Vol 12. サードスリル v2.0 黒組織親族
2023年10月、カメリア国にあるグローバル企業の
2024年度開始パーティー
世界各地にある子会社や事業部、関係会社から
色んな人間が集合している
同業者団体で2024年度ユーザーの皆様に御披露目する
新商品、新サービス商談会なども10月に開かれるので
自分のいる国に持ち込んで儲かりそうなモノを
各国から探しに来る調達担当とかも集合
そういったイベントでの交渉練習をしている人もいる
自分の立場はというと
ここにいるマネージャーレベルの皆様からすると
マジカ太平洋事業部の鄭国子会社が関わっている
月本関係会社の鄭国子会社に所属する
ユーザーから、いくらの金を引っ張れるかを
競争している馬みたいな存在
なので交流できて会話できるのも
同じような仕事をする人々だけ
そもそも金を払う顧客の事をユーザーと呼ぶ
話す単語自体が独特なので、他の群れの人々とは
会話の基本用語自体が違う
軽い挨拶と世間話までは話せても
それ以外は互いに何を言っているのか理解できない
パーティー合間に今年度の実験についての打ち合わせ
どんなシステム常識を説明するか
グループ内の、底辺労働者・一番多数派労働者
有能無能評価査定ルールを、どんなものにするか
ユーザー差別化と並行しての関係者差別化
同じ事の繰り返しな日常業務で
どんな事ができたら会社で優遇されるか
などなどを自分の所属する鄭国関係会社の
マネージャーの皆様が決めていく
決めるとは言っても例年通りで
そんなに何かを買えるわけでもない
そして年度始という事で本社統括様も参加しているので
マネージャーの私は有能アピールが凄い
我ながら場違いだなあと思う
裏仕事というか闇仕事というか
誰も、やりたがらない犯罪スレスレの腐れ仕事を
実行犯に指示して作業させている
自分のようなのが、なんで参加するんだろうな?
実際に不思議に思ってマネージャーに聞いてみた事もある
「それはな、こういう表の人間とも関わって
君達が犯罪スレスレの実行犯にならないように
歯止めをかける意味でもあるのだよ
こういう所にいる人々に顔を覚えられれば
少なくとも、裏社会や黒社会の住人と
直接に接触するような事は、しなくなるだろうからね」
そんなセリフが返ってきた
それにしても、麦国にいる間だけのニックネームのように
ジョンとよばれるのは、凄く変な感じがする
本名、雲正男 ウン・ジョンナムなのだが
ジョンナムを麦国の人々が発音できないので
略してジョン・ウー。
他のマジカ太平洋地域の各地から来ている人も
アルファベットの先頭3文字4文字までで
略した呼び名で呼ばれている
麦国本社の人間が呼びやすい発音しやすい略称で
・・・・
そして、カラオケ・スナックと、ステーキハウスを合わせたような
砕けた感じのリトル・ブルースにある店へ
「今年、御前等の内輪の大統領様の実験、どんなの?」
『神京で採用した20代前半の新卒の若年労働者と
ブルースで採用した60歳くらいの高齢労働者の
今まで馴染んだ世界を丸ごと入れ替えたら
どうなるかの実験みたいだな。去年と同じで』
「しっかし、なんで、あーんな実験をするんだろうな
親子くらいの年齢差のある人間の環境を入れ替えるって」
『20代前半の新卒の若年労働者を
60歳くらいの高齢労働者だらけの営業所へ
60歳くらいの高齢労働者を
20代前半の若年労働者だらけのデータセンターへ
何年か前に、どっちが、どっちにつられて
おかしくなるかなーで実験したら
会社の都合にあってたから、やってんだろ
毎年、毎年』
「去年って、20代前半の新卒の若年労働者の方が
全面勝利だったんだっけ?」
『そうそう、若年労働者の集団縁利用が
会社に有効だったからね
出身初等教育学校から持ち込んだ
イジメ、差別アダナ、仲間ハズレから
出身大学の大学院や大学研究室に所属する人々へ
調査研究委託をして、知的所有権を共同所有
商用展開して結構な利益が挙がったから
持ち込んだ調査研究方式まで
全部、20年から30年くらい前に生まれた人々の感覚』
「とはいえ、次の麦国大統領が2025年から2028年まで
在任している間だけ流行しそうな
テクニカル・トレンドってもんだけを覚えさせるから
2029年には2024年式パソコンがサポート切れで
使い物にならなくなるのと同じで
入れ替えになんだろうな
現に、2010年代に使っていたパソコンの
OSサポート切れが一昨年、去年と続いて
来年にも切れて、新OSに切り替えないと駄目なのと同じで
パソコンみたいに人間を入れ替えんだろ?」
『だろうな・・・
んで来年とかから、新OSの操作性が、わからないとか
使いずらいとかいう
新しさについていけない人の対処仕事や
新OSでも動作するようにする作業も発生するってね
そういう単純確認作業仕事なら、高齢者や初心者でも
できるんじゃないかって、作業員調達会社のオッサンとかも
張り切って売り込んでるよな』
「しかし、ユーザー先での作業員調達以外に
水商売の女店員や、男の土木作業員を調達する仕事も
やってる会社って、面倒だよな」
『平日、上品な大企業向けのIT作業員取引で
使い者にならなくなったのを
土日に忙しい一般消費者向け販売会社での
バイト・パート店員で使って
更に、そこでも駄目で仕事が無いから
金のためなら、なんでもしそうなのは
闇バイトのような世界へ引きづりこまれる
そういうのは昔から、あったんじゃないの
平日、コキ使っている作業員を
土日の一歩案消費者向け販売会社の客にして
使った人件費を回収して
ついでに作業員と関わった人間も客にしたい
っていう
歪んだ やる気が ウザいんだったら
土日、奴等がいない場所に行ってりゃいいんじゃね?』
・・・
そして、10月の麦国出張が終わって帰国
まずは同じ雲一族に所属する長老に挨拶
そして黒組織に向いていた人々と会食
だいたい4年前と同じような仕事をすれば
金ヅルに嫌われないんじゃないかな
てな世間話と、黒組織内輪での最新流行
当たり前になっている内輪のギャンブルや、そのイカサマ手口
などなどの色んな、グダグダ・グチャグチャ・ドロドロが
混じり合ったようなデーティ・ワーク世界の世間話。




