Vol 11. サードスリル v2.0 バーチャル・タウン・バージョン2
2022年の秋、某大学の鈴木教授は今日もゼミ生の前で講義
そして講義終了後、研究室の助手をしているゼミ学生で
就職の決まった三宮が挨拶に来た。
『教授の御推薦のおかげで大企業に就職が決まりました。
ありがとうございます。』
「良かったね。頑張って会社に貢献してくれたまえ。
そういえば、君が大学一年時から4年間
研究室に関わっていた間の引継ぎは
後輩に してくれたのだよね?」
『はい、バーチャル・タウンのバージョン2
開発については全て引継ぎました
産学連携事業に関係した5年毎に人事異動で
入れ替わる産業振興センターで働く公務員の方
との交渉経緯
その公務員の方と共同で産学連携事業にいる
地方銀行融資部の銀行マンの方との内諾事項
産学連携の企業側として交流してきた
メーカー側との調査研究委託請負契約上のルール
など関係者の説明はしましたので
わからない事があったら、個別に各人に聞いてくれと
たぶん、私がいた4年間とは
違うものに、なるのでしょうから』
「うむ、御苦労」
・・・・
4月になって、前バージョンを知らない人間
この新しいバーチャル・タウンのシステム常識が
初めてのバーチャル空間体験な人間が来るとして
どんなシステム常識を説明する?
というような事を決める検討会が
来年春以降も大学に残る人間だけで開催された
集合場所は大学研究棟
土曜も日曜も昼も夜も誰かがいて
自分の考えた論理を完成させるために
ひたすら考えているので不夜城とも呼ばれている場所だ
始まりに語られるのは雑談とも言えるような会話
「数か月前まで高校生だった新一年生が馴染んだ世界とは
どんな世界なのかを考えてみようか?
物心ついた時には、インターネットとスマホがあって
地上波のテレビより、動画配信サイトで
自分の感覚にあったものを探して見るのが当たり前
4年前の新型熱病でのパンデミック騒ぎの時に
中学3年生で高校受験
高校1年生時の授業はリモート授業
色んな野外交流イベントが無い高校生活
やっと少しは同じ学校の学生と交流する事になった頃には
大学受験などの進学のための勉強
屋外で過ごす事が極端に少なく
バーチャル・タウンのような世界で過ごすのが
当たり前になった人間が増えた学生・・・なのか?」
「いやテレビゲームやSNSに嵌った学生ばかりじゃないでしょ
高校野球とか高校サッカーとか人気のあるスポーツってのが
あるのは昔ながらといえば昔ながらの学生生活
しいて違うと言えば
異世界転生ファンタジーとかいう
ネット小説・アニメの流行
中学校の授業に、ダンス・金融・プログラミング
とかが追加になった事くらいかですか」
「リズム音痴、経済オンチ、プログラマ適性ゼロ
若い内に自覚して、ダンサーやプログラマに
なろうとして失敗する人間が発生しなくなって
良い事なんじゃありませんか」
「とはいえ、流行の異世界ファンタジー要素を
バーチャル・タウンにも少し加味して
住民を増やそうというしているのは事実
ある時期に流行して定着したRPGのゲームシナリオ
勇者とか魔法使いとか魔王とかが出てくるアレ
古典的シンデレラ・ストーリーの悪役令嬢変換版
アーサー王のような戯曲パロディのような
王族貴族物語
そういった異世界ファンタジー要素が流行して
ある年齢以下の子供に浸透しているので
アバターキャラクターデザインの設定を
少し、その流行に寄せたものにしています
また最近の流行ゲームというか
e-Sports を取り入れたものでは
参加費を集めて勝者が賞金として
受け取れるようなイベントを開催しています
当初、電子商取引をする取引所を開設して
大人のビジネスゲームに展開する構想でしたが
色々と問題があり
18-35歳の若年労働者層
まあ、ここにいる大学生、大学院生、研究室スタッフの皆様と
同じ年代の人々ですよね
それと、18歳未満の学生層
を主要ユーザーとして取り込むバーチャルタウン
にする事となりました」
「初期バージョンは
特定業種の同業者団体に所属する人々だけが住人の
小さなバーチャルタウンにしか、ならなくて
規模メリットが出る大都市には出来なかったんですよね?
同じ事の繰り返しになるのでは?
勝算というものは? あるんですか?」
「初期バージョンで初期ユーザーになった住民の皆さんの満足度を上げたら
その住民が所属する同業者団体の人口だけが増えすぎて
閉鎖的になりすぎて、一般ユーザーが増えなくなったんでしたっけ?
新規ユーザーが入りやすい入口を作って
既存ユーザーが新規ユーザーを排除しない仕組みが必要ですし
そのような同業者団体の人々が共同生活する場所というか
取引所のような場所を用意して一般ユーザーと共生する仕組みが
必要なワケですよね
とはいえ、初期ユーザーに不利すぎると住民が減って
他のバーチャルタウンへと引っ越してしまう
という堂々巡りに嵌っているのを変えないと駄目なワケですよね・・現状」
「まず、この大学の今年度新入生を含めた初期ユーザーは確保してあります
つい数ヶ月前まで高校生で、疑似社会経験ともいえる体験をするのが
このバーチャルタウンな人々の反応により改良していく予定です」
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某大学新入生、ならびに関連各位の皆様
2023年も年末となりました。
新入生の皆さんは新しい環境で過ごす事になってから
そろそろ一年ですね
某大学 工学部 ▼△研究室の
バーチャル・タウン運営スタッフです
バーチャル・タウンをネット空間上に構築しました
その空間の住人となってくれる人を募集します
住人になる手続きは簡単、
サードスリル バージョン2というアプリを
ダウンロードするだけです
2023年12月15日から 2024年1月15日まで
メール記載のリンクからダウンロードすれば
誰でも住人となってプレイできます
時間のある方 プレイをしてみて下さい
ベータ版で何も無いに等しいバーチャル・タウンですが
こういうゲームだったら、もっと楽しいのにとか
こう変えた方が面白いとか思いつかれた事がありましたら
投書チャットにメッセージを書き込んで下さい。
以前、ボランティアOBとして参加して下さいました皆様は
ご存知かと思いますが、初参加の方もいるかと思いますので
投書チャットのリンクも張っておきます
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2023年11月末、1年がかりで製作された
サードスリル バージョン2のテストプレイを
大勢の人にしてもらおうという事で
知り合いとか在学生とか開発者が馴染みのある人に
メールが送付された
「参加者いますかね?」
「少しはいるでしょ たぶん」
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テストプレイ チャットログ 開始
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三宮: テストプレイ初日の夜ですが? どうですか?
田中: 今のトコ、新入生と、その仲間だけですね。
宣伝とかしないで口コミだけですから
しかたないと言えば しかたないですけどね
やっぱ、昼間人口は、それほどのアクティブ・ユーザー数
いかなかったですね
新入生も講義とかサークルとかがあるので
最初の週末人口、週末夜間人口がどうなるかですかね
三宮: 義理で参加しましたって人だけでしたか
口コミで知人、友人、そのまた知人って広まりますかね。」
田中: アレコレとキャンペーンを繰り返す内に広まるでしょ
三宮: なんか このままだと内輪の伝言板に なりません?
田中: 最初は新入生の書き込みは無くて遠慮するものでしょ
これから これから
新入生A:
最初は小さく始めるって言っても小規模すぎませんか?
前バージョンが本屋やライブハウスくらいの規模だったのと同じで
今の所、アニメ2次創作劇場と、動画作成クラブだけって
・・・・小規模すぎですよね
田中:
前バージョンで
軽音系サークルがアーカイブ過去音源で作ったライブハウス
文芸系サークルが今まで発行した作品で作った古本屋
そこから始めたのと重複しないように
でも同じように始めたら、やっぱ音と言葉とイメージと
ってな感じに、なっちゃったんだよねー
今回は4年前の前バージョンを発表した後に
大学内で新しく出来たサークルとかで
実験的に出店者を募っただけだから仕方ない
その内、拡張するから
通りすがりの学生A:
創作才能のある人間が、どれだけいるかに依存するって
内輪受け高校文化祭レベルの人間しかいないんじゃ・・・
ヤバくないっすか?
三宮:
住人が増えて色んな意見が発生して
どんな多数派が発生するかとか
どんな内輪の流行が出来るかとかで
どんなバーチャルタウンになるかが決まるんだから
探せばいるでしょ
友達の友達に才能のある人がいるかもだし
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テストプレイ チャットログ 終了
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