してしまうから無理だろうなとも思える。
今回の投資判断サーバーに関する設定変更に関する概要の説明で初日は終わる。4年前は小さな紛争だったのが大々的な戦争になった地域が2地域で発生した事の影響で、今まで通りの設定じゃ駄目になった産業用金属の商品先物取引部分と、軍需産業に供給するデジタル兵器部品関連企業の各種有価証券取引、それと結構なインフレが発生して物価高になったけれども労働者給料も年金支給額も高くできないから消費が縮小して不景気という、いわゆるスタグフレーションを起こして国民は悲惨な状態になっているけれども、国は国債の償還負担がインフレのおかげで軽減されるから放置という、国に金はあるけど国民は極貧な貧乏のドン底って新興国の国債や地方債取引。
そんな無能な経済オンチが運営している新興国の債権なんか叩き売ってしまえ。と俺なんかは思ったのだけれども、なんか知らないが、国と国との信用関係というか通貨スワップ契約というか、国の名前に銀行がついた中央銀行間での取り決めがあるらしくて叩き売れないらしい。だから、なんか暫定的にでもスタグから脱出するまで一時しのぎでもいいから国民暴動が発生しないくらいには手を打たないといけないし、資金運用委託契約で少しだけな一部の資金運用をしているだけとはいえ、年金資金の運用をしているサーバー12号、今の通称が、すぐに浮かばないくらいに印象の薄い名前な投資判断サーバーを使いまわしましょうね。という管理職が決めた方針が説明された。
前回は5月に呼ばれて11月いっぱいまでだったのが、呼び出されたのが11月・・「いつまでに終わらせる見積もりなんですかねー」と管理職に聞くと、「いや、担当する責任範囲が狭いワケことだしね。これは12月中旬いやクリスマス前には終わる程度の作業になるだろうな」と言ってくる。コイツがこう言うという事は来年2月まで突貫作業になる未来が見えた。「4年前に山本くんとかいう新人くんみたいに今回も誰か来るんですか?」と一応、聴いてみると「いや、まぁ、今回はなー、11月になってからな事だし、来るはずなんだよ、その山本本人が。ただ・・今やってる作業が区切りがついたらになるだろうけど」こいつの言った事を通訳すると、”一応、名前を書いて前例通りに同じ人間が対処します。 と公表したけど、たぶん来れないから御前が一人で、なんとかしてくれ” という意味なようだ・・・やれやれ。




